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オフィスの服装自由は経済的負担が増すだけ。

オフィスワーカーの制服をなくす流れの現在。
上場企業に総務として勤める知人のオフィスでも、制服を廃止するとのこと。
これがおしゃれに命かけていた独身時代ならいざ知らず、おしゃれにかけられる金額も時間も限られる中堅キャリア層にとってはうれしくもなんともないとか。

そう、いくら服装が自由だ、といったところでTPOをわきまえた服装が暗黙のルール。本当に好きな服を着ていい訳じゃない
制服が支給されない分、給料が増えるかといえばそうでもないのに、会社で着る服の為に結構な支出を強いられることに。
オフィスカジュアルが自分の趣味に合う人や、一流クリエーターでどんなとんがったコーデでも受け入れてもらえる職種の人ならいざ知らず、(これが実績少ない駆け出しクリエーターだったら、キチンと見えることが要求される)一般的な会社員は、スーツ1着買うのにも結構な経済的負担です。


よしんば服飾補助費名目で手当てが付いたとしても、ユ●●ロのカーデ1着買えるか足りないかの金額しか支給がないだろうし、下手に手取りが増えるとその分課税額も増えるので、自由な服装でラッキーと思っても、長い目で見たら制服支給の方が経済的に有利。

前述の知人の話に戻ると、制服が廃止されるのはオフィス勤務の人のみで、現場の作業服支給は変わらないのだとか。
そりゃそうか、現場の作業員まで服装バラバラだと、訪問先で混乱をきたします。安全管理・作業員管理の面でも不都合があります。

複数の会社から集まって作業する大規模な現場では、同じ会社の職人でも初めて顔を合わせる人も多いですが、同じ作業着を着ていればすぐにわかります。
ユニフォームには社名を背負って、職務を全うするプライドを刺激する力もあるのです。

そういう意味では、オフィスワーカーもその会社の一員として意識するのに制服の意義は高いかと思います。

会社制服=没個性?! 制服を着ても際立つのが個性。


事務員の制服は個性を否定し、同調圧力を生む日本の悪しき習慣だと糾弾する向きもありますが、筆者は欧州で暮らしたとき、制服のない銀行員や郵便局員の適当な働きぶりに(就業時間が近づけば、客が待っていても窓口を閉める、とか、こっちが言葉わからないと思ってアジア人をさげすむようなことを聞こえよがしに同僚に言うとか)職務中という意識のなさに憤慨したことしきりです。
制服は「公」=オンタイムの自分と、個人=プライベートの自分を分けるツールでもあるのです。制服を着ている間は全力で職務を全うし、勤務が終わったら自由な個人に戻る。職務外でまで同調することはないのです。事務服を脱いだら、適当なTシャツとジャージ着て思いっきり自堕落にしたっていいんです。むしろ個人のプライベートを尊重し個性を守るのがユニフォームと言えるのではないでしょうか。
チームワークを大切にする日本の良さが制服を着ている間は発揮され、私服になったら心から個人の生活を楽しむ、そんなオンオフ切替スイッチの力がオフィスユニフォームにはあるのです。


制服をなくす検討をしている事業所さん、制服廃止でコスト削減したところでしれてます。なくすことで下がる従業員のモチベーションの方が大きいかもしれません。

手取りの上がるのが何よりうれしい雇用される側も、可処分所得を考えれば実は制服支給の方が得だったりするのです。


悪魔みたいでも妖精です、といちいち説明するのが時間のロスです。