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「ゲコノミスト」なる注目の新マーケット。「下戸の皆様、今までごめんなさいの巻」

私の人生の中では、「酒を飲まない」という選択肢はほぼなかったと思われます。

そもそも父がザルで、2歳くらいの時に面白がってビールを飲まされ、そのまま10代後半から飲酒。30代の頃は父から会社に電話がかかってきて、居酒屋に呼び出されたりしました。
※良い親は真似しないでください(誰だよこれ撮ったの!)

コミュニケーションのベースが酒だった日々

大学時は所属していた写真部がまたなぜか超体育会系で、日本酒を浴びるように飲んで当たり前の世界。そこで無駄に酒慣れした体質に変化。
また旅先では出会った人と仲良くなるのにも酒は不可欠だし、その後は出張先で一人飲みが楽しくなり、関西の立ち飲み屋を三件五件と歩き回った日々も懐かしく。

また地方のクライアントが多いので、おのずと仕事が終われば懇親会セット。地元の方ならではのスペシャルなお店に連れて行って頂き、土地の酒でたいていはへべれけになってホテルで倒れている、というパターン。振り返れば、自分でもコミュニケーションは“酒ありき”で考えていたことが多かった…。

ただ、去年の春、突然夫が脳梗塞で倒れました。

幸いにも発見が早く、薬も効いたので、おかげ様で今では麻痺もなく元気。彼もかなりな酒好きで、二人でよく晩酌していましたが、退院を期に「とりあえず一年間は禁酒!」という私の指令を遵守して、現在は一滴も飲んでいません。

光明だった「ゲコノミスト」なるFBグループ

かつては、飲まない人はウーロン茶一択でしたが、今は便利な缶の「ノンアルコールビール」や「ノンアルコールカクテル」が花盛り。でもこれらは、あんまり美味しくない上に添加物も多い。彼も「最初の一杯はいいけど、飲み続けられるものではないと」とボヤく。

甘いドリンクは食事には合わないし、お茶だと味気ない。もともと飲めていた人がノンアルコールにシフトするのは、案外と気苦労が伴うものなんだなぁ、どうしたもんかー、と思った矢先…。

偶然出会ったのが、投資家の藤野さんが主宰するfacebookグループ「ゲコノミスト(お酒を飲まない生き方を楽しむ会)」でした。

このネーミングセンス最高ですね~。グループの趣旨をご紹介すると。

平成の時代まではゲコは冷遇されていたが、令和の時代になってついに全国のゲコは立ち上がることになった。
わたしたちゲコは、酒飲みの自由を奪うつもりはなく、ただただ共生したいだけである。ゲコやゲコに共感する呑兵衛のための癒しの空間がこのゲコノミストのグループである。
ゲコならではの悩み、ゲコでも楽しめるレストラン情報の共有をここでは行いたい。

一言でいえば、「下戸」の人たちの気さくな情報交換の場。すでにメンバーは3,110人!すごい!一大勢力!

誰でも参加できるので、美味しいノンアルコールドリンクやお店の情報、また下戸あるあるやグチをつぶやいたりと、みなさんのびのびと意見交換しています。
今までの私だったら、このグループはたぶん1mmも眼中に入ってなかったと思う。
「下戸? は?飲めないならウーロン飲んでたらいいじゃなくて?」とか、マリー・アントワネット張りの失礼千万なこと言ってたと思う。

こちらのグループに夫と共に参加させて頂いたのですが、初めて知りました!下戸の皆様の並々ならぬご苦労を!!
どれだけ飲み会で冷遇され、割り勘負けし、少ないメニューに困惑し、楽しめない日々を送っていたか!!今まで下戸の方のことを全く考えずに飲み会幹事とかしていました。ああ想像するだに心が痛む!

ホント、下戸の皆様。この場をお借りして心から謝罪申し上げます。いままで大変なご無礼を働き続け、失礼いたしました。

“甘くない”、しっかり味のノンアルワイン

こちらで、美味しいノンアルスパークリングやノンアルコールワインなど、様々な情報を参考にさせて頂きました。「ワインがダメならぶどうジュースでいいんじゃない?」と思われるかもですが、それは激しくNO!NO!NO!

醸造してこそのあの味わい。本当のノンアルコールワインは決して安くないです。500円くらいのはあくまでもジュース。今まで飲んでたワインの軽く1.5倍くらいするかも。(弊家比)

製造方法も、ワインにしてからアルコールを抜いたり、低温で醸造してアルコールを発生させないとか(詳しくないけど)、色々な工夫でノンアルコールワインは世界中で作られているんだとか。知らなかったわー。

旦那も最近では、懇意にしてるビストロでは「ノンアルコールワインを仕入れといて♡」と予約の時にお願いしたりしてます。「自分だけが飲めなくて寂しい」という疎外感がなくなるのはとっても大事。
でもノンアルとはいえ、それもボトル数千円はしますし、私も飲み疲れたらノンアルにシフトしたりしてお役立ち。お店もそこそこの売り上げに繋がります。
用意のないお店では、ペリエにレモンやライムを絞って飲んだりしてます。

ちなみにこれは、最近我が家でお気に入りのノンアルコールワイン「OPIA」。去年のノーベル賞授賞式の晩餐会で出されたとのこと。味わいはまるでワインですホント。

「ゲコノミスト」のグループでも、
「この店ではノンアルコールカクテルの種類が多かった」
「お店にリクエストしたら、美味しいカクテル作ってくれた」

といった情報もアップされているので、そんなのを見るのもひとつの楽しみに。

みなさんクレバーな大人且つ普通にお金もお持ちなので、「下戸が来ても儲からない」という、従来のお店側の主張は変化していくと思われます。もっと美味しくて、お金を払いたくなるノンアルコールドリンクを開発してラインナップすれば、ぜったいにこの3,000人の方々の口の端に登り、SNSを通じて広がるんじゃないかなー。

世界に広がる「ゲコノミスト&ソバーキュリアス」の輪

お酒がなくても宴会を楽しんで、体も心も健やかに過ごしたいと願うゲコノミスト。最近ではアメリカやヨーロッパでもミレニアル世代を中心に、「ソバーキュリアス」という“あえて飲まないを選択する人たち”が注目されているとか。確かに飲んでしまった時の、夜の時間をまるまるアルコールに支配されてしまう感じは、若い世代は“無駄だ・もったいない”と思うのかも。

こちとら晩酌が一気に半減して、さぞつまんないかなーと思ってましたが、あら不思議。夕食後も仕事ができたり、撮りためたドキュメンタリーを見たりと、意外にも豊かな日々がやってきました。とはいえ私自身は変わらず外では飲んでますけどね、テヘ。

「下戸マーケット」、これからの時代はきっと面白くなると思うんですけどいかがでしょう?

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