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レビュー:ペスカドーラ町田 vs 名古屋オーシャンズ 2021.12.29@町田市立総合体育館

12月25日の対戦ではペスカドーラ町田が1点リードして迎えた終盤、名古屋オーシャンズがアルトゥールを起点にカウンター発動。最後はペネジオに押し込まれ、残り17秒で追いつかれ同点となった。今回はそのリターンマッチ(延期分9節の振替試合)。名古屋オーシャンズは前日にホームでシュライカー大阪に5-4で逆転勝利を収めている。今節は中0日でかつ、アウェーでペスカドーラとの一戦。疲労の色が見える絶対王者に若手主体のペスカドーラがどの様な戦いを見せるか?勝って2022年を迎えたい両チームの一戦は2021年のFリーグ最後の試合。

スタメン

ペスカドーラ町田
GK イゴール  #1
FP  伊藤 圭汰  #8
FP  毛利 元亮 #18
FP  甲斐 稜人  #20
FP  倉科 亮佑  #22

試合前順位  5位 勝ち点30 8勝5敗6分
ヴィニシウス、累積 原田 伊名野がベンチ外
中村が怪我から復帰

名古屋オーシャンズ
GK  篠田 龍馬  #1
FP  水谷 颯真 #4
FP  星 龍太 #5
FP  星 翔太 #11
FP  八木 聖人 #17

試合前順位 1位 勝ち点45 14勝2敗3分
星 翔太が出場停止明け

立ち上がり直後から追いかける展開に

中3日での対戦となったペスカドーラ町田 vs 名古屋オーシャンズ。前回対戦をふまえ、どのような試合の入りをするかが注目だったが、キックオフ直後からスコアが動く。00’39 自陣でペスカドーラの毛利が倉科へバックパス。このパスを狙っていたオーシャンズの八木がカットして自ら持ち込みシュート。一度はGKイゴールが弾くがこぼれ球を再び押し込み先制。さらにオーシャンズは前線から高強度のプレスをかけ、相手のボールロストを狙う。ペスカドーラは明らかに自陣でのビルドアップが上手くいかない。すると今度はGKイゴールと倉科が連携のミス。イゴールが手放したボールを倉科が触れず、再びイゴールが外に蹴り出したため、オーシャンズに関節フリーキックを与えてしまう。これをアルトゥールのパスからペピータが決め2点目。05’08にはペスカドーラ陣内でパスをカットしたアルトゥールがドリブルからそのままシュートして3点目。試合開始約5分で0-3と大きく点差をつけられてしまう。

10分までに3失点

3点目リードされたところでペスカドーラがタイムアウト。自陣でのビルドアップについての確認、修正についてだろう。タイムアウト明けからオーシャンズはプレスの強度を落とし、試合を落ち着かせる。序盤に圧力をかけて得点しリードを奪い、試合をコントロールするという意図だろう。オーシャンズがペースを落とし、ディフェンスラインが下がったことで、ようやくペスカドーラが攻撃できるようになった。この時間帯に倉科や山中の右サイドでの突破が見られはじめる。

1stピリオド残り5分過ぎからペスカドーラの反撃が始まる。16’59 敵陣左サイド深い位置で毛利がキープ。ゴール前を確認して、シュート性のクロスを供給。ファーにいた倉科が、ゴールからそれたボールを左足で合わせてまず1点を返す。この1点でペスカドーラがさらに息を吹き返す。17’27 に5ファールのオーシャンズが6つ目のファールを犯してしまう。第2PKを獲得したのは前回2得点をあげた甲斐。オーシャンズは甲斐のカットインからの左足を相当警戒していたのだろう。この大事な場面でキッカーを務めたは毛利。オーシャンズGK篠田の伸ばした左腕下に蹴り込み1点差。これで試合の行方がわからなくなった
その後、オーシャンズのアルトゥールが審判への「過度な異議」で退場処分を受ける。一人少ない状態となりペスカドーラは同点を目指すが、ここはオーシャンズディフェンスが耐えて追加点を与えない。2-3でハーフタイムを迎えた。

15'00-20'00に2ゴールで追い上げる

アルトゥール退場がオーシャンズとしては最後まで響く。また、前回対戦時に2得点、前日の大阪戦で4得点のペネジオ、前回対戦1得点のスパウット、安藤の主力3名が連戦の疲れからかほとんど出場していない(安藤は前日の大阪戦で負傷交代していた)。
1stピリオド終了時の2-3は前回対戦と全く真逆のスコア。追う側になったホームのペスカドーラが疲れの色が見えるオーシャンズに流れと体力を持って反撃する構図になった。

大逆転劇!

