南北コリアの言葉の違い③〈言葉使い〉の違い
南北KOREAの言葉の違いシリーズ3回目は、それそれの〈言葉使い〉すなわち対人での言葉の違いです。
結論的に南北でこの言葉使いはかなり違います。単語では客観的に、日常語は南北でそう違わないのと対照的ですね。
何より、北朝鮮では오系統、またㅔ系統すなわち同輩・同僚語が多いのです。
これは個人推測ですが、北朝鮮は建前上は社会主義国家なので、各人が〈同輩〉であることの〈標榜〉が背景にあると思われます…ところで韓国では、この同輩語は時代劇ドラマ・映画以外では聞かれません。ㅔ系統の네以外、日常で使われるのを聞いたことがないです。
例
①오と소
어디 가오? どこに行くのだい?
일이 없소? 大事でないかい?(大丈夫かい?)
②ㅔ系統、 게(促進、指示) 세(誘導) 네(感嘆、思いの伝達)
잘 하게. うまくやってね。
이리 오게. こちらに来て。
같이 가세. 一緒に行こう。
당풍이 좋네. 紅葉・黄葉がいいなあ。
나 이렇게 생각하네. 私はこう思うんだ。
また、北では親語자(誘導)、라(指示)に요を付けた、丁寧に近い形がよく使われるようです。
これは元々、平壌の位置する平安道地域の方言です。
例
아부지,빨리 가자요. お父さん、はやく行きましょう。
오빠,이리 오시라요. お兄ちゃん、こっちに来られてください。
어서 오시라요. はやく来られてくださいな。(いらっしゃいませ、の意)
また、丁寧形にやはり平安道方言が残存しているものがあります。
ㅂ니다、ㅂ니까→母音ㅣ→ ㅔ交代で→ ㅂ네다 ㅂ네까
래일에 갑네다. 明日に行きます。
래일에 옵네까? 明日に来ますか?
우다/수다(丁寧)
이거 하나 사우다. これ一つ買います。
일이 없수다. 大丈夫です。
助詞の特殊な用法があるようですが、これらも平安道方言の残存かと推測します。
어디에(どこに)→ 어데
어데 가? どこに行く?
複数〈들〉
어서들 오세요. (団体のお客に)いらっしゃいませ。
また、感嘆語〈오냐(驚)〉が今でもよく使われる模様です。
韓国では、これはご年配以外使われないようです。
私はドラマ〈愛の不時着〉をまだ全部見れてないのですが、ドラマの中でこれらの言葉は、使われているのかなあ…
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