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日本の政治はエンタメか?コロナ禍でもお祭り騒ぎの自民党総裁選



9月22日付の朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞に、宝島社の見開きの意見広告が掲載された。

汚れた白くまのぬいぐるみと新型コロナウイルスとみられる画像に、「国民は、自宅で見殺しにされようとしている」というキャッチコピーで、今回もまた目をひく広告になっています。

宝島社は5月にも朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の朝刊3紙に「このままじゃ、政治に殺される」という意見広告を見開きで掲載したのを覚えていませんか?
「ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戦えというのか。このままじゃ、政治に殺される」というキャッチコピーのほうを記憶しているひとも多いのでは?

長びく自粛と、無理を強いるばかりで、一向に効果もない政府のコロナ対応に怒りの声をあげるべきだというインパクトのある広告でしたよね。

宝島社は9月22日の朝刊3紙でも、「国民は、自宅で見殺しにされようとしている」という意見広告を、またまた見開きで掲載しました。
東京五輪開催と同時期に感染拡大した東京の新型コロナ感染者が、自宅療養中に44人死亡。そのうちの半数以上の24人が50代以下だそうです。
なのにメディアは連日「新規感染者数は減少傾向にある」と、そればかりくり返しています。自宅療養中に容体が急変するケースは今も続いているのにです。
まさしく「国民は自宅で見殺しにされようとしている」のです。


新規感染者は減っていても、自宅療養中に重症化したり、亡くなるひとは減っていないのですが、そのニュースは、お祭り騒ぎの自民党総裁選の話題の陰に隠れてしまいがちです。
候補者たちの主張や論戦を、連日これでもかと取り上げるメディアの目的も意味不明です。
首相になってから何をやるかなど、最終的に総裁に選ばれた者が、内閣総理大臣として国民に向かって語ればいいわけで、今からメディアが、投票権もない国民を巻きこんで総裁選を盛りあげるどんな理由があるのかまったくわかりません。
おおかたメディアは視聴率と高い話題性が最優先なんだろうけど、自民党の総裁争いなんて無関係な者のほうが多いのに、まるで国政選挙みたいな扱いになってるのはおかしいし、それをおかしいと思っていないひとが多すぎるのもおかしいと思うのですけどね。

正直いって、派閥の重鎮だの長老だのの意向を無視できないのなら、だれが総裁になったところで大差ないのでは?
わたしの目には、投票権があるわけでもないのに、自民党総裁選の話題で大荒れらしいネットも、総裁選レースでお祭り騒ぎのメディアや人々の思考回路も理解不能です。

だいたい日本の政治は、いつからエンターテイメント扱いになったのですか?

この国のメディアや国民がそんなふうだから、政権与党の権力亡者どもが図に乗って、やりたい放題しても許されると勘違いしてしまうのでは?
それに、

菅首相は何をやっているのでしょうか!?

わたしが今、声を大にして言いたいのはこれで、このひとを「過去のひと」扱いするのは早すぎるのではありませんか?
退陣が決まったら、途端に露出が激減したようですが、まだ現役の首相なんだから、やることはいくらでもあるはずです。
不正が露見した身内や支持者をかばうのと、ご自分の権力やメンツを守ることには熱心だったようなのに、コロナ禍で疲弊し、困窮する国民のあつかいは随分と適当でしたが、今度もまた都合よくお忘れなのでしょうか? 

コロナ対応であらわになった菅内閣の無責任さは今に始まったことではないけれど、ワクチン効果か偶然か、感染拡大が少しおさまってきたら、唐突に11月ごろの行動制限緩和の方針を打ちだしてそれっきりというのでは、あまりにも無責任にすぎませんか?
今は多少おさまっているように見えるものの、今後ふたたび感染が拡大したり、新たな変異株が広まった時の対策は、きちんと講じられているのでしょうか?
国民の行動制限を緩和するにしても、すぐにまた忘年会シーズンや年末年始が到来します。
そこでまたしても感染拡大が起きたとしても、その頃にはもう担当者は次の首相だから自分には関係ないとでも?
これまでさんざん無意味かつ無責任な失策をくり返しておいて、退陣が決まった途端、もうやめるんだから後は野となれ山となれ?

ふざけてるんですか?もっと真面目に仕事してください。せめて給料分ぐらいは働くべきでしょう?

次の首相が決まるまでは、時どき委員や大臣を召集して会議でもやってお茶を濁して、メディアの取材と予定のスケジュールを適当にこなして取り繕っておけば、それでOKだとでも思ってるんじゃないでしょうね?
コロナ対応も、自宅療養で亡くなっているひとの問題も、次の首相と次期内閣に丸投げですか?
今さら余計なことをしても叩かれるだけだし、本気で対策などするつもりもなかったりして?

よくそれで『国民のためにはたらく』なんてキャッチフレーズつきのご自分のポスターを、恥ずかしげもなく貼っていられたものだと、あきれてものが言えません。
この前、アフガニスタンの記事を書いたとき、「銀英伝はフィクションだけどアフガニスタンはリアルなんですよ?」って書いたけど、これじゃまるで『創竜伝』じゃないですか!
『創竜伝』に登場する、どうしようもない日本の政治家は、あくまでフィクションの産物だと思っていましたが、リアルの日本の首相も政党も“あのレベル”だったとは‥‥。
これではこの国の未来には絶望しかありません。

政党政治だというのに、相変わらず自民党に勝てる兆しすら見えない野党にも問題おおありです。

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