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オリンピック選手村を『村』にしていく『概念、道具、作法』があった。

オリンピックが盛り上がりをみせていますね。僕は先月からスタッフとして選手村におりまして、週の半分は外国にいる気分で過ごしているのですが、選手村の仕組みにコミュニティ的な要素があったのでそのことを書こうと思います。がんばれ!世界のアスリートたち!

オリンピック選手村とは

オリンピック選手村は東京の晴海エリアにあります。開催期間中に選手が滞在して寝泊りや生活をする場所になっていて、選手団ごとに建物と部屋が貸し出されます。また、宿泊部屋とは別に選手団のスタッフが仕事をするためのオフィス部屋、メディカルスタッフ部屋が貸し出されます。

選手村には大きな食堂もあり、僕らは入れないのですが各国の料理が食べられて選手には好評のようです。その他、ヘアサロンや郵便局、コンビニもあって生活に必要なものは大体揃うという充実っぷり。めちゃくちゃ大きな宿泊施設なんですね。

ぱっと見た感じ、宿泊施設の集合体という選手村ですが、僕は『村』と呼ばれているのはなんでだろうと思っていました。色んな国の選手が滞在するだけで村と言えるのかな、そう思いませんか??村と言ったら、共同生活を豊かにするための約束や、村民同士の交流、所属意識づけにつながる文化があるよなぁなんて思うのです。同じ競技に参加する選手同士は路上で挨拶をしたりするのかもしれませんが…僕は予防医学研究者の石川善樹さん&コルク佐渡島さんの言葉に、組織をみるときに『概念・道具・作法』に注目せよというものがあって最近はまっているのでそれらを探してみようと考えました。

※概念・道具・作法の話については佐渡島さんのnoteを。確かに、茶道や宗教、アニメのキャラクターにも道具や作法ってありますよね。プリキュアの変身グッズ、うちにたくさんあるな…。
https://www.sady-editor.com/n/n596f92247d25

選手村の3種の神器『概念・道具・作法』があった

選手村を国の集まりから村にしていく3種の神器を探し始めて数日。選手同士で顔見知りの人たちが挨拶をしていたり、ライバル同士と思われる人たちの再会シーンが見られて、通りかかるだけでじーんと感動させられました。スポーツは国の壁を簡単に超えていけるのだと。もうそれだけでご飯大盛りいけまっせ、胸がいっぱいです。

そんな中、面白いことが起こりました。路上でピンバッジを交換している人を見かけるようになったんです。ピンバッジを交換??不思議な気持ち。たしか小学生のときに筆箱やキャップにキーホルダーやピンバッジをつけるのが流行っていて、夏休み明けには友達からお土産にもらったり、交換したものを身に着けていたんです。なつかしいですね。あれ、めちゃくちゃうれしくてボロボロになるまでつけてましたよね。

話を戻すと、ピンバッジの交換をしながら選手同士が会話をしている姿があって、このバッジは選手同士のコミュニケーションのきっかけになっていることがわかりました。ん??そういえば、僕のカバンの中にもお手伝いした国の人からもらったピンバッジが入ってたんですよね。実は国名の入ったピンバッジは昔のお土産っぽいなとカバンの奥に…ちょっとバカにしてたんです(ほんとすいません)後々この一つのピンバッジがとても大きな意味を持つことに気づかされたのでした。

それから開会式が始まるころには、選手たちの首にかけているIDカードのストラップにどんどんピンバッジが増えていきます。ピンバッジ交換は選手村の文化だったんです。所属選手団の人に聞いたら過去にオリンピックに参加したことのある人たちはこの文化を知っていて、先に動き出し、それに巻き込まれるように初出場の人もマネをして参加をしていくのだとか。東京大会はコロナ禍につき、交流促進みたいなイベントはないのですが、過去の大会はピンバッジ交換広場もあったそう。僕はそれを聞いてかばんの中にあるバッジを全部出して、自分のストラップにつけました。仲間になれるかなって。関わった国の人たちから頂いたピンバッジは太陽の光を浴びてめちゃくちゃカッコいい。僕はそれからメダルをつけているような気持ちで選手村での日々をおくっているのでした。

ちなみに、選手村で交通整理やコロナ検査ブースにいるスタッフの方々は選手たちからめっちゃバッジを頂いているようでストラップがとんでもないことになってました。聞くと、言葉を交わさずそっと渡してくれる選手の方が多くて、こういう形で感謝を伝えられるのがうれしくて、何度も泣きそうになったと話しておられました。

選手村にいる人が全員持っている『IDカード』、各国の選手が持ちこんでくる『ピンバッジ』、そして『交換』と『交流』。これはまさに概念、道具、作法がばっちりそろってますね。この文化はずっと昔からあって、この先ずっと先まで続いていくんだろうなと思いました。この素晴らしいオリンピックのように。

オリンピックは村だ。そしてコミュニティ的な要素が仕組み、文化として根付いていて、先輩から後輩に引き継がれている。家に帰ったら、これまでもらった2020関係のピンバッジを探そう。(職場でも配布があった!あれもストラップにつけよう)

ということで、この夏はオリンピック!活動していく中でもっともっと色んなことを感じていきたいと思いました。

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