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デザインのポエム

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デザインの責任を放棄するときの苦痛

デザインの責任を放棄するときの苦痛

あんなに暖かい日々が続いていたにもかかわらず、一気に冷え込んだ今日、雪が降り、積もり、そして午後に溶け始めた。

最近の私は春のような心地良い時間を過ごしていた。したいことをして生きていたように思うし、気持ちの波が大きいはずの私が、静かで穏やかな時間を過ごしていた。凄いことだ。

それが、今日の天気のように一変した。私の心に波が起きた。波の始まりは期待だった。わかってくれるのではないかと思っては傷

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納品

納品

最後の夜が来た。

目が乾き、その乾きを潤そうとしているのか、ただただ眠気に追いやられて逃げたいのか、まぶたは重たかった。

例えばそれが海辺に作った砂の城だとしたら、作っては波が寄せて、食いつぶした。その波は「こだわり」でもあり「改善」「修正」「再考」などという名でも呼ばれていた。

作っては波にさらわれ、砂の城は果てしなく崩された。
良くしたい気持ちはああるが、どうやっても崩れ、終わりは来ない

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原稿整理

原稿整理

「伝えたいことがある」

これが全ての始まりだった。うねるような道のりを越えて、あなたは言葉の山を抱えてやってきた。グツグツと音を立てる出汁の入った鍋を置いてあなたは言う。

「全て美味しいから、全て食べて欲しい。この出汁で煮ると美味しいはず」

言葉の山は素材ひとつ一つを見ると美味しそうに思えたが、全てを入れると味どうしを殺しそうに思えた。私はコックとして、主となる味を決めて、いくつかの情報を間

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