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刀狩りの歴史的意義/貨幣経済のゼッタイ必要条件


刀狩りの歴史的意義はあまり語られることがない。
だが刀狩りこそが貨幣経済の根幹をなしているのだ。
現下において我々現代人は貨幣経済のなかにあって非常に高い利便を謳歌している。
我々がスマホ1つで笑顔になれるのは刀狩りの恩恵なのだ。

本記事では刀狩りが貨幣経済の根幹をなしている理由を明確にする。

なぜ刀狩りが貨幣経済を発展させたのか?

教科書の中で埋没してしまっている歴史による重要な問いかけ。
本記事にて歴史の声を聞き、歴史を学ぶのではなく歴史に問いかける力をつけてほしい。


なぜ信長は失敗したのか?

織田信長は失敗した。
刀狩りをやる前に貨幣経済を導入したため本能寺に消えたのだ。

織田信長が牽引した「楽市楽座」は貨幣経済を発展させた。
貨幣経済は世の中を豊かにする。
世の中が豊かになれば富裕層が現れる。
富裕層は貨幣によって武具を買い揃える。
やがて富裕層はその武具を用いて軍事武装し、天下に挑んでくる。
結果、権力の座が入れ替わるのだ。

具体例をあげよう。
信長の時代において、楽市楽座解禁にともなって明智光秀が急激に富を蓄えた。
明智光秀はその富で武具を買い漁り大きな軍事力を手に入れる。
この軍事力を背景に本能寺の変で権力者たる織田信長を殺害したのだ。

つまり、信長が推進した貨幣経済によって強力な挑戦者があらわれ、
その挑戦者によって信長は歴史から退場を余儀なくされたのだ。


信長の失敗は「刀狩りなしでの貨幣経済導入」にある。



封建制度の痛し痒し

信長亡き後天下に肉薄したのが羽柴秀吉(以後、豊臣秀吉ないし秀吉と表記)だ。
秀吉は信長の失敗を目の当たりにし、貨幣経済の導入を慎重に進めた。

貨幣経済 →  軍事力 →  海外に対する力
貨幣経済 →     刀  →  国内の下剋上要因

秀吉の思考(筆者予想)

貨幣経済は世の中を豊かにする起爆剤となる。
世の中が豊かになれば、軍事力を拡大させて海外からの侵攻に対することが可能だ。
だからそれまでも時の為政者は貨幣経済を推進したかった。
だがしかし、
貨幣経済を推進すると先程述べたように「明智光秀」が現れてしまう。
貨幣経済によって豊かになった国内から天下に挑む「明智光秀」が出現するのだ。

貨幣経済は国力を高めて海外に対抗する起爆剤であるが、
それと同時に下剋上のトリガーとなってしまうのだ。

だから、戦国時代までの為政者は貨幣経済の推進に取り組まなかった。
貨幣経済を推進して明智光秀に寝首をかかれては元も子もないからだ。

貨幣経済が推進されず世の中の発展が脆弱な社会を「封建社会」ともいう。
封建社会は発展がない代わりに、富裕層による下剋上も少なくなる。
封建社会ではそもそも富そのものが生まれないためである。

 封建制度による下剋上の抑止

 富 →→軍事力→→権力
 |
この段階で
止める
= 世の中を豊かにしない

封建制度という工夫

だが、やはりいつまでも貨幣経済を推進しないままではいけない。
海外の脅威が日増しに強くなっていた戦国末期。
秀吉は日本という国家全体を強くさせたいと欲していたのだ。

そこで貨幣経済導入の前に秀吉は一つの工夫を施した。

それが「刀狩り」だ。



富と権力の分離

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