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重力にまかせる



雨がふるのも
川が流れていくのも
花が咲くのも
根が張っていくのも

私たちが歩いているのも
この地球上の重力あってこそ。

だから生きています

雨が降り
山に染み込み
小さな川や湧水となり
高いところから低いところへ
沼、湖、海へ流れていく

この循環のなかで
私たちは生きています

これは重力がないと
行われていないものです

わたしたちは日ごろ歩いていて
身体をいろんな方向に動かして
生きています

重力にまかせて眠るとき
わたしたちは身体が求める方向へ
時にのびのび
時にごろごろと
ねむっているはずが

日常の気付かない力みであるとか
日常の生活の中で
長時間固定されたうごきのなかで

肉体が重力に反して
生きているときがあります


また季節柄、春の芽吹きと同様に
わたしたちの身体をめぐる「気」も上昇する春先

自然の摂理ではあっても
呼吸が浅くなるのもこの時期のもの

重力に身をまかせることが
身体の記憶から抜けてしまうことがあります

なんだかわからない春の不調のとき
まずご自身が自分の足がしっかりと
この地球の上に乗っているか感じましょう。

「重力ってなんだろう?」とアタマで考えることは
ひとまず横に置いておいてくださいね。

足の裏がしっかり地面についているか
身体のおもさが足の裏でじっくりかんじられるか
ためしてみてください。

どんどん身体が液体になってきて
地面に染み込んで広がっていくように

床に水を注ぐと
ひろがっていくように。

身体を上に上にと持ち上げる体癖がある場合
表層の筋力に頼り過ぎて
からだ全体が固くなってしまうことがあって

この足の裏の重さを感じることが
出来ない場合があります。

そんなときは足の感覚を蘇らせるために
しばし腰を下ろしましょう。そして
足の裏をご自身の手でゆっくりもみほぐしていきましょう。

そのとき呼吸を詰めて
集中してもみほぐそうとはせず

ぼんやりとして
のんびりと呼吸をして。

もみほぐしたあと、またゆっくりと立ち上がり
足の裏の感触を確かめて
自分の足の裏を信頼して

ゆっくり自分の身体の重さを
足の裏に渡していきましょう。

足の裏がしっかり地面についているか
身体のおもさが足の裏でじっくりかんじられるか

頭でかんじるのではなく
身体が感じていることを
声に出してみましょう。

どんどん身体が液体になってきて
地面に染み込んで広がっていくように。

そしてそこで一呼吸して
身体をゆるめていきます。

そしてまた足の裏に
身体の重さを預けていきましょう。

左右に身体をゆらしながら
大きく一息はきます。

呼吸も重力にまかせるように
はくことができていますか?

身体のなかから川が流れていくように
重力にまかせてはいてみましょう。

私たちは日々の生活の中で
「挑む」「昇る」ことも
大切な活性のひとつではありますが

流れ着くところで花ひらいたり
流れつくところでお役目があったりもします。

この世にはさまざまな重力にあずける物事が在ります
身体を重力に預けるように
ものごとを川の流れのように重力に預け
たどり着くのもひとつの未来です。

もしこれを読んでいるあなたが
どうしたらいいのかわからない、という感覚になったとき
身体を重力に預けてみてください。
気持ちを失なってしまっているとき
忙しくで心をなくしているとき

身体を持っていることをしばし
忘れていることのほうがおおいのです。

私たちは身体在って
いのちを持っていきています。

じぶんのこころの面積がひろがりすぎて
身体から離れてしまっているときは
重力のなかで生きていることを忘れ
ケガも多くなるものです。

また、身体が冷えているのに気づかず
ぎっくり腰になりやすいのも
この季節特有のもの。

どうぞ腰を下ろして
足をゆっくりもんで
ゆっくり呼吸も重力にまかせて

この重力の重みがあって
私たちの身体が成り立ち
行きたいところに足を運び
動かしたいところへ手を伸ばして

いのちを繋げ続けられていることを
思い出してくださいね。

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