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杭打ち

ー 出る杭は打たれる。打たれたら余計に出る。 ー

 実は明後日から札幌赴任となりまして。ご返答が遅くなり申し訳ありませんでした。バタバタしてまして。
「バタバタしてまして」は大人の言い訳として嫌いじゃない。説明しづらいときや話長くするほどでもないときに使いやすい。まあそんなことを思いながら聞いているが、電話口の向こうは確かにバタバタ感がある。出張ではなく赴任ともなれば忙しい最中だろう。そんな中でも連絡をくれるのが彼らしい。なんというかいつも相対する人間の話はきちんと聴くし、きちんと答えるし、説明する。バタバタしているときも。
 あまり詳しく経歴を把握していないが、少なくとも今は父親の会社に入り、役員として社内の改革をまだ入社して間もない事務方トップの方を巻き込みながら進めている。

 「ITドック」に至る経緯もスピーディーで情熱的だった。そして報告会でもよく理解し、なんとか進めたい、なんとなく問題視していたことがプロの目から見ても明確で、問題課題解決策を一枚にまとめた絵を気に入ってくれて、わかりやすいと言ってくれた。多分これを社長に説明するにしても良い小道具になると思ってくれたのだろう。
「ITドック」では、幾つかの問題点を指摘させてもらったが特に、
・グループウェアの未使用
・基幹システムの未使用
が目についた。最近診断させてもらう会社でも多く目につき、場合により先ず解約を促すこともあるほどだ。勿論「未使用」は言い過ぎのことが多く、かえって始末に悪い。機能をちょっとだけ使っている、少しの人にとっては手放せない、というケースだ。この場合には、少し深めに調査する必要が出てくる。
しかし、こういったときに深堀しないでいつする。今のところこの申し入れを断られたことはない。
この手のツールの多くは、業務がどうであるかも感知しない、システムベンダー営業のトークに乗せられ、購入してしまうことが多い。だから使わなくなる。当たり前の線路が敷かれている。

 報告・提案は通常ここで終わり、検討となるが、いつも前向きな彼は違う。うちの会社がITをうまく使っていくには、どんな中長期シナリオがあればいいのか教えてくれというのだ。
 それで3年ほどの中長期プランを描いて見せに行った。
参考としてロードマップまで描いて説明したところでは、むしろそんなに時間かけなくても、やるとなればうちの社員は皆直ぐやってくれる、そうですよね?と半ば答えを待たずして私に線を引き直してくれと言う表情だった。
 直ぐにでも話を進めい様相だ。
社長に進言したいが金額を聞かれるからそれも欲しいと頼まれ、また後日伺い、超概算でIT投資の説明をした。要求も固まっていないので、膨らみ過ぎた金額を知って、いつもの明るさは影を潜め、その後コロナでの減収も手伝い、のフィードバックも芳しくなかった。
コロナ対応で事務方もお忙しそうで暫く間が空いた。

 どうしているかと気になっていると突然の電話。評価制度の話だった。先々やりたいと思ってたんですが、今のような時期にむしろやっておきたい!
 こちらも最初のご紹介で話していましたし、お力になれ流なら是非。そのかわりやるとなればかなりエネルギー使います、とご忠告も添えた。
 社長に話してまたご連絡しますと若。
暫く連絡ないので、メールしてみたら電話に若からの着信。


 実は明後日から札幌赴任となりまして。ご返答が遅くなり申し訳ありませんでした。バタバタしてまして。
 ということで、本社にいないのでお話した件も難しくなりました。

 そうですかわかりましたお身体に気をつけて。若の修行は未だ続くようだ。
もし出る杭だからと打たれたとしてもきっとそれをむしろエネルギーに変えて伸びてくるだろう。努力が無駄になることはない。
獅子は崖の上から見ている。一緒に這いあがろう。

中長期シナリオが見えてくる【ITドック】

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