困難女性支援パブコメに行政手続法42条もからむ追加質問、総務省回答の速報

 「困難女性支援法」に関する2つのパブリック・コメントについて、実施機関である厚生労働省と、パブリック・コメントを規定する行政手続法を所管する総務省に質問を行い、回答をいただきました。

 今回重ねての質問を行い、総務省より先に回答を頂きましたので、先行して公開いたします。(本記事では私の考えは記載しません)
 なお、本やり取りは政治家女子48党、NHK党の「諸派党構想・政治版」を活用し、参議院議員・浜田聡先生事務所のご協力のもと実施しております。心より御礼申し上げます。
 また、ご回答を頂きました総務省の皆様に感謝申し上げます。


前置き

(両省とのやり取りをもとに、見やすさのため調整(段落調整、●印付記、太字など)しています)
 3/24に結果が公示された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に関する2つのパブリック・コメントについて、4月上旬のヒアリングにご対応を頂きありがとうございます。
 残念ながら、両省(総務省、厚生労働省)より頂きました下記回答に齟齬を感じており、当該パブリック・コメントが適正に行われたかの疑義が解消しきれません
 ご多忙の中で大変に恐縮ではございますが、厚労省より頂きましたご回答が行政手続法所管部署である総務省のご見解に沿ったものであるかを確認したく、重ねての質問をさせていただきたくお願います。
 質問者個人として、提出しました意見のほぼ全てが、意見一覧での指摘箇所にすら上がっておらず、総務省のご見解を得たことでますます困惑しております。本来この困惑は提出意見が公示後速やかに公になることによって解消されるものですが、前回のヒアリングでは「頂戴した御意見が膨大な量であり、かつ内容も多岐に渡るため、最終的に公表可能な資料については引き続き精査中」と伺っております。
 他方、本法は施行を来年四月に控えてこれから私たちの住まう各自治体にて実際の事業内容(対象、目標、体制、手段、実行者)の検討が始まるものであり、当該パブリック・コメントへの疑義、率直に申し上げれば行政手続法違反の可能性、は早急に晴らす必要があると考えております。
 本支援事業の検討を各自治体において円滑に進めるため、ご対応をよろしくお願いします。

前回Q&Aより

◆総務省◆
【質問】パブリックコメントの結果としてe-Govにて公示されるものは、当該案件に寄せられた全ての意見(但し適正に除かれたものを含まない)の趣旨を含み、かつ、それらに対して考慮した結果が含まれると解してよいか?
【回答】記載いただきました解釈で問題ございません

◆厚労省◆
【質問】e-Govに公示された結果は意見全て(但し一部の非開示となる部分を除く)の趣旨を含み、かつ、それらに対して考慮した結果が含まれると解してよいか?
【回答】いただいたご意見の中には、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴う関係法令(案)」及び「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針(案)」の条文案そのもの等とは、直接的には関係のないもの等があるため、必ずしも全てを考慮した結果になっているものではございません

総務省に対しての追加質問

(行政手続法について一般論として)
6. パブリック・コメントの提出意見および考慮した結果を公示する際に意見を「除く」にあたり、「その他正当な理由」とは具体的にどのような理由が想定されるか?

7. パブリック・コメントの結果の公示および「公にする」際に適正に除かれた意見であっても、実施機関においては全て「十分に考慮」(行政手続法第四十二条)されていると考えてよいか?
(但し、提出期限を外れるなどして提出意見として認められないものは考慮しない。)

8. パブリック・コメントの提出意見を「公にする」にあたり、その趣旨に鑑みれば、公示しない基準、公にしない基準も閲覧希望者に対して公にされるべきと考えるが、お考えを伺いたい。
(すなわち、上記6の回答に相当するものが開示されるべきと考えています)

9. パブリック・コメントにおける「結果の公示」は、その実施機関による「処分」あるいは「公権力の行使にあたる行為」(いずれも行政不服審査法第一条)に該当すると考えてよいか?

総務省より頂いた回答

6. パブリック・コメントの提出意見および考慮した結果を公示する際に意見を「除く」にあたり、「その他正当な理由」とは具体的にどのような理由が想定されるか?
【回答】行政手続法第43条第3項の「第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるとき」とは、例えば、
●個人のプライバシーにかかる事項や企業秘密が提出意見に記載されているときや、
●取り締まりの秘密等機密が漏れるなどにより公益上の支障があるときなどが考えられ、
具体的には個々の事案における提出意見の内容その他の事情に鑑みて命令等制定機関において慎重に判断することになります。

7. パブリック・コメントの結果の公示および「公にする」際に適正に除かれた意見であっても、実施機関においては全て「十分に考慮」(行政手続法第四十二条)されていると考えてよいか?
(但し、提出期限を外れるなどして提出意見として認められないものは考慮しない。)
【回答】 提出意見である以上、命令等制定機関には考慮義務があります

(質問者注:ここでの「考慮」とは、「関係ない、大丈夫だ、今後の参考に」といったツレない判断も含みます)

8. パブリック・コメントの提出意見を「公にする」にあたり、その趣旨に鑑みれば、公示しない基準、公にしない基準も閲覧希望者に対して公にされるべきと考えるが、お考えを伺いたい。
(すなわち、上記6の回答に相当するものが開示されるべきと考えています)
【回答】6でお答えしたとおり、提出意見の一部を除くに当たっては、個々の事案における提出意見の内容その他の事情に鑑みて判断する必要があるため、除く「基準」を公にすることは困難である場合も想定されるところではありますが、一般論としては、可能な限り公にされることが望ましいと考えます

9. パブリック・コメントにおける「結果の公示」は、その実施機関による「処分」あるいは「公権力の行使にあたる行為」(いずれも行政不服審査法第一条)に該当すると考えてよいか?
【回答】「公示」とは、一般に、一定の事項を周知させるために、一般公衆がこれを知ることのできる状態に置くことをいうとされております。また、行政不服審査法第1条に規定する「処分その他公権力の行使に当たる行為」とは、行政庁が国民に対する優越的な地位に基づき、人の権利義務を直接変動させ、又はその範囲を確定する効果を法律上認められている行為など人の権利義務に直接具体的な効果を及ぼす行為をいうとされており、「公示」は該当しないものと解されます。

厚生労働省に対しての追加質問(待ち)

(総務省への質問と対応する内容”等”を並べております。次回記事にて提示いたします)

以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?