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数字だけ見ればそんなに悪くない…

フロンターレの23年シーズンは3試合を消化。
リーグ戦を1-1-1の戦績で勝ち点4、8位に位置している。

本音を言えば危機感とか文句をダラダラと書きまくりたい状況だが、客観的にこの数字だけを見てみると、確かに「ギャーギャー騒ぐほど悪い数字」という印象は小さい。

なので正直、私が前から試合後のこういったブログでずっとごちゃごちゃ言ってるのを気に食わないと思うフロサポが居たとしてもおかしな話では無いと思う。

しかしだ、それはフロンターレが今後笑顔で居られる時間を削る行為だと思う。

目指している場所はどこなのか
その目標のためにオフの間に何をしてきたか
昨年の結果やその過程に対してのフィードバックはあるのか

私が文句を言っていることは全てそういった視点で、タイトルやACLといった大きな目標に向けて必要な事が足りないと感じているから。
自分で言うのも何だが、私は本気でフロンターレのタイトルを願っている。

降格しようと応援する、チームが存続してくれるだけで幸せ。
素晴らしい志だ、そういう人が可能な限り増えることが望ましい。
だが私はそういう気持ち以上に、チームに関係するすべての人が笑顔で嬉しく楽しくいられる状態を望んでいる。そのために最も単純かつ効果的な方法が「タイトルを取る」ことだ。

トロフィーやシャーレを掲げて喜んでいる選手やサポーターを見るのは幸せの極みだし、サポーターが記念グッズとかを買ってくれれば財政の部分でもこれ以上ないほどのメリットをもたらす。
そういった成功のための苦言と感じ取っていただければ幸い。

ということで、この3試合で出た課題や問題について書いていくとしよう。

目標勝点は試合数×2


いい数字悪い数字と定義を先に明記しておこう。
私のnoteやツイートを追っかけてくれてる人なら説明は不要だが、新シーズンということで改めて。

優勝のために必要な勝点はここ10年くらいの傾向から最低でも60以上。
60後半で優勝争いに間違いなく割り込み70を超えるとほぼ優勝確定。

34試合で勝点68、平均勝点2はかなり便利な指標だ。

現時点でマリノスは7、平均2.333とこの指標を上回っている。
対してフロンターレは4、平均1.333と大幅に足りない。

たかが3試合だが鹿島らへんも現時点でノルマを超えてきてる事を考えれば、優勝を目指すならここから上げていく必要があるのは間違いない。

守備陣の不安定さは深刻


今シーズン始まる前に気付いてる人は居た、このチームが昨年と同じ過ちを繰り返す動きをしていることに。

昨年は一昨年の終盤に発生したジェジエウの大怪我の中で人員増強をせずに開幕戦で車屋の負傷。
今シーズンは谷口の海外移籍の穴埋めに大南を獲得したものの人数に変動は無し。そうやって臨んだ開幕戦で車屋の怪我とジェジエウの一発退場。

経路こそ違えど昨年と似たような景色をRTAかよってレベルのスピードで再現。
昨年ディフェンスラインの駒不足であれほど苦労していたのに、反省の色が全く見えない動きをした代償を初っ端から払わされた。
これは文句を言わないほうがおかしい。

確かにメンツだけ見ればその二人を欠いても大南と山村と松長根が居るのは贅沢な話だが現実はご存知の通り。
3試合やってCBコンビが90分揃う試合が無いという異常事態。
ジェジエウは一発退場で発生した停止後の復帰戦で負傷交代。

不運というか辛い事がここまで重なるのも珍しいが、ここまで重なったのを偶然の産物だと思ってしまうのは浅はかに思える。
ストーリーとまで言うと陰謀論チックだが、こうなってしまう流れとかを感じるし、昨年もこんな景色だったというのに対策してなかったのって不備と言わずに何なのかと。

台所事情が厳しいというのは言うまでもないが、実際に試合内容や展開の部分も相当苦しい。
・3試合全てで失点
・しかも全て先制点を奪われた
という2点は間違いなく獲得勝点に悪影響を及ぼしているし、今後も続くようだとタイトルは遠のいてしまう重要課題。

しかしこの状況を改善するのは難しい。
人数が居ないので疲れもコンビネーションも関係なく、使える選手の組み合わせで出すしかない。
交代できない前提で出場するメンバーも出てくるため、試合中の選択肢が大幅に制限される。
2度目の一発退場は出場停止が増えるルールもあるため、万が一の事を考えた時のリスクはより一層高まっている。
見た目以上に今のディフェンスラインは厳しく不安定な状況だ。

3試合連続得点が希望の光


戦績はいまいちふるわないフロンターレだが、3試合全てで得点しているという部分では期待感を抱くことが出来る。
特にフロンターレアレルギーがあったとはいえ鹿島戦では失点して退場者を出しても逆転するという奇跡を起こしたし、マリノス戦も退場後に得点。
退場者ブーストなんて言葉も私はツイートしていたが、そういった逆境での強さで結果を出すという部分は他チームも警戒しているだろう。

ツイートでも考察したように、退場者が出た後に前向きに攻撃ができるようになる点を考えると、平常時では色々なことを出来るがゆえに決断力に欠けているのではないかという考察に行き着く。
鬼木監督も迷いや思い切りというキーワードを口にしているという話も聞くので、チームの矢印が揃ってきていい意味での愚直さとか押し通そうとする意思が出てきたら、攻撃力は向上すると思っている。


