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コンパイルはゲーム機のあだ花である

 ディスクシステムはファミコンの周辺機器として1986年に発売された。ゲームデータが記録されている専用ディスクをディスクドライブに挿入することでゲームがプレイできた。
 ディスクシステム用に発売されたゲームでは、『スーパーマリオブラザーズ2』『ゼルダの伝説』などのヒットタイトルもあった。しかし、ゲームが発売されたのは1992年まで。

 その前年1991年に徳間書店から『ぷよぷよ』が発売された。
 ゲームを開発したのはコンパイル。1980年代前半からセガのゲームの開発受託をしていた。会社は広島にあった。
 このタイトルは、1992年アーケードゲーム版がリリースされ、同年メガドライブ版も発売された。その後人気のゲームになっていく。両タイトルの発売元はセガである。

 メガドライブは初の16ビットゲームとして1988年に登場したが、ファミコンやスーパーファミコンの前に健闘むなしく市場から撤退していく。
 メガドライブのゲームは1996年に発売されたタイトルが最後になっている。その中のタイトルの1つがコンパイルの『魔導物語I』だ。初の自社販売タイトルである。

 メガCDは、メガドライブの周辺機器として1991年に発売された。ゲームメディアがカセットからCD-ROMへの変革期に発売されたCD-ROMドライブだ。『ルナ エターナルブルー』『夢見館の物語』など著名なタイトルが発売されている。
 このデバイスでのゲーム発売が終了するのが1996年。最後のタイトルを発売したのがコンパイルだ。タイトルは『シャドウラン』。サイバーパンクをテーマにしたゲームだった。

 こうしてみると、コンパイルはゲーム機が市場から消える前にゲームを発売している奇特なゲーム会社だと思う。
 同社は、1998年広島地裁に和議申請しその後倒産し、社長とセガの付き合いが長かったこともあり『ぷよぷよ』の版権はセガに移ることになる。

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