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強迫性障害は遺伝?生活環境?

私は強迫性障害に関して専門家でも何でもないただの患者の一人だが、個人的には強迫性障害は遺伝と関係があるんだろうな〜と思っている。
もちろん必ず遺伝するわけではないと思う。ちなみに私の親族内での遺伝したと思われる確率は50パーセント以下。

私の祖父と母は明らかな強迫性障害である。
祖父は何年も前に亡くなったが、かなり神経質な人だった。私が大学を卒業して実家を出るまで一緒に暮らしていたが、家族で食事していると誰かの食べこぼしをいつも気にしていた。また、家の床に落ちている小さなゴミが気になって仕方ない様子だった。

強迫の不安が病気によるものだと知らない苦しみ

私が強迫性障害を発病(発症?)したのは30歳を過ぎた頃なので、学生の頃は強迫観念に関する悩みを持っておらず、強迫性障害という病気の存在も知らなかった。
そのため、昔、祖父と一緒に暮らしていた頃、祖父の神経質さを特に気に留めていなかったが、今になって思えば強迫性障害で苦しんでいたのかもしれない。

私は自分が発病した頃に書籍やインターネットで情報を集め、病院に行って自分が強迫性障害という病気であることを認識したが、おそらく祖父はそのような病気があること自体知らなかったのではないかと思う。

今はインターネットや書籍で情報を集めることも難しくなく、特にインターネットの存在は非常に大きい。
そのため、素人でも少し調べればこの症状は病気のせいであることを知る事ができるが、祖父がもし病気の存在を知らずにいたのだとしたらその悩みはより大きなものだったのではないだろうか。

不潔恐怖・洗浄強迫や不完全恐怖・確認強迫など、日常の生活の中で正体不明の不安感が増幅し、自分がおかしくなってしまったのではないかと恐ろしい思いを抱えていたのではないかと思う。

また、祖母はかなり大雑把な性格の人で、神経質な祖父とよく喧嘩をしていた。祖母は口うるさく祖父の神経質さを責めていたので、それもまた辛かったことだろうと今更ながら同情してしまう。

そして私の母も典型的な強迫性障害である。
母とも私が大学を卒業して実家を出るまで一緒に暮らしていたが、その頃から母がやけに頻繁に手を洗っていたことを覚えている。
また、外出するときは玄関のドアをガチャガチャと何度も回してちゃんと鍵がかかっていることを確認していた。
私は大学の授業が昼からの時はゆっくり寝ていたいのに、母がガチャガチャと鳴らす音がうるさくて起きてしまい、文句を言ったこともあった。

強迫性障害がもっと世間に認知されてほしい

母は今も強迫性障害が治っていない。(ちなみに私はかなり改善したが、まだ完全には治っていない。)
私が強迫性障害という病気を知ったとき、私と同じような症状が見られる母にも病気のことを詳しく説明し書籍を読ませた。
しかし母が強迫性障害を発症したのは数十年前。病気であること自体を知らなかった頃の母はひとりで苦しみとても悩んだそうだ。

何度確認しても安心できずにやり直しのループにはまってしまうあの不快感。おそらく自分が病気であることを知らずに自分の中の得体の知れない不安に悩む人は世界中に数多くいることだろう。

また、この病気は子供の頃に発病する人も多いそうなので、誰にも話せずに、自分の強迫行動を制御できず、人知れず悩む子供のことを思うと本当に気の毒に思う。

病気だと知らずに強迫行動のループにはまっている人は本当に不安だと思う。
せめて病気だとさえ分かっていれば少しは救いになるのではないか。
もっとこの病気の認知度が誰でも知っているくらいのものになればよいのだが。

私の兄弟には強迫性障害の気配も感じられない

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病院で医師に「祖父と母も明らかに強迫性障害なので、やはり遺伝なんでしょうか」と話したところ、「遺伝の可能性もあるし、生活環境などの影響もある」と言っていた。
だが、同じ環境で育った私の兄弟は全く強迫観念の気配がない。私のような性格の人間から見るとうらやましいくらいのんびりした人たちである。
母の兄弟も同様で、母と同じ環境で育ったはずだが神経質どころかその真逆のような性格だ。

これらのことから、やはり私個人的には強迫性障害はある程度の確率で遺伝するものなのではないかと思っている。最初にも書いたが私の家族内での確率は50パーセント以下だ。
そして心配なのは、小学生の甥に少しその気配があること。甥の両親はどちらも強迫性障害の気配がないので、隔世遺伝というものなのだろうか。
彼の人生はこれから長いので、強迫が発症しないようになんとか導いてあげられればと願う今日この頃。

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