第40話『クイズ前半戦!』
続いてほかの参加者たちも自己紹介を行っていく。
「ありがとうございます。いやー、こう言ってもらえると、この企画もここまで大きくなったか、とうれしくなってしまいますね。ぜひ優勝目指してがんばってください。では次の解答者、自己紹介をお願いします」
「”みんな元気ぃ〜? みんなのお姉ちゃんだヨっ☆” 姉ヶ崎モネでーすっ☆」
>アネゴ好きだぁあああ!
>アネゴ好きだぁああああ!
>アネゴ好きだぁあああああ!
今日はあー姉ぇも一緒に番組に参加している。
最近、バラバラに企画に参加していることが多かったので、今日は……不安だな!?
大丈夫かなあー姉ぇ? 絶対になにかをやらかす気がする。
今からお腹が痛いんだが!?
「というわけでアネゴさんです。たしか本企画への参加は2回目ですよね? 前回、参加いただいたときはある意味で伝説となりましたが、今回の意気込みはいかがですか?」
「いやもうカンペキ! なにより今回はイロハちゃんもいるから姉ぇっ☆ 学力テストでの雪辱を晴らすときが来たってわけよ!」
「雪辱を果たす、だよ。あー姉ぇ……」
「さっそく不安だー! 情報によるとアネゴさんは以前、イロハちゃんが主催する学力テスト企画にて大敗を喫した過去があるようですね。いやー、これはどうなるか楽しみですね。続いての解答者はうちのレギュラーの――」
というわけで俺はクイズ企画に一も二もなく飛びつき、参加していた。
司会者のVTuberに促されて全員の自己紹介が完了する。
「――というわけでわたくしめが本日、司会進行役を務めさせていただきます。そしてこちらにいるのが本日の解説担当です。どうですか、解説はいけそうですか?」
「あー、まー余裕だと思うっすね!」
>ほんとに大丈夫なのかよwww
>相変わらずノリが軽いんだよなぁw
>だれにも信用されてなくて草
「今回は全3ステージで、順番にフリップ問題、なぞなぞ問題、最後にガチの早押し問題という構成になっております。最後まで逆転のチャンスは残されていますので、ぜひ途中で諦めず戦い続けてもらえるとうれしいです。みなさん、準備はいいですか?」
「「「「おぉー!」」」」
「ではまいりましょう。問題!」
そうしてクイズがはじまった――。
「まずはフリップ問題からです。第1問――」
* * *
問題.『水曜日』を英語で書いてください。
「おっと、ちらほらと困っている大人勢がいますが、大丈夫ですか? ……出揃いましたね。ではフリップを確認していきましょう」
「『Wednesday』です」
「なるほど。読みは『ウェンズデイ』で間違いありませんか? そちらのかたも……ほう、答えは『Wednesday』。では次、アネゴさんどうぞ」
「ふっふっふ……『Wenseday』! こっちが正解だよ姉ぇっ☆」
「おっと! ここで答えが分かれましたね。読みは同じようですが。では最後にイロハちゃんの回答を見ていきましょう。どうぞ!」
「えーっと、『Wednesday』です」
「おや、ひとり仲間はずれがいるようですね。単独得点なるか? 正解は……『Wednesday』! 正解者に拍手!」
「なんでぇー!?」
「あー姉ぇ……」
>草
>知ってたwww
>アネゴェ……www
「では解説、お願いします」
「ういっす。えー、答えのウェンズデーですが、その語源は北欧神話のオーディンだと言われてるそーっす。オーディン……オーディン、オーディン、オー※□●……ウェンズデーって感じっすね」
>全然自然じゃなくて草
>もっとちゃんと変化させろw
>途中どうなってんだよwww
「これはちょっと簡単すぎましたかね。ひとりを除いて。ところで小学校では英語を学ばないと思うのですが、イロハちゃんはさすがの正解でしたね」
「ありがとうございます。ちなみにフランス語では水曜日を『メルクルディ』と言うのですが、その語源は、オーディンと同一視されることもあるローマ神話のメルクリウス|《ヘルメス》になります。こんなところでも言語が繋がっているんですねー」
「そうなんですか!? えー、情報によるとイロハちゃんはフランス語も堪能だそうです」
「おいスタッフ! 配役間違えてるって! 解説用のカンペ持ってるオレより解答者のほうが詳しいって!?」
>草
>くっそワロたwww
>このイロハって子すごいなw
「あと、じつは今は小学校でも英語の授業があります。必修化されたので。といっても、わたしはちょうどその境目だったんですけれど。あとはプログラミングも必修になりました」
「え、そうなの!?」
「はい」
「えー、わたくしめ、ただいま非常にジェネレーションギャップを感じております」
「プログラミングってなんだっけ? モデルとか写真のお仕事だっけ?」
>マジか
>知らなかった
>アネゴwwwプロのグラマーじゃねぇよwwwwww
「えー、では次の問題へまいりましょう。フリップ問題がすべて終わったので、ここからはなぞなぞ問題となります」
* * *
問題.とあるスミスが言いました。
「1から5番までの工具を持ってきてくれ」
それを聞いたお弟子さんは、しかし工具を3つしか持ってきませんでした。
いったいなぜでしょう?
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