ゴジラの足跡 ゴジラが日本を助ける
ゴジラ-1.0の評価がとても高い。
というか、恐ろしく高い評価を受けている。
とんでもない高評価だ。
海外のレビューを見ていると、本当に大絶賛状態だ。
たくさんのレビューの中で多い意見としては、
「ハリウッドは見習うべきだ」というもの。
これは確かにそうだ。
昔、黒澤明監督が「七人の侍」を作って、世界的な評価を受けた。
「面白い映画はこうやって作るのですよ」というお手本を世界に示した。
それ以来の「面白い映画のお手本」を山崎貴監督が世界に示してくれた。
山田洋次監督がもう御歳で、さて日本映画をしょって立つ後継監督は出るのだろうか、
と思っていたが、山崎貴監督がその人だろうと思う。
考えて見ると、「ALWAYS 三丁目の夕日」や「アルキメデスの大戦」などを見て、
心底感心してしまって、何度も見たのだった。
これらはみんな山崎監督の映画だった。
山崎監督の映画は、昔の小津安二郎を代表とする松竹映画、
黒澤明を代表とする東宝映画、それぞれの良い所を併せ持っている。
本当に素晴らしい事だ。
日本映画も安泰だ。
さて、海外レビューで割と多かったのが、
「終戦直後の日本の状況を知れた」というものだった。
これはちょっと目から鱗だった。
「焼け野原」になってしまった、というのは日本人はみんな知っている事だけれど、
海外の人には意外と馴染みが無かった様だ。
そして、「カミカゼパイロット」というのは狂人の様な人間だと思っていたが、
実際には同じ人間で死ぬのが怖かった、という事に気が付いた、というのだ。
そういう面を理解してもらえると、歴史認識などにも多少は良い影響が有るのではなかろうか。
映画のラストシーンによって、ゴジラの次回作も山崎監督がやる、
というのは既に暗黙の了解の様になっている。
ぜひ期待したいと思う。
さて、ゴジラ-1.0の凄い所はたくさん有る。
まずプロットだ。
死ぬのが怖くて逃げたカミカゼパイロットが、
愛する人や国を守る為に特攻をも辞さない決意をする、という点。
さらに終戦直後、武装解除で軍隊も無く、武器も無い中にゴジラが現れるという点。
本当に素晴らしいプロットだと思う。
さらに、主人公と典子が実の夫婦ではない、という点だ。
これは意外と凄い事だ。
べつに夫婦の設定であっても話は成り立つのだ。
けれど、夫婦ではない、
という事がストーリーの邪魔をしない素晴らしい効果を生んでいる。
これで連想するのは寅さんだ。
寅さんと、おいちゃん、おばちゃんは実の親子ではない。
ここが重要な点なのだ。
寅さんについて、「実の親子ではこうはいかない」という感想を良く見かける。
そうなのだ。こういう所も実に素晴らしいと思う。
さらにゴジラが怖い。そして近い!
さらに、ゴジラがきちんとゴジラなのだ。
ハリウッド版のゴジラを見るとげんなりするのは、
ゴジラをまるでトカゲの様にしている事だ。
ゴジラはトカゲではなく、2足歩行の動物で、
顔は口が少し突き出した犬型の顔をしているのだ。
そういう「ちゃんとしたゴジラ」にしてくれたのもとても良かった。
海外レビューに溢れる感想は、
「ハリウッドは日本に映画の作り方を教えてもらえ」
「戦後の日本人の生活を初めて知った」
「最高のゴジラ映画であり、なおかつ今年最高の映画だった」
「もう11回も見てしまった」
などなど、大きな足跡を残してくれた。
これは日本にとって、色々な意味で大きなプラスになる事だ。
3月にアメリカアカデミー賞の発表が有る。
ゴジラは視覚効果賞の最優秀賞を取れるだろうか。(というか作品賞いきたかった)
そして、日本アカデミー賞では12部門独占、なんていう快挙をなしてくれるだろうか。
実は自分は、子供の頃、父親に連れて行ってもらって夢中でゴジラ映画を観たのだった。
モスラ、キングギドラなどが出ていた頃のゴジラ映画。
とても愛嬌の有るゴジラを覚えている。
ゴジラが「シェー」をしたりなんかしていた。
だからゴジラは自分のソウルムービーなのだ。
マイナスワンを観ていて、銀座の街にゴジラが現れた時、あの名曲、
伊福部昭さんのあの曲が流れた時、感激と興奮で涙が溢れた。
ゴジラの映画を観る、というだけで嬉しくてたまらないのに、
今回のマイナスワンは本当に名作映画で、興奮が収まらない。
その大好きなゴジラ映画が世界中で大絶賛を受けているのは、本当に本当に、
嬉しくてたまらないのだ。
自分はまだ「たったの4回」しか観ていないが、またもう一回観たくてたまらない日が続いている。
連日ゴジラマイナスワンについて動画を出してくれている、
だいちゃんの映画部屋
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