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雑念が浮かぶと確認が不完全となり強迫行為をやり直す(強迫性障害の体験談)

何年も前の話ですが、私の強迫性障害がとてもひどかった頃、確認強迫、雑念恐怖、不完全恐怖のような症状がまざってしまってとても困っていたことがありました。
以下はその頃は私の強迫性障害の体験談になります。

仕事中の確認強迫

私は自宅でパソコンを使った仕事をしています。
パソコンを使った仕事と言ってもいろいろな作業があり、その中には間違っていないか入念に確認しなければならないものもあります。

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ミスをしていると周りの人に迷惑がかかってしまうため、間違いがないかどうか確認をするわけですが、いつの頃からかこの確認作業にとても時間がかかるようになってしまいました。

最初の項目から順番に確認していって、最後の項目まで確認したあたりで、ふと最初の項目がきちんと確認できていなかったような気持ちが湧き起こり、また最初に戻って確認してしまうという具合です。
自分がしている行為が無意味だと頭では分かってはいるものの、不安感とか得体の知れない気持ち悪さがどうしても残ってしまい、強迫観念に負けて何度も繰り返し確認作業をしてしまうのです。

確認を繰り返すほど頭が混乱し神経過敏に

この強迫行為を繰り返すうちに、明らかに頭が混乱してきます。
何度も確認すればするほど、確認したのかどうか記憶があやふやになり、確認したという感覚がどんどん曖昧なものに変化していくのを感じます。
そしてこのように混乱している状態だと、自分の神経が非常に過敏になっているのを感じるのです。

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神経が過敏になるということは強迫観念を引き起こす対象が増えるということを意味します。
最初とは別の項目も確認しないと気が済まなくなり、最終的には確認作業中に頭に別のこと(雑念)が浮かんだだけで、きちんと集中して確認作業をしていなかったような気分になり、また最初から確認せずにはいられなくなります。

雑念を止めることはできない

この雑念というものはとてもやっかいで、いくら頑張って集中しようと心がけていても気がつくと雑念が浮かんでいます。
さらに、自分の努力だけではどうしようもないことにより雑念が浮かぶことがあります。例えば外から聞こえてくる雑音です。

外を車が走る音、外で子供が騒ぐ声、近くの工事現場の音・・・
さらに、そんな確認の最中に携帯に電話やメールが来て通知音がなったもうおしまいです。
唐突に雑音が聞こえてくると意識が一瞬だけそちらに向いてしまうので、そうすると確認作業に向けていた集中が途切れてしまって、それにより確認作業が完全でなかったような気持ちになってしまうのです。

しかし雑念を完全に遮断するというのは不可能ですし、雑音が全く無い場所で仕事するのも現実的ではありません。

悩んだ末にたどり着いた克服方法

この症状が悪化してくると仕事がなかなか進まなくなり困り果ててしまいました。
そこで自分なりに良い克服方法はないものかと考えました。

それまで、私は自宅で仕事をしていたので、会社のオフィスなどの環境よりも静かで邪魔の入らない場所に身を置いていました。
そのことが私の雑念恐怖を増長させていたのではないかと思います。
そこで、逆にとても騒々しい場所で仕事をすることにしたのです。

私の仕事は幸い、ノートパソコンとインターネット環境さえあればなんとかなる内容のものが多いです。
落ち着かず騒々しい場所とはどこだろうと考え、いろいろなところで仕事してみることにしました。

騒々しさ抜群のおすすめ仕事スポット

※この体験談は数年前の話なので、コロナ以前の時代の話です。

例えば電車の中でも仕事ができます。(さすがに席に座れないときは無理ですが)
電車は大抵は窮屈ですし人の話し声などの雑音が多いです。
人の乗り降りも多いので「落ち着く環境」とは程遠い状態。それが逆に治療を促進させてくれるのではないかと思います。

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また、駅ビルに入っている狭いカフェも良いです。
スターバックス、ドトール、タリーズなど何でも良いのですが、テーブルとテーブルの間に余裕があるような店舗ではなく、できるだけ狭くて人の出入りが激しい場所のほうが落ち着きません。

その中でも駅ビルに入っている店舗は狭い店が多いですし、駅という場所柄、人の出入りがとても多いです。
また、店の人がキッチンでコーヒーを入れる機械の音も意外とうるさかったり、皿を落とす音なども唐突なのでびっくりします。

適度に周囲へ意識を向けることがポイント

このような騒々しい場所で仕事をしていると、常に雑音の中に身を置いていることになります。
それまでは自宅という静かな環境でどんどん意識が自分の中の奥深くへと入り込んでいってしまっていたのかもしれません。

騒々しくて他人が大勢いる場所だと、パソコンの画面を見ながらも、いつも周囲に意識が向いており、そのことが自分の強迫性障害に良い影響を与えてくれているような気がしました。
それ以来、私の雑念恐怖が起きる頻度はどんどん少なくなりました。

以上、私のOCDのひとつの体験談でした。

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