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娘の話。

どうしても娘について書きたくなったので。
かわいの娘、チカ(仮名)
頑固でロングスリーパーな小学5年生。
口ばかり達者なもので、常に私とバトルを繰り広げている。
一緒にキックボクシングを習っているため、ガチ喧嘩になるとお互い蹴り合いになり、大抵かわいの方がアザだらけになってしまう。
親の欲目で見ても決して美人ではないのだが、なぜかやたらとモテる。
そんな娘、チカのお話。

チカは「自分」を持っている。
例えば、一緒に下校している女友達数人がちんたら歩いてなかなか進まない時、先に帰るわーとさっさと帰ってきてしまう。
私だったらさっさと帰りたくても、言い出せずに周りに合わせてしまうだろう。

チカが4年生の時、クラスのスクールカースト上位的な女子(仮にA子とする)に目をつけられたことがあった。
何かと睨まれたり、すれ違い様に嫌みを言われたりしていたらしい。
チカはやり返す訳でもなくひたすらスルーしていたが、やはり内心気分はよくなかったようだ。
それを聞かされたのはチカが5年生になってからで、私はひどく驚いてしまった。
「その時辛くなかった?学校行きたくないとか思ったりしてた?」
なんてこった、子どもが嫌な思いをしてたのに気づけなかったなんて。
凹みかけた私をヨソに、チカは言った。

「そーゆーことしてくるのはA子だけだったから無視してればよかったんだけどさ、やっぱすっごいムカついてたよ。そしたらちょうど1週間後くらいにいじめアンケートが配られてさ、何か嫌なことされてたりしたら書いてねってやつ。
それにぜーーーんぶやられたこと書いたら、A子先生に呼び出されてめちゃくちゃ怒られて泣いてた!泣くくらいなら最初からやるなっつーの!」

強い。
メンタル強いやないかい。
私だったらソッコー凹んで毎日メソメソしてれば学校行くの嫌になってるパターンやないかい。
やり返す時も自分の手を汚さないし。
チカにとっちゃ、私に相談するレベルでもなかったってことなのか。

もうひとつ、驚いたチカのエピソードがある。
チカのクラスには、詳細は不明なのだけれど障害のあるB子ちゃんという子がいる。
彼女はどうしても作業がゆっくりになってしまったりするらしい。
スクールカースト上位女子たちは、そんなB子ちゃんに聞こえるように悪口を行ったり、仲間外れにしたりしていたそうだ。
そんな状況にブチギレたチカは、カースト上位女子たちに「やめんか!」と食ってかかり、それがきっかけでB子ちゃんと仲良くなった。
本を全く読まなかったチカは、B子ちゃんのおかげで一緒に図書館通いをするようになり、B子ちゃんおすすめの本を借りるようになり、読書の楽しさを知ることとなった。

↑という話を担任から聞かされて、驚きを通り越して終始ポカーンとしていた母、かわいであった。
チカにそんな一面があったなんて。
チカ強ぇよ。すげぇよ。
母ちゃんチカのこと尊敬するよ。
一緒にお風呂に入った時、↑の話を振ってみた。
チカは
「B子ちゃんいいとこいっぱいあるんだよ。掃除もすごく真面目に丁寧にしてる。プリント配りの手伝いも自分からする。悪口言ってるあいつらは掃除中もしゃべってばっかで真面目にやらないのに、よくB子ちゃんバカにできるなって、ふざけんなって思ってさ。」
と憤慨していた。


チカの正義感は素直に誉めてあげたい。
しかし親としては、B子ちゃんを庇ったことでカースト上位女子の矛先がチカに向いてはいないかということがどうしても心配になる。
恐る恐るチカに聞いてみると
「今のところ多分ないよ。仲良い子はわかってくれてるし、やられた時はやり返すわー」
とのことだった。
チカ強いよ。そんな子に育てた覚えないんだけどな…
あ、でも「もし先に手出されたらその時は蹴り返せ!お母さんが責任取っちゃる!但しチカからは手出すなよ!」とは言ったなぁw
自衛隊と一緒で専守防衛が大事、と言ったら、ちょっと何言ってるかわかんないと返された。
サンドウィッチマンか。

一応官品娘だからかな、正義感の強さはそこから来てるのかもしれない。
チカのいいとこも悪いとこもひっくるめて、私はチカが大好きだ。
これからもしっかり自分を持って強く生きてくれ。
但し母ちゃんを蹴る時は多少手加減してくれ。


ちなみに、「将来自衛隊に入ったら?」と勧めたら

「絶対やだ!!!」

と即答されてしまった。ちゃんちゃん。

※自衛隊では、自衛官夫婦の間に生まれた子を官品と呼びます。いらない豆知識。

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