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地図を読めるようになるために:道に迷わないための実践的アプローチ

 スマホの地図アプリを使っても道に迷ってしまう、そんな経験をしたことがある方は少なくないでしょう。現在地が表示され、道順を案内してくれる便利なツールが手元にあるにも関わらず、どの方向に進むべきか分からなくなることがあります。このような問題の背景には、空間認知能力の不足があることが多いです。

 しかし、空間認知能力は後天的に鍛えることができ、地図が読めるようになるのはもちろん、道に迷うことも少なくなります。この記事では、スマホの地図アプリを使っても道に迷う人に向けて、空間認知能力を鍛え、地図をしっかり読めるようになるための具体的な方法を紹介します。

1. 空間認知能力とは?

 空間認知能力とは、自分の現在地と周囲の位置関係を把握し、正しい方向に進むための能力です。これが発達していれば、地図上の位置と実際の地形や風景を照らし合わせて、迷うことなく目的地にたどり着くことができます。

 多くの人は、学校で学んだ地理や星の位置などの知識を忘れてしまい、スマホの地図に頼り切っていますが、この能力を鍛えれば、スマホに頼らずとも道に迷わず移動できるようになります。

2. なぜ地図を読めなくなるのか?

 スマホの地図アプリに頼りすぎると、方向感覚を失うことがよくあります。スマホの地図は「ノースアップ」(常に北が上)と「ヘディングアップ」(進行方向が上)という表示方法がありますが、ヘディングアップ表示は進行方向を基にしており、東西南北の感覚が曖昧になることがあります。その結果、地図を見ていてもどちらに進めばいいのか分からなくなり、混乱してしまいます。

 方向感覚を鍛えるには、スマホの地図に頼りきるのではなく、自分自身で方角を意識しながら行動する習慣が必要です。

3. 空間認知能力を鍛えるための方法

1. 地図は常に「ノースアップ」で見る

 スマホの地図アプリを「ノースアップ」に設定することで、常に地図の上が北になるようになります。これによって、実際の風景と地図を一致させることが容易になり、進むべき方向を東西南北で把握しやすくなります。方向音痴の方は、まずはこのノースアップ表示に慣れることから始めましょう。

出典元:マイネ王

2. 太陽や星の位置で方角を確認する

 太陽や星は、私たちにとって昔からの自然のコンパスです。昼間であれば太陽の位置を基にして方角を確認し、夜であれば星の位置を頼りにすることができます。例えば、太陽が昇る方角が東、沈む方角が西という基本的な知識を使うことで、日常の中で方角を意識する習慣をつけましょう。

カシオペヤ座と北極星さえ分かれば、方角はもちろん時刻も推定できる。出典元:AstroArts

3. 歩く時に方角を意識する

 移動中も常に方角を意識しましょう。自分がどの方向に進んでいるかを確認し、スマホのコンパスアプリなどを使って「今、自分は北に向かっている」「ここで西に曲がる」など、実際に動きながら頭の中で整理することで、自然と方向感覚が磨かれていきます。

普段、方角を意識するだけで「空間認知能力」は高まる 出典元:Google Play

4. 紙の地図を使ってみる

 スマホの便利さに頼りきりにならず、時には紙の地図を使ってみるのも有効です。紙の地図は自分で位置を確認し、進む方向を判断する必要があるため、空間認知能力が鍛えられます。また、広いエリア全体を一目で把握できるため、全体の地理的な構造を理解するのにも役立ちます。

※東京以外にも、京都、大阪もある観光地図。ポケットに入るので携帯も可能。

5. 近所を散歩して地図と現実をリンクさせる

 自宅の周辺やよく行く場所を、実際に地図を見ながら歩いてみることで、地図上の情報と現実の風景をリンクさせる力がつきます。普段通る道を意識して確認するだけでなく、少し遠回りしたり、新しい道を試してみることで、地図を読む力がさらに鍛えられます。

中野駅南口から谷戸運動公園までの旅程。
地図と現実をリンクさせることは「空間認知能力」を高めるのに極めて有効である。
 出典元:BTG 城郭都市研究会

4. スマホの地図アプリの使い方を工夫する

 地図アプリを効果的に使いながら、空間認知能力を鍛える方法を見ていきましょう。

1. 全体のルートを確認する

 目的地までの道のりを細かい案内に頼らず、まずは全体のルートを俯瞰して見てみましょう。自分がどの方角に進むべきかを把握することは、途中で迷わず進むために重要です。また、ゴールまでの道筋を頭の中に描くことで、方向感覚を自然と鍛えることができます。

2. 進行方向ではなく、方角で判断する

 スマホのナビゲーションが「右に曲がる」「左に曲がる」といった指示をしてくれることがありますが、それに頼りすぎるのではなく、「東に進む」「北西に向かう」といった方角で道を把握する習慣をつけると、空間認知能力が高まります。

5. まとめ:空間認知能力を鍛えることで地図は読めるようになる

 空間認知能力を鍛えれば、地図を読む力が飛躍的に向上し、スマホの地図アプリに頼りきりにならずに目的地まで迷わずに行くことができるようになります。地図を常にノースアップで見ることや、太陽や星の位置で方角を確認する、普段の生活で方角を意識することなど、簡単にできるトレーニングを日常に取り入れていきましょう。

 スマホがなくても迷わない力を身に付ければ、もっと自由に、楽しく外を歩けるようになります。

※↓読み物としてどうぞ:男女の脳の違いから興味深いことがわかります。


湘南地方の地図を元に考えてみました↓


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