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『何かが道をやってくる』/本・ファンタジー
【創元SF文庫60周年記念新訳】
その年、ハロウィーンはいつもより早くやってきた。そしてジムとウィル、ふたりの13歳の少年は、一夜のうちに永久に子供ではなくなった。夜の町に現れたカーニヴァルの喧噪(けんそう)のなか、回転木馬の進行につれて、人の姿は現在から過去へ、過去から未来へ変わりゆき、魔女の徘徊する悪夢の世界が現出する。SFの叙情詩人を代表する一大ファンタジー。著者自身によるあとがきを付す。 著者あとがき=レイ・ブラッドベリ/訳者あとがき=中村融
新訳で出てたのね! 古いほうを読んだので引用内容はそちらからです。たぶん新訳で読むほうがいいと思います。だいたいまあ、新しい本のほうが読みやすいので。
名前だけはずっと昔から知っていて、いまで言うと『ストレンジャー・シングス』っぽい話。あんまり好きな言い回しではないけど(悲しくなるので)、こういう系の作品の基礎教養的なやつですね。
で、感想なんですけど……これ、たぶんタイミングがあんまり合ってなかった気がする。面白そうな感じとか雰囲気とか描写なんだけど、どうもそこまで刺さってこなかった。もっと若い頃か、あるいはもう少し歳を重ねたら、共感が高まってよかったかなあ……。お父さんのほうが断然歳が近いのが、ちょっと「フフッ」ってなっちゃうね。
という感じなので、すごーくさらーっと行くよ!
・万聖節前夜?
ハロウィンと同じようで違うのかと思いきや同じってことでいいのかしら。新訳のほうではハロウィーンってなってるし、同じなのかな。なんせ時代を感じる言葉で、逆に良いね。
・カライアピー?
これも出てきた時よくわからなかった。蒸気オルガンってことでいいっぽい。あの、ちょっと不安になる音程のやつ。
ところで、ピエロとかカーニバルが怖いって、自分が摂取した文化でどの辺から来てるんだろうか、と不思議に思う。ピエロはなんか恐怖症があるとからしいけど……。
・「パパ? ぼくはいい人間だろうか」
p.162から始まる父子の会話がよかった。思春期の微妙な年齢で、考える力と心と身体とがせめぎあっている頃、父が真剣に1人の人間としての考えを話してくれるというのは思い出深いよなあ。
・切歯扼腕?
p.177に出てきたけど、初めて聞いた単語でへえーってなった。
・ほんのちょっとだと、こんどだけだ、と
たった三周だけ乗ろう、とウィルは思った。
たった四周だけ乗ろう、とジムは思った。
たった十周だけ逆にまわろう、と、チャールズ・ハロウェイは考えた。
なんとなく全体をさらっと読んでしまったんだけど、この箇所は強く共感してしまった。弱くて怖いよなあ……。これを描くのはいいね……!
「たしかに、彼らは、すでにここに来ているのだ──と三人の目が語った。」(p.343)
という感じでさて次は、クッソ暑いほんと暑すぎる夏だし、河出文庫を探すようになって見つけた『ハローサマー・グッドバイ』でも読んでみよかな! ではまた!
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