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今や常識!? 『遠征』のスゝメ


『遠征』というワード。
ナポレオンだったりスポーツだったりで使われていたこのワードも今では「好きなライブやイベントのために遠くまで出かける」ということを表すワードとして定着して久しい。

かつてはいわゆる「追っかけ」と呼ばれていた一部の熱狂的なアイドルなどのファンが新幹線や飛行機まで使って遠方のコンサートやイベントに押しかける…といった行動は特殊な一部の人達に限られたものだったが、今ではかなり一般化してきている・・・・のではないだろうか。

ファン活動(推し活)からはじまる『遠征』

そんな私の「遠征歴」もまあまあ長い。2000年代前半からライブに通っているのはEXILE。
かれこれ14~15年前のライブツアーで、地元である東京ドーム公演のチケットの抽選に外れ、一か八かで福岡ドームに申し込んでみたら当たった!ということから始まる。

その時は友人と旅行のつもりと思い切って、2泊3日で行ってみたところ、ライブはもちろん、旅として福岡のあちこちも訪ねてとても楽しいものになった。

それ以降「遠征」は私の中では全く抵抗がなくなった。

もちろん、時間とお金という制約はあるが、元々旅好きであったこともありそのライブの日程が合えば、一人でも友人とでもあえて地方ライブも狙って申し込んで、毎年のように『遠征』している。

頻度は少なくとも年1回、多い時は年3~4回程度。
ツアーのスケジュールや開催時期によって変動する。
コロナ禍の最中はどこにも行けず悶々としていたが、2021年頃からライブツアーが再開となり数えてみたら昨年2022年は5回も遠征していた。(新潟・大阪×2・福岡・名古屋)

まず、チケットの抽選申込と同時にホテルだけは仮予約して泊まるところを確保。
抽選が当たったらライブ以外の観光やグルメなどもリサーチしつつ、ホテル+飛行機or新幹線などのパッケージツアーでもっと良い条件があるか再検索。

最初に仮予約したホテルよりも条件の良いものが見つかれば、申し訳ないが仮予約のホテルはキャンセルさせてもらうことも時々ある。

これは一般的な旅の計画を立てるのと何ら変わりはない。
周りで遠征経験のある別の友人と話をしていても「遠征」目的の旅行は抵抗がないという。

実際、私のよく行くEXILEや三代目J Soul Brothersのライブツアーでは東京でも地方でも、「遠征」しているファンを大勢見かける。
(そのアーティストのツアーグッズを持っているのでファン同士なら一目でわかる)

行った先で入った居酒屋でたまたま会った他のファンのグループと盛り上がったこともあった。
これも、普通の旅とは違う楽しみである。

遠征勢にとって、新横浜と仙台は同じ近さなのです。

別の切り口で考えると、23区最北部に住む私が新横浜にある横浜アリーナのライブに行く移動時間は、在来線で最寄駅から約1時間30分。

仙台に行くとすると東北新幹線で上野から1時間25分。
つまり、移動時間に極端な差はない。

当然交通費などは高くはなるが「旅行」という付加価値もつくので、そこは自分としては許容範囲となり差を感じなくなってしまう。

「ライブなんかで高いお金出して地方まで行くなんて」という冷ややかな目も最近は感じられない。
(と、自分で勝手に思っているだけなのかもだが…)

「京都観光したい」「沖縄で美ら海水族館に行きたい」
「別府に温泉入りに行きたい」

という、色々な旅行の目的があるが、その一つとして「ライブに行く」ということも一般的な目的になっていると思う。

春に行った三代目J Soul Brothers仙台ライブでは、月曜日に有休をとり、日曜から一泊二日で出掛けた。

日曜夕方がライブだったので、のんびり昼近くに家を出て、仙台に着いてから遅い昼ご飯を済ませ、ホテルに荷物を置いてライブへ。ライブ後は仙台グルメのセリ鍋を堪能。翌日は松島などを観光し一泊二日で満喫してきた。

三代目J Soul Brothersのライブには、ものすごい人数(平均48,000人!)が集まる。
写真は仙台のコンサート会場(筆者撮影)

ちなみに今回のこの仙台遠征で使った金額はライブチケット代を除くと
33,500円+飲食費といったところ。
(新幹線代 23,200円・ホテル代 7,800円・レンタカー代 2,500円)

パッケージツアーを使わず1人旅だったので少々割高かもしれないが、
満足度はもちろん◎(=最高レベル)である。

遠征&ミニ旅行、そしてやっぱりお土産!

さて、この「遠征」については、「推し活動の最終発展段階」という説もある。
が、ライブだけではなくさらに直接的な接点を求めるファンも多く、いわゆるAKBの握手会のようなものはアイドルだけでなく、様々なアーティストがファンミーティング的なライブとは異なるイベントを行なっている。

客観的に見ると、楽曲購入やライブなどの収益以外での新たな「課金」システムでファンも満足しアーティストも収益が上がり、さらに活発な活動に発展させられるものだと思う。

私の推しのEXILEやその周辺グループもそのようなファンミーティングも行なっている。
だが、私の場合はあくまでも「ライブ」が目的なので、残念ながらこの新たなイベントでの収益には貢献できていない・・・

ということで、私の推し活動最終ステージはこの「遠征」なのかもだが、推しへの課金(!)と共に旅行の選択肢の一つとして「遠征」を今後も楽しんでいこうと思う。

時には有休をもらって「遠征」なので、そんな時には会社へのお土産も忘れずに。
実はお土産屋を見て回るのも私の楽しみの一つで、会社向けに、いわゆる「バラまき」できる個包装されたお土産を色々チェックしている。

もしかすると、「遠征」勢によるおみやげ市場も生まれているような気がする。
お土産を語ると長くなるのでそれはまた別の機会に。


編集猫 KAURU memo

旅行というと、各地の観光名所に赴くことが真っ先に挙げられますが、国内旅行では『遠征』をきっかけにした新しい観光需要が生まれているようです。
『遠征』に慣れたファン層は、地元のお店でコンサート後の打ち上げを楽しむこともあり、人との交流や出会いに価値を見出しています。これはスマホとSNSの浸透によるところが大きですニャね。
あと地元スーパーを巡るといったお仕着せではない楽しみ方を合わせてしている人も多いようで、お土産の選び方も従来とは違うようですニャよ。


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