実は数字が出てないマルシーニョ


フロンターレの攻撃を語る上で欠かすことのできない選手となっているマルシーニョだが実は0G0A。
試合中には攻撃の軸として頻繁にボールを受け自慢の推進力で何度も敵のゴールを脅かしているが、肝心な数字は0。
どのチームも彼の脅威度はわかっているので、あえてその他の選手(遠野など)を空けてでも人数をかけて塞ぎに来ている。
そのため見せ場も多いけど相手がそこで守備を成功させているシーンも増えている。

現時点でマルシーニョは武器にはなっているがそれは大きな負担を強いているという側面の上での話。
今はキレキレの彼もずっとこれを維持は難しいだろうし、コンディションが落ちた時に彼以外の選択肢が薄いとかなり苦しい。
右の家長やCFの収まりなどの別の脅威とセットで、守りたくても守れない状況を作ってあげたい。

ソンリョンを休ませるべきかどうか


今シーズンのソンリョンは開幕戦のアレを筆頭に精彩を欠くシーンが目立つ。
ビッグセーブもやってるので評価が難しいが、上福元というネームバリューを考えると選択肢がちらつくのは間違いない。
だが知っての通り今シーズンの苦しい要素の1つに「GK含めたディフェンスラインからのパス回しが相手に食い付かれることの多さ」があるので、ここで新GKを入れるという選択肢に躊躇する気もわかる。

理想は2人がいい状態で切磋琢磨して高め合いフロンターレのゴールを共同作業のような形で守り抜くこと。
そういう環境作りのための監督の選択をじっくり見定めていく段階だと思う。そこは外野の我々では推し量れないレベルの話だと思うので。


相手の前プレが刺さり、こちらのは刺さらない


今シーズンはディフェンスライン絡みのボールロストがかなり多く感じる。
前プレが刺さって出し所に困り蹴って取られるとか、無理に出した縦パスが自陣内で奪われたり、ピンチを招くシーンが増加している主な要因と言っていいだろう。

フロンターレも頑張って前プレをしているのだが効果的な印象が薄い。
スタッツやパス相関図などの証拠となるデータを示して話すべきだと思うが、そういうのは戦術屋に任せて私は印象論で話を進める。

前プレは奥の深い話なので、単純に上手い下手で総括できる話ではないと思っている。フロンターレはよく食らい、逆に相手には食らわせられてない。その事実を深掘りしていくと、おそらく様々な解釈が生まれると思う。
そこの究明と改善へ向けた努力はチームがやってると思うので、そこは様子見をしていこう。

個人的な見解としては、試合の流れ的な部分が大きいと思っている。
ボール保持率は高いが相手を揺さぶってる時間と回数は少ないため、相手は守備のスイッチを入れ直しやすい。
しかも無理をしてボールロストをするので、相手は持ってる時間こそ短いけれど意図した形で持てている。
だからフロンターレ側が頑張ってハメに行っても効果が薄い。

マリノスや湘南は完全に意図的に手数をかけずにゴール前に行きシュートで終わる事を目指していて、ロストをしてからの切り替えも相当意識していた。
フロンターレが安定した保持を目指してるタイミングに前プレが刺さるため、刺さる回数も多いし印象に残りやすいというメカニズムだと思っている。

新しい試みはたくさん見えている


今シーズンは新加入メンバーが開幕戦から試合に絡んでいるので、昨年のような停滞感やマンネリ感はかなり薄い。
山根の動きやマルシーニョの使い方など、フロンターレの新たな強みを作るための作業をやってと感じる部分も試合中に見えている。
こういった試みが得点に結びつき自信となってより多くの結果を引っ張ってくる。そういう流れを作れるポテンシャルがある選手が揃っているので、多少の勝点を支払ってでも継続するのは必要だろう。

だが、創意工夫を前提としたチーム状態になっているというのは否めない事実。
・ディフェンスラインからのボール供給が安定しないから、個人の頑張りに頼るシーンが多い。
・結局やってるのは戦術マルシーニョ
・宮代がかなり辛そうな使われ方
・新人を出すには厳しいシチュエーションが多い
といったように、個々の能力の高さでなんとか成立させてる部分も目立つので、早いとこチームとしての組織的な攻撃や頑張りではなくロジックでの得点シーンを増やして行きたい。
先程マルシーニョの話でも書いたように、そういったチームの武器が個人の武器をより強化してくれる。そんな相乗効果が欲しいところ。

次はルヴァン、その次は新潟


今シーズンの懸念点の1つである過密日程第1弾が早くもやって来る。
中3日で行われるルヴァンGSアウェイ清水戦、そこから中2日でアウェイ新潟戦。
ジェジエウの怪我の具合次第な部分ではあるが、そもそも車屋を欠いた状態でこの連戦は素でキツい。

清水はそこまで脅威的な相手ではないかもしれないが、だからといって手抜きして勝てるような相手でもないし、そもそも抜ける手がほぼ無い。

新潟は昇格組ながらも大善戦していると言って良いクラブで、特に攻撃力に関しては間違いない強さがある。
今のフロンターレに殴り合いをする力強さは無いし、ゴール前に迫力を持ってくる相手に対しては不安だ。

楽な相手、楽な試合なんて存在しない。
マリノス筆頭に上位陣が逃げて行ってしまわないように、苦しい中でも勝点を積んでいく必要がある。

新潟戦で勝てば勝点7、セレッソにも勝てば勝点10。
これでやってやっと平均勝点は2に乗る。片方でも引き分ければ8なので平均1.6。
優勝を目指すならそういう結果を出さないといけないと理解した上で見てみてほしい。
批判しろというわけではなく、何がどれだけ足りないのかを認識してほしい、足りないものに気付けば補うための行動に移れる。
そういった積み上げをやっていく段階です、シーズンは始まったばかりなのだから。

お気持ちよろしくです。