ランチは常に冒険

鬱々としているわけではないのだけれども、30歳を超えたあたりから外食のお店にとても迷うことが増えた。平日でも休日でも、外食が選択肢に上がったときに食べたいものが見つからない。オフィスは都内の繁華街にあるので、それこそ数百種類のお店があるのにもかかわらず、ここのところ一軒も行きたいところが見つからないのだ。つけ麺?うーんちょっと重いな。寿司屋?毎日行くのはちょっと高いな。蕎麦屋?うーん。腹持ちはどうかな。といった具合に全部なんとなく避けてしまう。牛丼?美味しいけど新鮮味がないな。など。

ちょっとだけ自分を分析すると、食事への関心が人一倍あるが故に、店選びという選択を毎日ベストにしたいという思いが強く、候補となる店が全部却下されてしまうのだ。自分がお店選びに求める条件は、「食べたことのない味」「異国の雰囲気などが体験できる」など、今までの人生に新しい風を吹かすようなお店であることが第一。そう。オフィスでのランチに求める条件では多分ない。そりゃお店決まらないわな。

ただ、オフィスのランチだって人生の大事な一面である。妥協で決めたくはない。何か新しい知見や感動を持ち帰りたい。なんとも難しい性格となってしまったようだ。自分1人では探せないので、職場の同僚や先輩におすすめのお店を聞くことにしている。「おすすめの美味しいお店を知っていますか?」。これはただの社交辞令やコミュニケーションを増やすために、とかではなく真剣である。得られる答えは、あったりなかったりだけれども、誰しも何年か勤めていたらだいたい一件はお気に入りのお店がある。

自分の足で新しいお店を開拓する喜びは、何にもかえがたいものがある。そのためなら20分〜30分歩くのだって厭わない。来店は一回だけにしておこうと心に決めたお店の方が多い。打率は2割よりも低いと思う。今まで発掘したお店はだいたいがチェーンではないし裏道とかにあって知名度もそんなに高くないけれど、誰かにおすすめしたくなるようなお店だらけだ。

個人的に発掘したな〜と思うお店

池袋のカフェレストさんは、ヤマダ電機の屋上にあるひっそりとしたカフェだ。iPhoneをはじめとした電化製品が鬼のように並ん売り場からエレベータで屋上に上がると、ベンチではおじさんが昼寝をしている風景を目にする。ガラガラの空間。カフェレストさんは屋上のさらに奥まったスペースにあり、店内は静かな純喫茶という感じで、本当にゆっくりとした時間が流れている。初めて入った時は「見つけた・・・」とワクワクした。

浦和の菱富は、浦和の裏道を歩いていたら見つけた洋食のレストラン。定食を頼むと、玉ねぎドレッシング付きのサラダやナポリタンを出してくれる。ここの魅力は全て目の前で調理してくれるところで、唐揚げは衣をつけるところからカリカリに揚げるところまで一部始終を全部楽しみてしまう。厨房を見ているだけで楽しい場所。もちろん料理もすごく美味しい。店主の料理を見ていると、自分でも上手に作れるような気になって帰るが、そんなことは全然ないので注意。

秋葉原の中華naきもちは、秋葉原駅の昭和通り口から北の方に少し歩くと裏道にある食堂で、ここの魅力はサラメシ気分を味わえるところ。お昼時は相席にして空席を作らないため、近くのサラリーマンの会話がまる聞こえ。世の中のだいたいは愚痴なんだな〜って妙に悟った気分になれる。メニューも楽しいお店。タイムサービスランチメニューの時間帯に来店すると、いろんな中華のメニューから四品を自由に選んで1000円というのをやっている。坦々麺、エビチリソース、シューマイ、杏仁豆腐など自分の好みで選べる。ここは秋葉原の近くに寄ったらぜひ食べたい場所。




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