パクス・マターナの時代 アバヨ!愉快な覇権国家
パクス・ロマーナ
パクス・ブリタニーカ
パクス・トクガワーナ
パクス・アメリカーナ
そして満を待して、
パクス・マターナのお出ましだ!!
覇権国家の愉快な系譜
パクスとは平和のことを指す。
パクスロマーナとは、古代ローマ帝国が強大な軍事力によって欧州にもたらしたピンフチョンボである。
パクスブリタニーカとは、中世の終わりに大英帝国が蒸気機関を用いて世界にもたらしたド災厄自称平和である。
パクストクガワーナとは、俺たちの徳川幕府が圧倒的な軍事力を持ちながら敢えて鎖国し、世界にもたらした平和である😉
パクスアメリカーナとは、アメリカがWW1、WW2で棚ぼたを続けた結果の平和()である。
いま目の前にある、MATANA!!
だがここにきて、アメリカの軍事力が相対的に衰えてって、ここ50年間ずっと言っている訳だが、本当にここにきてアメリカの経済力・軍事力が絶対的に衰えて、もはや世界のヘゲモニーの行く末は不透明になった。
そんな中で台頭著しいのが、MATANA!
・
もう知らないもののいないMATANA。
泣く子も煤けて哭いちゃうMATANA。
合コンでも俎上に乗らない日はないMATANA。
M マイクロソフト
A アップル
T テスラ
A アマゾン
N エヌビディア
A アルファベット(google)
米ITガリバー企業6社の頭文字をとってMATANA。
世界のカネ、モノ、ヒト、コト、あともう一つなんやったかをあまねく支配してるヤバい奴ら。
このMATANAへと世界のヘゲモニーはうつろいつつある。
つまり、
MATANAがその圧倒的な情報掌握力で世界にパクスをもたらす時代がそこまできているのだ。
国家支配の終焉
パクス・ロマーナ
パクス・ブリタニーカ
パクス・トクガワーナ
パクス・アメリカーナ
古代から近代にかけて、
覇権を握っていたのは常に愉快な国家たちだった。
国家が暴力装置を掌握することによって、決まり事を世界中の人々に押し付け、秩序を保つ。
これがパクス・ロマーナからアメリカーナまで通底してきた基本構造だ。
だがパクス・マターナへの途上で、
この基本構造そのものが変わろうとしている。
情報支配の嚆矢 MATANA
パクス・アメリカーナまでは国家による暴力支配だった。
他方、今始まっている、
パクス・マターナはIT企業による「情報支配」だ。
パクス・アメリカーナは軍事力並びに警察力の一極集中を背景にして、決まり事を人々に遵守させる秩序維持体制だった。
翻って、
パクス・マターナは個人情報を民間企業が掌握し、たゆまぬ情報操作によって人々をコントロールする秩序維持体制だ。
MATANAによる情報支配の秀でている点は、軍事力を必要としないこと。
軍事力は国家が持っているものを情報誘導で利用すれば良い。
選挙を誘導して、自分たちを庇護する政党を勝たせればことが済む。
非常に低コストで支配を行えるのが、情報支配の特徴だ。
国民国家 暴力支配の臨界点
とにかく、
国家政府という統治支配機構はコストがかさむ。
軒並み、先進国は21世紀にはいり財政赤字が膨れ上がっているが、
この財政赤字の急膨張は、国民国家という支配体制の限界表出に他ならない。
近代国民国家では基本的に、基本的人権なるものが保障されている。
🤔
だが、
だから、
個人情報というものに、プライバシーの観点から国民国家は手を出せなかった。
その間隙をついたのがMATANAだ。
21世紀に入り、
国家が指を咥えているうちに、民間企業の集合体であるMATANAが情報掌握を大方すませてしまった。
日本でも、マイナンバーカードで国民国家が個人情報を取り戻そうという試みは見られるが…
これは完全に「葬式すんで医者話し」。
遅すぎし蔵之介に鼻で笑われる類の話しだ。
国民国家という構造的欠陥品
だが、
国民国家以外のシステムをとっている国も地球上には存在する。
難しいところではロシア。
ロシアが国民国家かどうかは難しいところだが、国民国家と人民国家の中間に位置する国家だと言えるだろう。
だから、今般のウクライナ問題に巻き込まれたのだが、それについては筋違いになるので深入りを避けよう。
…‥書けない訳じゃないんだかんね……
はっきりさせておきたいのが、
国民国家が人民国家よりも優れているという認識は間違いだということ。
国民国家は基本的人権を保障するという建前のせいで、企業に個人情報掌握で先を越されてしまった。
結果、国民国家システムが瓦解している。
これは国民国家体制が欠陥品だったことの証左だ。
どんな立派な理想や建前を掲げようが、その理想や建前のせいで、中心となるシステムが瓦解してしまっては元も子もない。
基本的人権の尊重などという自己破壊装置を埋め込んだ国民国家は、いずれ滅びる宿命にあったのだ。
だがまあ、
100年余りにわたって人々をそれなりに豊にしたのだから、国民国家体制には及第点を用意して、三途の川くんだりで待っててやってもよかろう。
人民国家 中国の可能性
国民国家体制華やかなりし頃に、鼻で笑われていたのが人民国家セグメント。
もうそりゃあ酷いもんだった。
だが、ここにきて人民国家の鼻息が荒い。
そりゃそうさ。
変に「国民主権を保障します」とかなんとか綺麗事で人気取りをしなかった。
その恩恵で、構成員の個人情報をIT企業風情に略奪されることがなかったんだ。
賢明な選択だった、と彼らは胸を張って言うことだろう。
その人民国家の中でもひときわ経済成長が如実なのが中国だ。
人口13億人を誇り、国家が独占収集した膨大な個人情報からAI開発は順風満帆。
中国共産党政権は、
構成員の個人情報をしっかりと掌握し、なおかつ、AI開発の手綱も離していない。
これはアメリカ、イギリス、日本…といった国民国家セグメントがこぞって、
個人情報を手放し、AI開発の手綱を民間企業に丸投げしてしまったのと対照をなす。
国民国家がIT企業によって体内から食い破られかけているのに対し、
人民国家は国体をしっかりと自身で管理できている。
もはや大勢は決したのではないだろうか。
パクス・マターナの時代
MATANAというフレーズが人口に膾炙するようになったのはここ2、3年だ。
パクス・ブリタニーカ
パクス・トクガワーナ
パクス・アメリカーナ
ときたので、パクス・○○ーナと来るのが様式美というもの。
だから、
前任者のGAFAではダメだった。
パクス・ガーファではどうにも語呂と一貫性がよろしくない。
そこでMATANAだ。
GAFAが、
MATANAにコソッとすり替わったのを観た時に、オラ、ピーンときただ。
こりゃあ、いよいよ覇権が移ろうぞって。
パクス・アメリカーナから、
パクス・マターナへの覇権交代。
その下準備は「MATANA」という呼称が産声を上げたとき、何者かによって青写真策定と共になされていた。
MATANA!!
さしづめIT企業側の国民国家に対する勝利宣言だ。
だから、
きっと、
たぶん、
間違いなく、
パクス・マターナへの潮流はもう誰にも止められない。
国民国家はこれからいよいよホンマもんのお飾りになるよ。