韓国語 語源マラソン〈ㅈ〉語頭の単語

久々の語源マラソンですが、過去のマラソン・シリーズを見てくださる方々ほんとにありがとうございます!

今回は、前回のㅅ(s)の上に横線を書いてできたㅈ(ch)語頭音の単語です。
この横線は「舌」を表してるそうで…つまりs音に舌が被さると→ch音に成る、ということの様です。ハングル文字は、口内または口の様子を描いた絵を文字化したものがいくつかあるらしいですね。

자다(眠る)
①자리(席、それを行う位置等)語源説。「眠るにはその場所が要る」という発想から。
②同音の자다(風がやむ)由来説。風がやむ様子は〈徐々にやむ〉これを〈徐々に眠るに入る様子〉にかけたものだが民間語源か。
③トルコ系語「jat(眠る)」対応説。たしかに語幹자は濁音時→jaになる。

자르다(切る) 가르다(ぶった切る)同根説。これはコリア語のㄱ→ㅈ発音変換を裏付ける有力な言でもある。この発音変化は意味の弱化と関係。가르다の弱化が→자르다というもの。実際자르다は紙や髪を切る、であり「ぶった切る」折には使用されない。
 実は않다、못하다表現に同伴される「지」ももとは動名詞形成接尾の「기」だった。
가기 않다(行くことをしない)
가기 못하다(行くことできない)
現代語ではこれが「가지」となるがこれは意味的に弱化したものが一般化している。否定や不可表現は状況に応じてストレートに言われたり弱化されたのはおそらく現実的であったとみる。

자주(たびたび) 形容詞「잦다(頻繁だ)」に由来。これが副詞化して→자조→자주と成った。なので直訳は「頻繁に・たびたびで」

작다(小さい)  キルギス語chaqan、日本語chisai・chichaiと対応か。

장사(商売) 漢字語「商事」。

재떨이(灰皿) 漢字語「재(灰)」と떨다(落ちる)の合成。「재-떨-이」。原意は「たばこの灰落とし」。末尾の接尾「이」は「用途的」に用言を名詞化する機能がある。
살다(暮らす) 살(暮らし)
길다(長い) 길(長さ)
높다(高い) 높(高さ)

재미(おもしろさ) 漢字語「滋味」由来説。

점심(昼食) 
①中国語「点心」由来説。朝鮮では昔、昼飯を軽くすます習慣があり、中国語で「軽食」的意の「点心」を借用したとの説。
②与動詞「주다」語源説。昼飯時お互いに「그거 나도 (それ俺にもくれ)」と食べ物を相互与したことに由来というが民間語源か。
     

제대로(ちゃんと) 正概念を表す「제」と継続の「대(まま)」と助詞「로」によって。原意は「正しい状態のままで」。
제대로 앉아라. ちゃんとお座り。
제대로 걸어라. ちゃんと歩きなさい。
제대로 먹어라. ちゃんと食べなさい(変則時間せず、偏食せず食べなさい)。

조금(少し) ツングース語chumin、日本江戸期語 chitskuto・chitskuriと対応か?ツングース族はエベンキ族とも言われ、清王朝を開いた女真・満洲族とも関連し、古代国家・高句麗の王家だったという。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?