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ノナさんのこと。 〜愛猫の一周忌〜

標題通りの、猫さんの下僕による駄文ですが、お付き合い頂ければ幸いです

5月3日。
大切な家族のノナさんが遠くへ旅立ち、1年が経過しました。
享年18歳。
ただ、ストリート出身のため正確な年齢ではありません。
名前を呼ぶと「ん〜?」と返事して近寄り、また帰宅時には玄関前にて三つ指を付いて出迎える、非常に頭が良く、奥ゆかしい女性でありました。

(箱入りどころかカゴに入るノナさん)

子猫の時に拾われたノナさんは、そのまま妻の家族になり、私と初めて会ったのは11年近く前のこと。
「男性には懐かないから」という情報通り、近づけば威嚇するものの、常につかず離れずの距離。
そして、時と共に、額を擦りつけ、膝に乗るようになり、いつしか立派な椅子として認識されるようになりました。
それまで犬派だった私が、猫派に宗旨替えした瞬間でもあります。

(ひざの上でモミモミするノナさん)

ところで猫さんという生き物、腎臓を悪くしやすいらしく、また我慢強いためか病気に気が付きにくい。
ノナさんも例に漏れず、血液検査にて腎臓疾患が発覚。
以降は毎週お医者さんの元に通い、点滴をしてもらっていました。

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話が横に逸れますが、NHKにネコメンタリーという番組があります。
作家とその愛猫の生活が紹介され、短編小説が朗読されるという内容です。
角田光代さんの回に「任務十八年」という小説が発表されましたが、
・猫さんは諜報・謀略のために派遣されている
・3〜18年ほどの任期を経て、また別の場所へと派遣されていく
といった内容が、一匹の猫さん視点で書かれたものでした(※)。

この頃、ノナさんはほぼ毎日病院に通う状態になっており、夫婦揃って色々な葛藤をした時期でもありましたが、この小説のおかげでいくらか気が楽になったことを覚えています。

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5月3日。
昨日も何度か痙攣を繰り返し、調子の良くなかったノナさん。
朝一番に担当の先生に診てもらい、帰宅後は昏睡状態に。
夕方、我々夫婦の呼びかけに応えて目を開き、明確な意志を持って一鳴き、その後痙攣をし、ゆっくりと彼女は任期を終えました。

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1年経っても、新しく家族になった猫さん達が元気でも、やっぱりノナさんはノナさんなのです。
夢の中だけでなく、新しい任務を帯びて我が家に赴任してくる日を、心よりお待ちしております。

(上からノナさん、ユノさん、ジュンくん)

※著書「今日も一日きみを見てた」の巻末付録として読めるそうですので、興味のある方はお手に取られてみてはいかがでしょうか

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