『空色勾玉』/本・日本ファンタジー
ファンタジーが好きなんだけど、よく考えたら日本のファンタジーを全然読んでない! おれは……本当にファンタジーが好きなのだろうか……?
あちこちドライブするようになってから、日本の神話や歴史を知ってればもっと面白いのになと思うようになって。そもそも日本史もちゃんと読みたいよなあ……とか大人になってから思っております。
というきっかけで読んだよ! 記紀神話については……まあ……出てくる神様の名前は聞いたことあるかなー、くらいのゆるっゆるの知識です!
・全体通しての雑感として、キャラクターがいいね。輝と闇の両陣営、それぞれ魅力的に描かれていて楽しく読める。
・いきなり後半だけど、恋に落ちたシーンよかったね。
うーん、すてきねえ。ここの書き方とっても好き。
・基本的に狭也を中心にした視点(つねに登場している状況)でストーリーが進むけど(いないのはP.286からの軍議のシーンくらい)、P.445から稚羽矢がメインになって、なにかしら仕掛けがあるのかな……? と勘繰ったけど、ちょっとそのへんはよくわからなかった……!
・稚羽矢、リアルタイムのファンにかなりモテてそうな気配がある。千と千尋の神隠しのハクのビジュアルで、ボンヤリとした性格にした感じで脳内再生してました。すごくモテそう(勝手に)。
・父母の神々の会話もエピックでよかったな。いつか神になって世界を創造するときには参考にしたい。
・話としては、狭也と稚羽矢の貴種流離譚で、大きなテーマは光と闇の統合みたいな感じだと思う。狭也と稚羽矢、天つ神と闇の女神、日照と月代……などなど。
思い出したのがこの本の一節。
「相手には相手の正義がある」というのは、自分が後追いで触れたものだと、ロードスやガンダムで思ったけど、88年の空色勾玉もまたそういった空気を感じるかな。この辺がキャラクターがそれぞれに魅力的に感じる大きな要因かしら。
・剣と勾玉がキーアイテムだけど……鏡は? 一応出るには出てたけど、大きなファクターじゃなかったような。……でも、国つ神の封印って考えたら普通に大きいか?
あとは、狭也と稚羽矢の間そのものの比喩が強いのかな。
・話としては、一作できれいにまとまったけど、三部作なのよね。続きも読もうかな。
鳥彦が好きで、なんともつかみどころがないけどとってもいいやつという、面白いキャラクターだよね。登場シーンは、なんていうか少女マンガ的な流れなら恋のライバルというか当て馬的な雰囲気すらあったのに(その役回りは科戸王のほうでしたね!)、儀式で焼かれて(!)、その直後にアッサリとカラスに転生というか入れ替わりというかして再登場するという……考えたら結構すげえ展開だ! 続編にも出てきてくれないかなー、とぼんやり思ってます。
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