江戸時代の人のセンスが良すぎる件

江戸時代の人って、なんでこうセンスがいいんだろう、と、良く思います。

色々なものを見て思います。ほんとにセンスいいなあ、、、、。

江戸で火事が有り、八百屋の娘、お七は避難場所になっていたお寺で、
イケメンのお坊さんを見て恋に落ちてしまいます。

避難が解けて帰宅しても、お坊さんを忘れられず、
また火事が有れば会える、
と思いつめ、自ら放火してしまった、という事件が実際に有った(らしい)。


それを題材に作られたお芝居で、文楽や歌舞伎、踊りなどで演じられています。

放火は火あぶりの刑になる大罪でした。

放火事件ですから、おぞましい事なのだけれど、これが「物語」になると、

恋い焦がれて、とうとう罪を犯してしまうという、
なんともドラマチック、ロマンチックな物語になるのです。

この話が色々な脚色で上演されました。


お七が恋い焦がれてついには放火をしてしまう、、
これを絵や舞台のシーンにするとしたら、どんな風に演出しますか?

火打石で、猫背になってゴミ箱に火をつけるシーンではどうも、
イマイチロマンチックじゃないですよねぇ、、、、。


なので、歌舞伎などでは「櫓のお七」として描かれます。

色々なお芝居が有るのですが、お七が、最後に火の見櫓に登って太鼓を叩くシーンが描かれます。


火事になると、火の見櫓の上に有る半鐘を鳴らしますよね。

その櫓に登って、太鼓を叩くんです。

江戸の町は夜になると、防犯の為に、町にある扉を閉めるという事をしていたのです。

門番が番所に詰めていて、火事などの緊急事態が起こると扉を開いたのだそうです。


ストーリーとしては、恋する人を逃がす為に、木戸を開けなければならない。

火事が起こると避難の為に、締まっている木戸が開けられる。

そこで、お七は火事ではないのに、櫓に登って太鼓を叩いてしまうのです。


雪で一面白くなっている夜、赤い着物を着たお七が、
雪が舞う中を櫓に登って太鼓を叩きます。


なんという美しい演出。

この舞台を見ると、本当に美しくてトリハダが立って涙がボロボロこぼれてしまいます。

このセンスの良さは、本当に本当に凄いなあと、思うのであります。

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