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ヤフオクでの浮世絵事情。1.ヤフオクの浮世絵をプロが落札し始めた。2.なんでも鑑定団とヤフオクの値段の違い。3.浮世絵詐欺。4.まとまって出品される浮世絵。5.ヤフオクで蚤の市で買うようなやりかた(値下げ交渉)

ヤフオクの浮世絵をプロが落札し始めた

ヤフオクの浮世絵事情が最近変化しています。
ヤフオクと言えば何でも出品されています。美術品も多いです。
その中で浮世絵は偽物も見分けやすいし価格も安定しているのでたくさんの人が参加しています。
特に100円からとか1000円からなどのオークション形式なのは人気があり、下手すると即決金額(固定金額)よりも高値が付くことがあります。
これは、低い金額から始めるとヤフオクでの順番が早い方に出るため参加者が増えるのとヒートアップするからです。
ただ、浮世絵に関して言えば他の古美術品と違って値段がある程度決まっているので、プロのショップとかコレクターは緊急のお金が必要ではない限りオークション形式で出品はしないはずです。
だから浮世絵に関して言えばオークション形式は出づらいはずなのです。
今までは、落札金額を見ても浮世絵専門店で売っている2分の1とか3分の1で落札されている場合が多かったのですが、最近はショップ近くの値段で落札されているのも多くなりました。
これは、ショップがヤフオクを無視できなくなり、売値を下げていることと、プロが参入しているからです。
浮世絵のプロが参加していると言っても、あくまでも予想です。
私がプロだろうなと考えるのは評価の数字です。
評価の数字が多い人はヤフオクでたくさんの売買をしている人です。つまりプロの可能性が高いということです。
一般人の評価は3桁以下が普通ですが、4桁、5桁の入札者が最近多く、それらはプロの可能性が高いということです。
例えば下の源氏絵なのですが、プロと思われるものが5名参加し、落札者は5桁のプロと思われるものです。
この源氏絵は風情があってプロはかなり高値で売れると踏んだのでしょう。
落札者は51,004円で落札をし、他のプロと思われる4人は1万5千円くらいで撤退をしています。
つまりこのプロと思われる落札者は、コレクターか、お客がこの源氏絵を望んでいたのではないかと思われます。
ショップでは7万から10万はいかない値段ではないかと想像できるからです。

私自身、しょっちゅうプロと競り合っています。
特に3代豊国の誠忠義士傳はプロが参加しなければ5千円以下で落札できるのに1万5千円で落札したのです。

これもショップでは2~3万円くらいだと思いますので、それでも安いのですが、このシリーズ30枚近く落札したので30万円近く損をしていることにはなります。
ただ、入札する側としてはプロの参入は迷惑以外何物でもないのですが、コレクターとしては浮世絵の値段の下落阻止をこのプロたちが担っているのです。
ヤフオクが無い時代は、浮世絵商がお金に困った時は名古屋で浮世絵商同士の交換会に参加し、定価の3割引きくらいで同業者が買ってくれました。
だから浮世絵の値が安定もしていました。
しかし、ヤフオクでそのシステムも壊れました。
そしてここでの疑問、誰がオークション形式で浮世絵を出品するのか?
これは、浮世絵コレクターが亡くなって、それを引き継いだ者が、骨董店やネットで探した古美術屋にひとまとめで安く売ってしまい、それを安く買った骨董商が売れればいいとオークション形式でヤフオクに出品するのです。
だから、オークション形式に出品される浮世絵はコレクターが放出したものだと一発で分かります。
そして、今、このコロナの時期で経済が停滞しているのにプロがかなり入ってきたということは、代替わりのコレクターの浮世絵もいつかは無くなってくるだろうと考えてか、それとも、全世界がお金を増刷することにより金持ちが増え、インフレが起こるとみているのか、理由は色々考えられますが、浮世絵は世界的なものであり、数が限られているし、今が底値だと思っているのでしょう。
だいたい、200年前の浮世絵が、現代の復刻の浮世絵より安く買えるのですから、どう考えてもおかしな現象なのです。
江戸時代から明治時代に変わった時に、江戸から大名が引っ越しをし、廃仏毀釈で仏教美術が捨て去られたので、骨董品屋には古美術品が山と積まれ、捨て値で売っていました。
それを買ったのがお雇い外国人と、日本に訪れた外国人たちで、それらの外国人のコレクションが全世界の国立美術館に収まっているのです。
今のヤフオクもこれと似ています。
浮世絵も日本では捨てられ、屑屋が集め再生紙にされる運命だったのが、お雇い外国人が夜店で買うことにより、夜店の店主が屑屋から買いはじめ、数十万枚から100万枚くらいの浮世絵が助かったのです。
歴史から考えると、おそらく中国人が浮世絵に目を付け、すべて買う可能性もあるし、今のプロたちも中国からの依頼で動いている可能性もあります。
すべて奪われた後に、日本の美術品を中国に取られたと騒いでも遅いのです。
これは、林忠正が浮世絵をパリで20万枚くらい売り捌いたときに非国民と罵られたことが再現されるかもしれません。
しかし、林忠正が浮世絵をパリに持って行ったとき、日本人は浮世絵を捨てていたのですから、林忠正は浮世絵の恩人なのです。
だから、中国人の依頼を受けているプロがいたとしても、それは浮世絵の恩人だともいえるのです。
浮世絵を無視するに日本人に非難する資格はないのです。

