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【コラム】「体育ぎらいが多い」はホント?

「中学生の約2割が運動嫌い」の裏にあるのは「体育の授業」嫌い!? 体育の目的ってそもそも何? 

上の記事の著者は小学校の先生。現場の方がこういう認識なのはちょっとガッカリ。

実は「体育が好きでない」子どもの割合は、他の教科と比べてむしろかなり少ない。
http://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey_on_learning_sheet_1.pdf

先の先生に限らず、多くのメディアを含めてなぜ、ことさら「体育ぎらい」と煽るのか?ここ最近の風潮はちょっと不思議です。そして、有識者と呼ばれる方々がなぜ「体育ぎらい」の減少を目的として「スポーツ教育」へと誘導しようとするのかも理解できません。たとえば、国語なら「国語ぎらいが多いから、マンガを楽しむという科目にしましょう。そして国語ぎらいをなくしましょう。」という方向はならないでしょう。私はマンガを否定しているわけではまったくなく、部分的に教材として使用するのであれば意味があるのではと思っていますが、あくまでも「国語」という教科において教材のひとつではあっても、マンガを読むことが目的にはならないと思います。

そもそも、体育はスポーツを手段とすることはあっても、目的ではなかったはずです。むしろ、体育の授業では立ち方、歩き方や、もっと日本人としての立ち居振る舞いや所作のようなことを教えていっても良いと思うし、武道などはその部分を伝えるには良い手段だと思います。日本(ナショナル)を知らなければ、インターナショナルな場で自らの立ち位置がわからないんじゃないのかな?と思ったりもします。そっか、だからグローバルとか地球市民とかってフワっとした概念が出てきているのか...

話が逸れましたが、教科としての体育は、他の教科と比べてけっして不人気なわけではありません。ただ、学年を経て「好き」の割合が減る度合いが他の教科より大きいところは気になります。ここから、授業方法に改善の余地があることはうかがえます。たとえば、ひとりの失敗がチーム全体に影響してしまうことに対して腰が引けてしまうとか、多くの人が見守る前で「できない」ことがあからさまに晒されてしまいそれがトラウマになるいうことは理解できます。それをなくすような授業の方法や、教師の声掛けは改善の余地がたくさんありそうです。

絶対値としての体育ぎらいを減らすために、子どもたちに体育に対する興味を持ってもらい、好きになってもらう努力・工夫はもちろん続けるべきです。しかし、嫌いな人がいるからといって体育の本質的な部分を変えていってしまうことを懸念しています。

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