特殊能力は、もうすでにもっている。
わたしはずっと、ドラクエでいったら魔法使いになりたいと思っていた。
戦士みたいにコツコツ努力を積み重ねてパワーアップしていくタイプではないし、
体力も気力も(普通に生きていく上で必要な)能力もあんまりない。
魔法使いみたいに、他のことはあんまりできないけどこれでみんなを助けるわ!みたいなのがいいなぁと思っていた。
弱いんだけど、価値のある人。みたいな。
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現実世界で魔法使いになるためには、特殊能力が必要なイメージ。
人としてはどうなんだという感じだけどあの人のつくる映画はすごい。とか、そういう系のやつ。
わたしはがんばって自分の中にそうゆうのを見つけようと思ったのだけれど、ぜんぜんでてこなかった。
しばらく考えていたのだけどもう思いつかないし、そのことはいつの間にか忘れていた。
忘れていたのだけどある日、メールにこんな一文が入っていた。
特殊能力をお持ちというのは羨ましい。
え?!特殊能力???
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これは、わたしが絵日記を頼まれたので、それをかいたものを送った返信だった。
わたしは農園のインスタグラムで絵日記(といっても、写真と組み合わせたもの)を書いているのだけど、それをみて気に入ってくれた?地元の旅館の方がいて。宿泊体験を絵日記にしてほしいと招待していただいていたのだ。
普段は写真に文字や絵を書き込んでいたのだけど、この時は先方の要望ですべて絵で描いていた。
↑絵日記の中の一ページ
わたしは自分がそんなに絵がうまいとは思っていないから(まぁちょっと他の人よりはうまいか。笑)
この言葉もお世辞だと思った。(今でも思ってるし本当にお世辞の可能性は十分にある。)
でも、インスタグラムやリーフレットをみた人から「絵が上手だね」って言われることは今までにも何回もあったから、もしかしたら絵がうまいのかもしれないとも思う。(そしてその度に、そんなことないのにと思うのだけど。)
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もしわたしの絵をかく力がこの方が言うように『特殊能力』なのだとしたら、
多くの場合、特殊能力はもうすでに持っているものなのかもしれない。
自然にできることすぎて、自分では気づかないのだ。
そういえば、こないだ夫との会話の中でちょっとした衝撃があった。ホストのローランドさんの話をしていた時。
ローランドさんはいかにたくさんお酒を飲むかのホストの世界で、そもそもお酒を飲まずにやったらどうなんだろうと思って実行した。そしたら車で出勤できて目立つし酔わないから体調もいいし接客にも集中できてNo. 1ホストになれた。らしい。
わたしがここで、「でも、このローランドさん、ある程度売れてたからお酒を飲まないってことが通用したのかもね。全然売れてなかったらできないよねぇ。」って言ったら
(夫)「あたりまえじゃん。全然売れてないのにお酒飲めないなんて言ってたらバカだよね。やることやった上でそうゆうのやるからすごいんでしょ。ちゃんと自分の状況みろって感じだよ。」って夫が言って。
わたしが衝撃だったのは、その、「自分の状況をみて、やるべきことをきちんとやる。」これって当たり前のことなの?ということ。
少なくても、わたしはできてないと思った。わたしがもしホストで、お酒飲まずにうまくいった話をきいたら、売れてなくてもマネしているタイプだと思う。(とほほ、、、)
夫は完全に仕事ができるタイプの人間だから、自分の置かれた状況を判断して、やるべきことをきちんとやれる。
でもわたしからみたらそれは特殊能力なんだな。
そして本人はもちろん、そんなことは当たり前だと思っている。
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返信メールには続きがあった。
特殊能力をお持ちというのは羨ましい。
私もこんな能力持ちたいです。
この方はきっと、すでに特殊能力をお持ちだと思う。
なかなか自分では気づけないのだ。
そして、もし自分の特殊能力だと気づいたとしても、きっとすぐには何も変わらない。
わたしも絵で仕事をしていかないと思うし。それが自分の魔法だとはとても思えない。
それでも、その当たり前にできる特殊能力を、わたしはこれからも使っていくのだと思う。
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