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1987年2~3月 初海外はドイツふたり旅 06

【まとめ】夜行でニュルンベルクを発ち、約10時間後にベルリン着。初めての海外の夜行列車はエキサイティング、しかしとにかく眠かった。東ドイツ領内を通りたどり着いた陸の孤島ベルリンは、煤色の大都会。なんとか宿を決めて、最初の目的地ダーレム美術館へ!

※ 以前公開していた「1987年東西ベルリン1~4」の記事をこちらのマガジン記事に統合しました。ご了承ください。

3月5日(木)

0:40 ニュルンベルク駅より、待ちに待ったベルリン行きの列車にようやく乗り込み、一安心。
 6人乗りのコンパートメント。

 中国系のドイツ人が同席す。
 同い年だが、すごくしっかりしてみえる。
 香港生まれで、両親は台東出身。
 あちこちのレストランで働いている。ドイツに住んで9年だって。

間もなく相乗り客が列車を降りたので、たった二人で寝台車のように寝転がる。

4:00頃 いかにも東独、といった感じの車掌さんが、検札にくる。
パスポートのチェックも。国境を越えたらしい。

中身は普通のドイツ人なんだけどねー

外はもやっていて、地平線がぼんやりと見えるくらい。

高い煙突の上から火が燃え上がっているのが見える。
すべてが中間色の中で、この色だけがやけに鮮やか。

10:00過ぎ、ポツダムPotsdam着。湖の多いところを通る。
Kは、また眠り始めた。よく眠っている。
その後、起き出してきたので、オレンジ1個を半分こして食べる。

Halleあたり?

10:30頃 ベルリンBerlin着

ベルリンは、いかにも大都市。だが、ゴミゴミしている。
上野のほこりっぽい感じと似ているか、もう少ーしだけ、垢抜けしているか、というところかな?
Kが要領よく、どこかの看板に出ていたホテルを探してくれる。
ツォーZoo駅からSバーンで二つ目の駅、シャルロッテンブルクCharlottenburgの駅近く。クーダムからも近い。
ホテルの名はそのまんまCharlottenburg。

駅からすぐなんすよー!

先払いで一泊60DM/2人。ビジネスホテルみたいにこぢんまりまとまってる。
部屋の絵が、マグリットみたいな雰囲気。なかなか凝っている。

宿が決まった!
ホテルの部屋にあった絵。
(2024年今更知ったが Dominique Appiaというスイスの画家の絵(複製)だったらしい
マグリットなんて言ってごめん)

リコンファームのために、アエロフロート社を探そうとしたら、たまたま買ったマップの表紙に、オフィスが写っていたので、すぐ場所が判明する。
リコンファーム担当の女性に念のために名前を訊いたら「ほわい?」と尋ねられる。コンピュータで処理するので大丈夫ですよと言われるが、いや、あなたら会社があまり信用できなくて、とは言えずオタオタしていた。そしたら仕方なく?「ふぁーぱー」と教えてくれた(多分そんな名前)。

無事に手続きが済んだので、カフェに寄ってケーキとコーヒーで一休み。
カウンター席のスツールが高すぎる。近くの席のおじさんが、私らが乗り降りするたびに、心配そうにみている。

いざ、ダーレム美術館Staatliche Museen zu Berlinへ!


Uバーンのクーダム駅から6つ目くらい(6DM)。30分もかからないでダーレムに到着。

めっちゃざっくりした路線図

駅の屋根が茅葺き。そのせいでもないだろうが街全体が落ち着いた雰囲気。
美術館の場所を通行人に聞いて、美術館へ。

13:30くらいに入館。無料。日本では信じられない。

ビザンティン美術のガラスモザイク
大慈悲者キリスト
終始あっけにとられている

レンブラント、ヴァン・ダイク、ルーベンス、カラヴァッジォ、クラナッハ、ラファエロ、デューラーなど、これでもかこれでもか~と目の前に現れる。

レンブラント作と言われていたが工房の作品らしい
黄金の兜の男
兜の金と表情との対比が、もう!
こちらはレンブラント本人が描いたらしい
キリストの頭部

特に見たいと思っていたぺトルス・クリストゥスPetrus Cristusの
「若い女の肖像」Bildnis einer jungen Frauは、澁澤龍彦の本でも紹介されていたが、実際に見てみると、その生々しい美しさに息をのむ。
肌、ベルベット、レースや金属の質感が、本物以上に本物らしい。

こちらも絵葉書ですみません
 

色々な文化圏の、色々な時代の作品がひしめいている。
閉館までじっくり見ていくが、インカ帝国の黄金の遺物などはほとんど横目で通り過ぎてしまった。
警備は多いが、撮影は自由だし、案内もしっかりしてるし、十分満足してすっかり呆けた状態。
17:00 外に出る。

クーダムに戻り、マケドニア料理店でごうせいに? 食事。
メインは薄切りの豚肉にケチャップソースみたいなのがかかっている。赤ピーマンやロリエが入っていた。それに茹でたジャガイモ、赤キャペツの酢漬けがついていた。
ワインはモーゼルの白。甘く酸味も利いてかすかな渋みが残るがとても飲みやすい。全部で15.50DM。

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