iOS視線入力対応とガラケーと一眼
AppleのiOS18、界隈ではアクセシビリティ機能のアップデートが話題です。
まだ18にアップデートしていなければ試してもいない時点での勝手な雑感。
今から20年ほど前、高校合格と共に親に携帯を買ってもらいました。
カラー液晶•16和音の着メロ機能にezWebでインターネット接続も可能の最新機種でした。
カメラはまだありませんでした。
同じ頃、当時のJ-PhoneにはSH04だったかな?というデジタルカメラを搭載したモデルが人気でした。
同級生がその機種を使っていました。
デジカメさえまだ普及していなかった当時、僕らが写真を撮るのはフィルムカメラ、特に「写るんです」が主流でした。
そんな中、デジタル写真を携帯で撮影できるというのは非常にセンセーショナルでした。
もちろん画質はお察し。今の基準なら「一応ギリギリ写真と呼べるレベル」
その後"ガラケー"の進化はカメラ機能の進化と言えるほど他者も追随しました。
少し時代が下って、学生でも自分のコンパクトデジカメ(コンデジ)を持つようになっていた大学生の頃。
先輩からお下がりの一眼レフD50を譲ってもらいました。たしか10000円でした。20000円でレンズを買って僕の「カメラライフ」が始まる訳ですが、ケータイやコンデジとは比にならない画質と撮りやすさ、重さやサイズとは引き換えに専用機の恩恵を大きく受けます。
ここから10年ほど、つまり2000年代から2010年代初頭にかけて、
「写真を撮るならコンデジよりも一眼。ケータイはあくまでオマケの写るんですレベル」
という時代だったとおもいます。
ところで、最近家電用品店のカメラ売り場を覗いたことがありますか?
2〜3万円台で各社からゴロゴロと売っていた"コンデジ"はもうほとんど販売されていません。
一部の特殊な用途向けのもの、おもちゃのようなもの、そして10万円を超える高級コンデジがいくつかあるだけで、カメラ売り場そのものが10年前と比べて大きく縮小しました。
そうです、スマートフォンの登場です。
スマートフォン登場当初はやはり、「所詮電話のおまけのカメラ」でした。
ところが、デジタル写真は必ず画像処理が必要なため、高性能なCPUを積んでいるスマートフォンにとって画質がどんどん向上するのは当然の進歩でした。
カメラはその機種ごとに画像処理エンジンを作る必要があるため、開発コストもスピードも大きく置いていかれます。
またセンサーサイズといって、
車でいうエンジンのような、カメラの基本性能を一番大きく左右するパーツも2〜3万円のコンデジはもちろん、10万円クラスの高級コンデジに比肩するレベルにまでなっています。
この20年で、”電話についているカメラ”は十二分に実用性能を持ちました。
それでも、10万円を出してコンデジを買う人が一定以上います。
プロカメラマンが機材をすべてスマートフォンにするのには、まだもう少しかかりそうです。
20年かかりました。それでもまだ、”専用”でなければできないこと。
なぜそれが”専用”として残り続けているのか。
何もせず20年待つしかないのか。
ガラケーのカメラで写真を諦めちゃう人がいないか。
そんなことを考えています。
一方で、20年前のガラケーの背中についたカメラで初めて同級生と撮った写真を見る時のワクワクも、地続きで今に繋がっていることも、忘れないようにしなきゃな、と思うのです。