1点差に追い上げ、流れを掴みたいペスカドーラ町田は上手く機能していなかった3rdセットを2ndピリオドのスタートから起用。後日、ルイス監督が「オーシャンズのベストメンバー vs ペスカドーラの走ってプレッシャーをかけられる4人」という構図にしてオーシャンズの疲労を蓄積させる意図があったと話している。そして、その作戦が的中する。24’28 自陣からドリブルを始めたオーシャンズ西谷のボールを伊藤が奪取、GKとの1対1を落ち着いて決めてついに同点。会場が沸き、流れが一気にペスカドーラに傾く。26’41 にはコート中央でペピータのボールを髙橋が引っ掛け、こぼれ球を本石が回収。ドリブルからファーに流したところを走り込んできた髙橋が押し込み逆転。さらにその1分後、GKイゴールのスローを本石が右サイド深くでキープしてすぐさま折り返す。ゴール前に走った日根野谷が体を投げ出しゴールへ押し込む。待望の日根野谷のゴールでペスカドーラがオーシャンズを突き放す。

2ndピリオドの入りは良い

5-3からオーシャンズが最後の力を出して反撃に出るが、ペスカドーラGKイゴールがセーブを連発しゴールを割らせない。そして、残り7分過ぎからパワープレーを開始。ここでアルトゥールがいないことが、オーシャンズとしては痛かった。前日のシュライカー大阪戦では残り16分からパワープレーを開始して4点を奪っている。そのアルトゥールの代わりに底のポジションに入ったのは吉川。吉川はパワープレーでも的確なボール回しでペスカドーラの左右両サイドの一番深い位置を狙っていた。残り時間2分に左サイド深いところからの折り返しを水谷が決め1点差に詰め寄るが、最後は固いディフェンスでペスカドーラが逃げ切った。このオーシャンズとの2連戦を1勝1分と最高の形で終えた。

1stピリオド終盤で1点差に詰め寄れたことが大逆転劇を生んだ大きな理由。ハーフタイムで士気を上げ、2ndピリオド序盤でオーシャンズの体力を削り、プレスの強度が落ちたところで3ゴールを奪った。逆にオーシャンズにとってはアルトゥールの退場がやはり痛かった。前日よりパワープレーの開始が遅かったのはいつものパワープレーセットが組めなかったためだろうか?しかし、メンツと体力が揃わない状況でそれでも1点を返したのは王者に底力があるからだろう。

毛利選手がチームトップの12ゴール

まとめ

名古屋にはパワープレーで2試合連続決められる。しかし町田は通常の相手パワープレー時(自陣に相手FPが5人いる状態)では1節立川戦、15節大分戦、そして今節の3試合でしか決められていない。それだけペスカドーラの対パワープレーのディフェンスは固い
ヴィニシウスがいない中、5ゴールを5選手で奪った。チーム全員で掴んだ勝利。

得点した各選手は1チャンスをモノにした

タイムアウト時のベンチでの選手、監督、コーチの距離がすごく近かった。この試合は必ず勝つという意思が見えた。

2ndピリオドのタイムアウト
チームが一丸となっている

最後選手がサポーターに挨拶をしているとき、監督と甲斐コーチが肩を組んで話をしていたのが印象的だった。
観客数902人。今シーズンで一番の観客数。

今シーズン最多の観客数

次回予告

次回は1月8日ホームでフウガドールすみだ戦です。前回はアウェーで悔しい逆転負け。年末の大逆転でいい流れのチームを年始1戦目のこの試合でも見ることができるか?勝率の良いペスカドーラのホームに大勢のファン・サポーターが観戦に来て欲しいです。

チーム、スタッフ、ファン・サポータ、皆歓喜!

今回も読んで頂きまして、ありがとうございます。
次回のホーム戦も是非勝利を!

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