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【聞き上手でビジネスの達人へ!】顧客の買いたいを引き出すSPIN話法

こんにちは!
川江光です!

前回のブログで相手の得られる利益を提案するFABについてご紹介しましたが
目の前の相手の利益を提案するには、顧客がどんな課題があるのか、どんな理想を描いているのかを「知る」必要があります。
つまり、営業にとって「質問のスキル」が非常に重要です。

今回は押し付けのような一方的な営業ではなく、
自然に顧客から課題やニーズを引き出す4つの質問「SPIN話法」についてご紹介します。

①SPIN話法

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SPIN話法とは、以下の4つの頭文字を取った質問方法です。

S(Situation):状況質問
P(Problem):問題質問
I(Implication):示唆質問
N(Need-Payoff):解決質問

この話法は、4種類の質問から営業が課題やニーズを聞くことで、顧客が問題を把握し課題を解決する必要性に気づいたタイミングで「自社ではこういった形で解決することができます」と最後に提案する方法です。

②医者と患者の例

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SPIN話法は分かりやすい例として、
営業は「医者
顧客は「患者
商品やサービスは「処方箋」や「手術」と例えられることもあります。

(1)S(Situation):状況質問
医者はどんな症状があるのか質問や診察をする。

(2)P(Problem):問題質問
患者の不調となっている原因を見つける。

(3)I(Implication):示唆質問
放置しておくと悪性になりさらにひどくなる可能性も。
手術で取り除けば、今まで通りの生活が送れる。

(4)N(Need-Payoff):解決質問
どういった日程で手術を行うかスケジュールする。

医者であれば、患者が回復するために手術を提案するのは当たり前のように、
患者にとっても、何が原因かを把握し、放置して悪化する場合や、手術をすれば元通りの生活に戻れる未来が分かれば、入院費、手術、休職など支払うお金や負荷はかかっても、患者から医師に手術を希望すると思います。
これが例えば、いきなり「あなたは手術をした方がいいです」「こういった日程で進めるのはどうでしょうか」と言われても、患者側からすれば、なぜ手術が必要なのか、なんのメリットがあるのか、必要な費用や休職を考えるとすぐに理解はできないと思います。

ビジネスにおいても、まずは顧客から状況、課題、理想を伺った上で、自社ならこのように解決できますが、どうでしょうか?と提案する方法です。実際にどのように進めていくのか見ていきます。

③ビジネスにおいてのSPIN話法

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S(Situation):状況質問
まず、顧客の現状を把握するために状況質問をします。
面談経験が豊富で何回も同じ質問や答えを繰り返している顧客にとっては、この質問で営業を見極める場合も多いため、簡単な質問ではあるものの、質問の数を絞ることが重要です。
例えば、HPに書かれているトップメッセージでは、会社の目標や目標達成に向けてどういった課題解決に積極的なのかを読み取ることができ、
その課題解決に対して予算化されているケースも多く、核心の話題に展開できるスピードにも繋がります。
社員数や事業内容など当たり前の質問を避け、事前に調べられる内容をストックしておくことが重要です。


P(Problem):問題質問
顧客の現状を把握した状態で、顧客の課題に気づかせたり、ニーズを明確化します。
一通り顧客の話を聞いた上で「悩みはありますか?」といった質問をすることで、顧客に現状と理想のギャップに気づいてもらうことが問題質問の狙いです。


I(Implication):示唆質問
現状の問題に対して、このまま放置していたらどんな影響が出てくるのか、あるいは今の課題を解決することでどれほど良い状態になるか問題の重要性を認識します。ここで問題の深刻さをいかに現実的に捉えるかで、顧客が商品を買う・買わないの判断につながります。
顧客が買う場合は、買う=問題の深刻さ>支払う対価 と考えられます。問題の深刻さとして考えられるのは時間、労力、責任、他社への影響等です。現状のままだと、どれだけ労力を使うのか、迷惑がかかるのか、あるいは改善することで、どれだけ顧客の信頼やCS向上につなげられるか、
これらが支払う対価を上回れば、営業が必死で商品を売らなくても、顧客側から「買いたい」「ぜひお願いします」といったビジネスに変わります。

N(Need-Payoff):解決質問
ここでようやく、自社のサービス・商品を使うことでどのように解決できるのか、自社のサービスが必要だ、と感じる顧客の課題・ニーズに合った内容を話します。顧客の課題解決のために商品の提案をするようなイメージです。
ここでも営業側が一方的に話すのではなく、なるべく顧客に未来を語ってもらう状況が理想です。

このSPIN話法は、人は聞くことよりも話すことを好むといった人間の心理的な内容も含まれており、楽しい面談であったときほど「また会いたい」「相談したい」と思うことから、顧客から話をしてもらった上で「自社ではこういう風に解決していくことができます」と最後に提案をすることで、顧客の「買ってやる」から「買いたい」「ぜひお願いします」といったクロージングに変化していきます。

④まとめ

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今回は顧客の課題、解決方法へ導く4つの質問「SPIN話法」について紹介しました。
ビジネスの目的は課題解決目標達成のサポートとも言われるように、買う、買わないを判断するのは顧客であり、医者であれば回復を望んで手術を提案するのは当然のように、顧客の課題を解決するには、当社のサービスが必要不可欠です
と顧客の課題に対して最後まで聞き上手な人は顧客から依頼を受け、簡単に次のアポを取り付けることができます。

コミュニケーションの達人は聞き上手から、といった言葉もあるように、いつものビジネス方法やコミュニケーション方法を変えたいと考えている方や、新しい方法を取り入れる際にはぜひ参考にしてみてください。


〈参考文献〉
・古淵元龍・大堀滋(2006)『営業の「聴く技術」』ダイヤモンド社(https://amzn.to/3a5hZmk)

・浅川智仁(2018)『お金と心を動かす会話術』かんき出版
(https://amzn.asia/d/eRJXyp2)



以上
川江光


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