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台湾で日本式で串焼き店と焼き肉店を展開した結果の明暗

*本記事は2024年4月10日にFacebookに投稿した記事の転載です

今回の墾丁高雄旅行で遂に高雄の日本再⚪︎酒場に行く事が出来て改めて学習したことを残す。

日本再生⚪︎場は高雄を創始店として台南にも出店。高雄本店は店内を大きく二分して焼肉エリアと串焼きエリアの2エリア制。台南は串焼きのみでスタート。その後、高雄、台南とも焼肉専門店を出店。更に、最近ついに高雄本店の串焼きエリアを閉鎖。

私は自分自身の自営業の参考にもなるため、日本⚪︎生酒場は前々から気にかけており、私自身は台南店には何度も足を運んだ事があり台湾では稀少なホルモン系のやきとん串をよく食べましたし、また、この店のGoogle Mapのコメントをチェックしていました。というのは当然、この店へのお客様の反応コメントは神楽の運営にも活かせるからです。

そんな日本再⚪︎酒場Google Mapですが実は長らく3.9と4.0を彷徨うような低空飛行を続けてました。自分の店の経験上、台湾でMapが3.9になると途端に新規客も紹介客も来なくなります。4.0以上は必須。日⚪︎再生酒場はそのギリギリラインを長年歩んで来ました。

この店に低評価をつけた人たちの不満の理由は色々とあるのですが、私が読み解く限り、それら不満の多くは詰まるところ「遅い」ことに起因しています。ただ私自身が日本再⚪︎酒場に何度か行った限り私にとっては特段遅いとは感じてません。では、なぜ、この様な不満が多発しているかというと、「酒を飲まない人にとっては遅い」ということです。私みたいなビールを飲みながらツマミとして串焼きを楽しみたい人にとっては全く遅くなくても、そうじゃない人にとっては串焼きが出てくるのが遅くて不満となるのです。これは自分自身が店をしているので分かりますが、酒を飲む人と飲まない人とではフードの提供スピードに対する理想の速度が全く異なります。仮にスピードレベルが10段階あるとして平均速度5だとしてお酒を飲みながら食べる人にとって速度5は速すぎる。お酒飲まない人にとって速度5遅すぎる。という問題。酒飲みには速度2が最適で、飲まない人にとっては速度8が最適みたいなです。

その結果、日本再生⚪︎場の焼鳥部門はGoogle Map星3.9と4.0の狭間を彷徨い、同会社の別ブランドの新宿内蔵焼肉は星4.5の高点数となります。

「いや、酒を飲む飲まないの問題なら、焼鳥と焼肉とかの問題じゃないだろ」ということに関して、それを説明します。

肉を生から焼いて食べれる状態になるのに仮に10分かかるとします。その際、串焼き店だと、注文入れてから10分間、何も来ません。しかし、焼肉の場合、生のまま出せばいいので5分で出せて、後は各自が自分のテーブルで5分かけて焼いて食べれる状態になります。この差がデカいという事です。客はモノがテーブルに運ばれた時点で納得してるので遅いと感じてないわけです。例えモノが口に入るまでの時間が同じだっととしても。。。

素人が網の上で焼く焼肉と、プロがレーンの上で焼く串焼きと、どう考えて後者の方が美味いんだから待てばいいじゃん、と、自分なんかは思うけど、当然、世の中、そう考える人だけじゃないわけで、結果、同グループ企業の焼肉ブランドは高得点4.5、焼鳥ブランドは低得点3.95、そして本店は串焼きエリア閉鎖して焼肉だけの営業に切り替えという。

とはいえ、例えば、呉⚪︎手のような串焼き居酒屋として人気で高得点の他グループもあるわけですが、呉⚪︎手なんかだと焼きそば、チャーハン、お茶漬けといった串焼きより早く出る食事メニューを充実させてます。それで厚切りの生肉を焼いて出すまでにかかる時間を埋め合わせてるわけです。焼きそばの肉はスライスとかなので火の通りが速いので焼鳥より高速に出せますし、お茶漬けが速く出せるのは言わずもがなです。(まあ、コレについても、麺とかお茶漬けとかシメであとで出してくれよ、とか個人的には思いますが、酒を飲まない人にとってはそれは先に欲しいものであって、やはり台湾では先に出せるものから先にどんどん出すということでしょう)

ちなみに逆の立場で考えて、自分がどこぞの店に入り生ビール注文したら10分待たされたらキレると思います。

結局のところ、お客様が"何らかの期待を持って"飲食店に入るわけですが、その期待を高速に満たすということが大事なんだと思います。今回はたまたま焼肉とか串焼きとかの話ですけど、仮にスターバックスとかだとして、コーヒーが出てくるのが遅いとやっぱダメなんだと思います。

で、神楽も以前の暗黒期には星3.8くらいまで落ちて超ヤバい時期ありましたが、より店のコンセプトも単純化して"何らかの期待"を生ビール、ハイボール、串焼きにしたため、串焼きの提供に10分かかるとしても、生ビールやハイボールが1分で出すことで、不満発生を抑えて、今では星4.5まで来てます。

なので、何らかの期待を「お座り3分以内、出来れば1分以内、最大許せて5分以内」に満たせるようにする。そして飲食店の場合その何らかの期待はいわゆる看板メニューです。

となると、どう考えても、業態的に「焼肉屋と鍋屋はそのスピードが容易に満たしやすい」わけであって、実際、その業態が台湾でよく流行っているし、不満が出にくいから潰れにくいということが非常に納得できます。

或いは、先に作っておいて、そのまま食うか、もしくは温めるだけとか。あ、それって自助餐じゃん、コンビニ弁当じゃん、大会場の円卓料理じゃん。台湾メジャーだよねと。

まとめると、飲食店をやられる方は、お客様の来店動機となるフードなりドリンクなりのいわゆる看板メニューというものに関して、必ず、お座り高速提供が可能なものを看板メニューにしましょうという学びでした。

P.S.
というわけで、神楽の看板メニューは生ビールとハイボールという運営方式は徹頭維持。

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