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【でたらめで不道徳で、最高に面白い】


最近読んだ本の中では、バツグンの面白さだった。
この本を読んだら、“文春砲”ですら、生ぬるいと思うだろう。
『不道徳ロック講座 』(神舘和典/新潮新書) 。
いま、ベストセラー街道をひた走っている。


ビートルズ(ジョン・レノンなど)、ローリング・ストーンズ(ミック・ジャガーなど)、エリック・クラプトン、ザ・フ―、キッス、ザ・バンド、エアロスミス、マドンナ、シンディ・ローパー、ビーチ・ボーイズ――欧米の世界的ロック・スターの赤裸々な「性」「薬(ドラッグ)」「酒」「貧乏」にまつわるエピソードがこれでもかとばかりに、掲載されているのだ。

「仲間の妻や恋人に次々と関係を迫る。
メンバー全員でファンをホテルに連れ込む。
薬物に溺れて入院させられる。
金に困って万引きをする
……現在の日本人アーティストなら『一発退場』にされかねないエピソード」

このAmazonの紹介文はまだ軽いほう(?)のエピソードしか書いていない。
「こんなこと、本当にやったんかい⁉鬼畜だな」
と思ってしまうような話が満載なのだ。

驚くのは、これらのエピソードをアーティスト自らが語っている(明かしている)こと。
自伝、インタビュー記事、映像など全て本人の言葉や認めたことばかり。
いわゆるスキャンダル雑誌やゴシップ新聞の記事は、いっさい引用されていない。
本人が多少盛っていたり、思い違いしているかもしれないが、全て事実なのだという。


日本人のアーティストや芸能人が自らのスキャンダルを語ることは、極めて珍しい。
語ってしまったら、再起不能になってしまうからだ。
でも、欧米では違う土壌があるようだ。
「才能あふれるアーティストなんだから、仕方ないんじゃない?」
「友達には欲しくないけど、憎めないヤツだよね」
と思われているのか。
昔から「英雄、色を好む」という言葉があるけれど、人間として何かが大きく欠けているから、あるいは過剰だから、いい作品を生み出せるのか。

読み進むにつれ、
スターたちの曲が頭の中に鳴り響く。
やっぱり、いい曲だ!
猛烈に聴きたくなる。
しばらくロック漬けになりそうだ。

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