なんでも鑑定団とヤフオクの値段の違い

最近もなんでも鑑定団で浮世絵が出されました。
その浮世絵は歌川国芳の『木曽街道69次』です。
この国芳の『木曽街道69次』はダジャレが絵の中に入っていて、それを番組では紹介していました。

お岩が抜けた毛を持っているから「お岩 毛」


おーいと呼んでいるから大井。


曽我兄弟。敵はいるか「います(今須」。

盛りそばの山だから守山。


また右下の小さな人物が化け物を弓で退治した源頼政。主役なのにこんなに小さい。








守山だけは人気で30万円。
後は1枚5万円。
揃いなので500万。

この国芳の『木曾街道69次』は揃いで500万、単品だと守山以外は5万円と出ました。
そして今、この『木曽街道69次』がヤフオクでも定期的に出品されています。
定期的というのは、このコレクションを手に入れた古美術商がいっぺんに出品すると値崩れが起きると考え順番に出品しているからです。
これは揃いのコレクションを手に入れた出品者がよくやる手です。
私が落札した誠忠義士傳も1か月に1回8枚くらい出品されていました。
下に木曽街道の落札された一部を載せます。
5万円を超えるのはほとんどなく、大体2万円以下で落札をされています。
























つまり、なんでも鑑定団が言う5万円に届くのはわずかで、大体2分の1から3分の1です。
そして、この出品は今でも続いています。
70枚だから時間がかかるのでしょう。

上の絵柄は今5万円を超えていますから、人気なのでしょう。
鑑定団でみんな5万円と値づけたのは乱暴のように感じます。
絵柄によっては5万円を超えるのが何枚もありますから。
そして、この絵柄、3万円まではプロが入札をしています。
プロから見ても3万円までなら買って損はないと見たのでしょう。
おそらく、ショップでは10万円近くの値段を付けるところもあると思います。

浮世絵詐欺

浮世絵詐欺に関してはこのnoteで何回も私は書いていますし、警告もしています。
最近書いたのをここに流用します。
北斎の凱風快晴がヤフオクに出品されています。もちろん詐欺です。 👈表題

今日落札日の北斎『凱風快晴』が出品されています。
今はまだ誰も入札していませんが、誰か入札するかもしれません。
この詐欺師はもう何年も出品していますが出品をやめません。
ヤフオクは何もしません。
私がこの詐欺にあった時、気づいたのは簡単決済をした後でした。
急いでヤフオクに出金をやめてくれと頼みました。
しかし、詐欺とはいえない、ということで断られました。
この出品者の住所、電話番号が全てでたらめだし、この画像、メトロポリタン美術館から引っ張ってきていると言ってもダメです、で結局出金されてしまいました。

