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IPが席巻するゲームビジネス

過去に発売されたビデオゲーム機(以下、ゲーム機)やゲームソフト(アプリ)は、発売された当時の先端技術を駆使してゲームの楽しさを提供してくれた。
ゲーム機が8ビットから16ビット、さらには32ビットに変わるたびにゲームのグラフィックやサウンドがグレイドアップしていく。すると、それまでのゲームが急に古臭いものに思われ、ゲームメディアがカートリッジからCD-ROMなど次々に変わると、素人ながらにテクノロジーの進化を感じた。
1980年代から1990年代にかけて実感したこのようなゲームの進化は、2000年以降インターネット関連新技術の影響が次第に大きくなり、ゲーム機とPCとの差別化は次第に曖昧になってきた。
4G通信サービスが始まったのは2012年だが、そのころから急速に普及したスマートフォンによってその傾向はさらに加速する。
そして現在。ゲーム機はゲームのできる専用デバイス、モバイルPCであるスマートフォンはゲームもできる汎用デバイスという位置づけになっているものの、両者の違いは益々曖昧になっている。その間ゲームビジネスは変遷を遂げ、現在も進行中だ。
こうしたゲーム業界のビジネスを約40年間を間近で見てきたわけだが、ゲームビジネスについて思うところを書いてみよ

(1)任天堂の圧倒的な存在感

2022年の国内家庭用ゲーム(コンソールゲーム)市場規模(販売売上)が3,748億円になったと『ファミ通』は速報値を2023年1月に公表した。その内訳は、ハード(ゲーム機)が2,097億円、ソフトが1,650億円になっている。集計期間は2021年12月27日から2022年12月25日である。
 
その後刊行された『ファミ通ゲーム白書2023』にある売上ランキングを見ると、1位『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(2022年推定売上 以下同じ/433万本)、2位『スプラトゥーン3』(368万本)、3位『Pokémon LEGENDS アルセウス』(231万本)になっている。
コンソールゲームソフト国内売上トップ10のうち9タイトルがSwitchのゲームで、6タイトルが任天堂、2タイトルが任天堂の関連会社(ポケモン)のタイトルである。
 
ちなみに2022年におけるSwitch(シリーズ含む)販売台数の国内シェアはハード全体の68.1%だ。
また、国内ゲームソフト全体における売上シェアは、任天堂が34.7%、ポケモンが24.6%でそのほかのゲーム会社は10%以下になっている。こうしたデータを見ると、コンソールゲームビジネスおける任天堂の存在感は圧倒的だということがわかる。



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