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【書評】「夏への扉」からの「WITCH×WATCH 」

菅田将暉とFukase主演の映画「キャラクター」を見に行った時に、「夏への扉」の予告編が流れていました。原作は1970年のアメリカのSF小説。タイムトラベルものの古典で、名作の誉れ高い作品です。一方映画は邦画で山﨑賢人主演、舞台も日本のようです。気になったので原作を読んでみました。
主人公はピートという猫を飼っています。家には12個の扉があるのですが、冬になり寒くなると、ピートは主人公にすべての扉を開けさせます。どれかの扉が夏に繋がっていると信じているのです。もちろんどの扉を開けても季節は冬なのですが、ピートは12個全部を開けて確かめないと納得しません。
そんな冒頭なので、猫中心に話が進んでいくのかと思ったら、実はそうではなくて、猫はオマケとまではいいませんが、例えばサザエさんで言うとタマのような、いや、ワカメのような立ち位置です。
猫の話だと思っていたら人間の話だったので、正直拍子抜けした部分はあります。しかし、古いながらも完成度は高く、「間違いのない古典」に触れた時特有の納得感がありました。
50年前と現代は意外と変わっていないのだなとも思いました。ストーリーは、鬱展開かと思っていたら、大部分は痛快な感じで進んでいくので、読んでいて楽しかったです。恋愛要素も含まれているので、エンターテイメントの王道と言えるかもしれません。ただ、現代日本で映像化するのであれば、年齢設定を変える必要があると思うので、そのあたり映画でどうなってるか気になります。

タイムトラベルものの創作物というと、「ドラえもん」「バックトゥザフューチャー」「時をかける少女」「シュタインズ・ゲート」など色々あります。やはりタイムトラベルは人々の夢なのでしょう。しかしいつまで経っても未来の人がこの世に現れないですね。私は空想的な事態に理解があるほうだと思うので、もし未来の人がこのnoteを見ていたら、ぜひ私を頼って訪ねてきてほしいと思います。「未来から来ただって?そんなバカな、証拠を見せて見ろ!」みたいな不毛なやりとりがなく、話は早いと思いますし、きっと上手に匿います。
未来から来た人だけではなく、魔法使いの類も歓迎です。ただし日本語を話せることが条件です。魔女もできれば若いほうが望ましいです。あ、でも例えば、500歳とかでも見た目が若ければOKです。魔女のみなさんからのコメントお待ちしています。「未来から来た魔女」なら言う事ないですね。

魔女と言えば、最近読んでいちばん面白かったマンガが「WITCH×WATCH」です。ほんわか系のギャグ漫画なのですが、近所の中華屋で、店にあったジャンプに載ってたのですが、数話読んで「めっちゃ面白い!」とすぐ単行本1巻買ってしまいました(まだ1巻しか出てません)。主人公は魔女と鬼で、どちらも人間の姿をした幼馴染みの高校生です。この2人を中心にドタバタ話が進むのですが、発想とかワードセンスがツボ過ぎてやられました。漫画家とかお笑い芸人って超クリエイティブだよなーと改めて思いました。
だけどネットのレビューを見ていたら、「ノリは古いが面白い」みたいに書かれていて、作者の年齢を見ると47歳!
40代でこのクリエイティビティを保てる凄さを感じるとともに、年齢ゆえにノリの古さが出てしまう(?)ところに悲しみを感じました。
が、これからもウォッチして推していこうと思います。


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