メトロポリタンの凱風快晴☟

ヤフオク☟

ヤフオク全体☟

メトロポリタンの『凱風快晴』と類似が直ぐに見つかります。
100%メトロポリタンの画像をコピーペーストしました。
もちろんヤフオクにはこの証拠も見せています。
警察に行っても、相手から品物が送られて来たら詐欺には当たらない。警察では真贋は分からない、と届け出を受け付けてもくれませんでした。
これだけ、誰もが分かる証拠がありながら届も受け付けないのが警察です。

上のように当時物、本物と記載されているのに、「ヤフオク審査の結果、出品者に支払い手続きをします」という通知が来たのです。
ただ、今回は、この詐欺師、うまく出品しています。

浮世絵 大判と記してあり、完全に浮世絵だと誤解させ説明欄では寸法を73*50センチとしています。

このサイズは大判浮世絵のサイズではありません。
実は掛け軸のサイズなのです。
下が送られてきた印刷の掛け軸です。
縦、横が違う何だこれの掛け軸です。

これを何とか防ぐ手立てはないのかと出品者の質問に「これは印刷された掛け軸ですよね」と入れても出品者が返事を書かなければ公開されません。もしくは、公開拒否というのがあるのかもしれません。
何しろ、この出品者の質問を入れても無駄です。

そこでその下に違反者の申告ボタンがあるので、ここから申告すればヤフオクが手を打つだろうと期待しますがむだです。

下のような画面が出てきますが、これで申告しても出品者の処に通知が行くだけです。

ヤフオクはこれをチェックしないのです。
だから詐欺やり放題です。
私の時は完全に詐欺明記だったのですが、今回は寸法を入れています。
だから、完全に詐欺にあってもヤフオクも警察も何もしてくれないと思います。
そしてこの詐欺師、今回は3点出品していて、その1点には入札がされています。

実はこの絵柄、過去にも何回か使われているのです。

今回の入札者の評価を見るとサクラではなさそうです。
つまり詐欺にあっているということです。
でも、偶然この私の投稿を見ればまだ助かります。
ヤフーかんたん決済をしなければいいのです。
過去には下のような高額落札もありました。
落札者は、おそらく泣き寝入りです。

上の画像は消えていますが、絵柄は下です。マネが模写した浮世絵です。

下も高額落札です。
入札履歴を見れば分かりますがサクラが大量に入っています。これも画像が消えてますので同じ絵柄を載せておきます。

このような詐欺を見破るのは簡単です。評価を見ればいいだけです。

上のように新規です。評価はありません。
何しろ、このような有名浮世絵が出品された場合、評価10以下は疑わなければなりません。

この詐欺師、定期的に出品しています。
私が詐欺にあった時は徹底的に戦い、ヤフオクもこの詐欺師の出品は全て停止中にしました。
でも、ほとぼりが冷めるとまた出没します。
私が調べた範囲でも過去に400件近くの落札があり、数千万円の被害が出てます。
もちろんこれらの資料は警察にもヤフオクに出しています、が、全く何もしてくれませんでした。
下にその一部を載せます。

この掛け軸が送られてくるのは外国からです。
おそらく隣の大国の可能性大です。
私の時は漢字の表記がそれらしかったからです。
しかし、本当に日本という国は役所体質でリスクのあることは絶対にやりません。
これだけの証拠を積み上げても、ヤフオクも警察も何もしないのです。
私は、ヤフーのトップ、そのうえのトップにまで手紙を書きました。
おそらく担当者が無能なだけだろうと思ったからです。
でもヤフオク自体は良いサイトだと思っていたので、このことを、新潮だとか文春には伝えませんでした。
何とかヤフオク内部で解決してほしかったからです。

