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駄菓子屋の生き残りを考える

皆さんはどんな駄菓子がすきですか?
幼い日、お小遣いの100円玉を握りしめ目をキラキラと輝かせながら近所の駄菓子屋さんに走った思い出がきっとあるでしょう。
私はあります。
でも大人になった今、気になったことはありませんか?


10円玉数枚で買えるお菓子は、いまどこに?

先日、110年近い歴史を持つサクマ式ドロップのサクマ製菓株式会社が廃業を発表しました。あの大人気商品のうまい棒も、42年間据え置かれていた値段が10円から12円へと値上げされました。原因は原材料の価格高騰や人件費、運送費の高騰、少子化やコロナによる販売減などが挙げられます。

長い歴史をもつ製造会社でさえ苦境に立たされている中、なぜ売上も小さく、利益もあまり出ない駄菓子屋さんが今でもやっていけているのでしょうか。


駄菓子屋さんは絶滅寸前

答えは簡単ですよね。
・自宅の一部を店舗化しているため、テナント料がかからない。
・一家の主たる収入ではなく大きな収入でなくても問題とはならない。
・成長の必要がないので大きな投資を行う必要がない。
他にも理由はあるでしょう。
きっとあまり稼ぐ必要が無く、子どもたちの笑顔を見る為にお店を運営されているかたが殆どではないでしょうか。
ですが、駄菓子屋さんはこれからも安定した商売となりえるでしょうか?

厚生省のwebサイトによると第2次ベビーブームの1973年には約210万人だった出生数も、2019年には86万人と実に半分以下の人数となってしまいました。(参考記事:社会という市場が6割引状態になる日
つまり駄菓子屋の売上も相対的に落ちていると予想できます。また大型スーパーマーケットやコンビニの台頭も駄菓子屋にとっては大きな痛手ですし、後継者問題も非常に深刻な問題です。 このままでは昔ながらの駄菓子屋さんは無くなってしまいます。

これが駄菓子屋さんの生きる道

駄菓子屋さんにとって絶体絶命の環境ですが、目線を変えることで生き残る道が見えてきます。たとえば、江戸川区では2022年9月に区立の駄菓子屋さんを開設する計画を公表しました。
なんとこの開設される予定の駄菓子屋さんは売上や後継者問題を気にする必要が全くないのです!この計画では「ひきこもり問題」に対しての就労場所と仲間づくりを目的としており、2023年1月の開設が予定されています。(追記:2月26日に「よりみち屋」として開所しました。)
この計画がうまくいけば、一定以上の人口のある都市部では駄菓子屋さんができるかもしれません。

また、千葉県の流山市では『子どもをみんなで育む計画~流山市子ども・子育て支援総合計画~』の制定により人口(特に子育て世代にターゲティングしたことが先進的でした。)が増加し、その結果この10年間で10歳未満の子供の人数が約4,000人も増えています。子供が増えれば駄菓子屋が地域の子供たちの交流の場として機能することが期待できます。
他にも駄菓子屋さんが生きる道はあるかもしれません。

私はこれからも駄菓子屋さんが大好きです

諸行無常…。時代が変わればニーズも当然変化します。その為、昔ながらの駄菓子屋さんはこの先必要とされなくなるのかもしれません。
きっと前項で述べたような一部のお店を除き、昔ながらの駄菓子屋さんは無くなってしまうでしょう。もしかしたら最後の駄菓子屋さんは有形文化財などになってしまうかもしれません。

それはそれで仕方ないことだと思いつつも、やはり一抹の寂しさを禁じ得ません。
だから私は、駄菓子屋さんの延命を図るべく、今日も握りしめた1000円札を近所の駄菓子屋さんで使い切ります。大人の駄菓子屋さんという業態もありかもしれません。


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