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「いい人」ってどんな人?/良い子悪い子普通の子【きまぐれエッセイ】

2011年11月14日(月) 20時00分00秒 kawagoetubasaの投稿(リライト)

あたしね、最近「幸せってなんだろう?」ってことをちょっと真剣に考えちゃったんですよ。そしたら、そのついでに「いい人ってどんな人?」ってことも深く考えるようになっちゃいました。

人ってみんな、心のなかに「いい人像」ってものを抱えているんじゃないかしら。ふとそんな質問を投げかけられたら、「これこれこうゆう人だよ」ってすらすらとイメージを語れる人っているんでしょう。でも、あたしの心のなかにはそんな「いい人像」ってのが確立されていなくって、この質問を正面から受けると、どうしようもなく「うんうん、うーん」ってなっちゃうわけ。

世の中の人は、自分に何かを与えてくれる存在を「いい人」と呼ぶのかもしれません。愛情とか金銭とか、思いやりや親切さとか。あ、見た目がいい人も「いい人」って思われがちですねえ。でも、それってせいぜい自分の主観に過ぎず、誰もが認めるわけじゃないんですよね。認めた人だけが「いい人」で、別の人からすれば「ボロクソ」に言われたりするわけで。

表面的に見れば、「あ、この人いい人ね」ってすぐ判断がつきそうなものですが、深く考えれば考えるほど、このお題は複雑でわかりにくくなってきちゃうわ。うぅぅ……

ふと思い出したんですけど、昔「欽ドン!良い子悪い子普通の子」ってTVバラエティ番組がありましたよね? 今の子は知らないかもしれませんねえ。あの番組では、落語やコメディーに出てくる「良い子」「悪い子」「普通の子」が共演していて、みんな「面白い子」だったんです。

落語やコメディーの世界では、「いい人」も「悪い人」も登場するけれど、結局のところ面白い人ばかり。それを考えると、言動がどうこうよりも、面白味のある人間こそが「いい人」と呼ばれるのかもしれません。

ちなみにあたしは、いわゆる詐欺師とか山師とか呼ばれるような人たちと(知らずに)関わったことがあるんですよ。そういう極端な例じゃなくても、ドタキャン常習犯や都合が悪くなると音信不通になる人など、多くの「いくない人」とも接してきました。

そういった人たちのおかげで、あたしは不利益を被ったことが何度もあります。その時は当然腹も立ち、ウラミもありましたよ。でも不思議なことに、時が経つと腹立ちやウラミは消え去って、そういう人たちをいとおしく思えてくるんですよね。

理由は、彼らが凶悪な犯罪者じゃないからだと思うんです。つまり、良い子・悪い子・普通の子の中の「悪い子」ってところなんでしょう。でも、あたしの心の底からは憎しみの念は湧いてこないんですよ。

なぜかというと、彼らは自分の欲望に正直で、ストレートに自己中心的な人たちだからなんです。わかりやすい存在と言えるかもしれません。

だから、もし彼らを「人間」だと思わなければ、腹は立たない。人間の姿をした面白い猫ちゃんだと思えば、物やカネを横取りされても、仕事をスッポカされても、「しょうがないやー」って笑って許せちゃう。まるで落語やコメディーに出てくるような人たちなんですよね。

……ということは、あたしにとって彼らは「いい人」ってことなのかしら?

あれ……?


#川越つばさの気まぐれエッセイ #見世物マガジン #精神性廃棄物

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