上ように書いたのですが、いまだにこの詐欺は行われています。
私はあらゆる努力をしましたがヤフオクの担当者がマニュアル通りに動いているだけなので、一向に無くなりません。
私が騒いだ時は1年間くらいこの詐欺師は出品しなかったのですが、ほとぼりが冷めたと思っているのでしょう、どんどん出品してきます、というより、昨日もこの詐欺師の出品が落札されていました。

それも相変わらず下の絵柄です。

入札履歴が42もあります。そして落札したのがプロです。

プロもこの絵柄の魅力に確かめもしないで入札したのかな?
この詐欺師、他にも出品をしていて、それらも落札されています。
もう一つあったのですが、もう削除されていました。落札と同時に削除されていた?
証拠隠滅でしょうね。
ただ、今回は手が込んでいて評価が3入っているのです。
だからプロも騙されたのかもしれません。
今回、これとは別に怪しいものが出品されていました。

評価が1入っていますが、出品地域が千葉県になっていますし『寸法イメージサイズ縦.約40ミリ横.約57ミリ』と書かれていますので、これも完全な詐欺で同じ出品者です。
題名も「百物語 笑ひはんにゃ」なのに【葛飾北斎『百物語・三笑』 】と書かれていましたから、日本人が出品したのではない、と分かります。
それに、浮世絵に詳しい人ならこの北斎のシリーズは中判だと知っていますからサイズが全く違うとわかります。大判だとしても違いますが。
そして入札者にプロは入っていませんでした。
入札者は浮世絵をほとんど知らない素人なのでしょう。
浮世絵を出品する人でちゃんとしている人は、浮世絵の裏側も載せます。
手に取っている写真を載せる人もいます。
これらは、どこからも絵柄をコピー貼り付けしていないよ、という証明になるからです。
美術館では浮世絵をネット公開していますから、浮世絵の絵柄は簡単にコピーできます。
そして部分、部分を載せればさも自分の所有のものだと錯覚させることができます。
でも裏側は載せられません。
その画像がないからです。

まとまって出品される浮世絵

最近は10枚まとまってとか20枚まとまって浮世絵が出品されることが多いです。
これは古美術商が1点1点出品するのがめんどくさくなったのでしょう。
画帖の場合は、それも仕方がないのですが、状態の悪い浮世絵などは1枚1枚だと安い値にしかならないので、手間を考えたらばかばかしいと考えているのかもしれません。
ところが、意外とこのまとめて出品する方法は1点1点出品するより高値になる場合が多いのです。
昨日、200枚強まとめて出品があり落札されました。

明治の浮世絵で状態も悪くはありません。
200枚で85万円。
かなり高値で落札されたのではないでしょうか。
明治の赤絵に関しては下のように3枚続きで1000円で落札されることもあるのです。

普通は下のように3枚続きで1セット6000円くらいです。

ただ絵柄によっては高く落札されるのもあるので何とも言えません。下を落札したのはプロのようです。

今回の85万円の落札はプロではありません。プロは20万円でやめています。
私も20万円なら参加しています。1枚1000円見当ですね。

ヤフオクで蚤の市で買うようなやりかた(値下げ交渉)

意外と知られていないのですが、ヤフオクに即決で決まるやり方があり、その中に値下げ交渉を設置しているものがあります。

このシステムを知らない人が多いため、出品者もあまり使わないし、入札者も確かめません。
この値下げ交渉をするをクリックすると下の画面が出てきて交渉価格に希望の値段を入れます。

交渉価格に値段を入れて確認ボタンをクリックすると下が出ます。

そして、ガイドラインに同意して、交渉するをクリックすれば出品者側がそれを受け入れるか拒否するかだけです。
受け入れれば交渉成立で落札されますし、拒否されればそのまま出品されます。
拒否されても、それより高い値段でまた交渉すればよいだけです。
蚤の市でプライスダウンというのと同じです。
だいたい、値下げ交渉OKとしているところは1割引きなら無条件でOKするでしょう。
2割引きまでも80%の確率でOKだと思います。
3割引きあたりが攻防戦ではないでしょうか。
もしかしたら5割引きも成立する可能性だって0ではありません。
それ以上はさすがに断られると思います。

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