ルヴァン初優勝はどちらに?川崎vs札幌
ついに決戦の時が近づいてきた。
私はこのわくわくを感じるのは初めてではないどころか、天皇杯とか含めればもう慣れてきたくらいのもの。むしろこれまでの悲惨な戦績を現地で見た記憶もあって、わくわくというよりナイーブに近い感じ。
戦術的にどういった試合が予想されるのか
フロンターレから見て何が注意しないといけない点で
勝つにはなにをするべきか
そういった戦術以外のジンクスとかも含めて幅広く話そうと思います。
まずは予想スタメン
確定情報は一切ない
フロンターレでいえばあべちゃんやノボリなど、怪我人の復帰の情報が双方共に出ている
といった理由から、完全にスタメンを予想するのは今の時点では現場の人間ぐらいしか不可能かと。ということで、とりあえずはサッカーキングの出している予想スタメンを参考にしてみようと思います。
サッカーキングの出していた予想スタメンはこちら↑
コンサドーレは又聞きレベルの噂だけど、ジェイとチャナティップが復帰ということも聞こえているが、チャナティップは肉離れが4日なので復帰は不思議ではないし、ジェイも痛いというだけであれば1週間で戻ってくるのもうなずける。
コンディション的にも急遽出場というわけではないどころか、時間をかけて合わせてきたとすれば、いい動きをする可能性は高いでしょう。
荒野も全体練習に合流した報道があったので、ほぼ万全なスタメンが組めるといっていいでしょうし、この予想スタメンもベストと言っていいでしょう。考えられるのは怪我開けの選手が試合勘やコンディショニングの部分くらい。
フロンターレはLSHのタツヤと1トップの小林が画像通りになるか不透明な部分あり。ダミアンを推す声もあるし(私も含め)あべちゃんの方が経験値的にもいいかもという意見もうなずけます。この2点は開けてみてのお楽しみな部分もあるけれど、実際前のセットはこのメンツを監督は好んでるようだし、こうなることも予想されます。
RSBはノボリより守田の方がまだ安定感があるので納得。トップ下に脇坂を入れてほしいとか要望はあるけれど、まぁまぁ納得な11人でしょう。
苦手な3バック
まずフロンターレ側から見て嫌だなぁって思うのは3バックです。
今期3バックを採用するチームとの戦績は「よろしくない」と言わざるをえず、セレッソ、ガンバ、ヴィッセル、サンフレッチェといった面々にことごとく星を落としています。
コンサドーレの監督であるミシャは元々攻撃的でダイナミックなサッカーを目指す監督で、フォーメーションに幅を持たせるのが特徴であると同時に、最も彼らしいフォーメーションは3-6-1で両サイドが大きく動くサッカー。
ミシャの対フロンターレの戦績こそ悪いものの、今期のフロンターレとのサッカーの相性という意味ではむしろミシャに分がありと見ていいでしょう。
3バックが苦手な理由
これはいくつか考えられるのですが、やはり1番大きな痛手は「前から仕掛ける守備」がはまらないことでしょう。
前からの守備はリーグ2連覇の大きな要因の一つで、もちろん相手の後ろからつなぐオフェンスを潰すことにも大きな意義がありましたが、切り替えの部分こそが強みでした。
パスサッカーで敵陣に前がかり気味に押し入る→パスミスがあってもカウンターをさせない→上手く前からはまれば「カウンターのカウンター」
という流れで、失点を減らす以上に得点を増やす意味が大きかったです。
ここまで書いたことは「苦手な理由」というより「苦手になった結果」に近いので、更に理由に話を寄せていきましょう。
3バックに前からのプレスがはまらない理由
まず第一に考えられるのは
FWのプレスがしっかりかからない
ということでしょう
昨今の後ろからの組み立てにはGKも参加するのが普通になってきたため、3バックのパス回しも実質4人でのパス回しになります。
フロンターレは4-2-3-1の形が基本ですが、守備時に前から行く時にはトップ下が上がって4-4-2の形をとります。この4-4-2はオードソックスな4-2-2-2と言われる物で、全体にバランスが良い反面、特化した相手に対しては脆い一面もあります。
対する3バックはディフェンスを一枚減らすという弱点を作る分、中盤や前線にその一枚を回せるという特徴も強い陣形です。
旧式の考えからすれば、3バックに対して2トップでプレスをかけて、SHの所で絡め取るというのは前からのプレスのセオリーでしたが、自陣で回してる場面に限り、GKを低いリスクで参加させられるのが普通の考えになってきたせいで、前からのプレスの効果が高めにくくなりました。
前からのプレスがかかりにくくなったのに、中盤などはパワーバランスが相手寄りになりやすいため、変に前に行けばパス1本でピンチにされ、行くのを躊躇しているとプランが狂う。
という流れです。
じゃあ前から行かずにある程度引きつけてからにすればいい。
というのはフロンターレにはちょっと難しい話で。それは次に話しましょう。守備の全体像や攻撃への切り替えという意味でもつながる話ですので。
前から行けないとなぜ辛いのか
フロンターレの前からのプレスが効きにくくなった理由は、相手が前から来ることをこの2年で完全に理解して逆手に取るようになってきたなどの理由もありますが、それ以上に、フロンターレが前からいけないと苦しい理由がたくさんあります。
まずは箇条書きします。
・パスサッカーに付き物の「カウンターへの対策」の頼みの綱だったのが効かなくなった
・フロンターレは引いて受ける守備は脆い
・ボールの再回収までが時間がかかるため、リズムが作れず先制点を奪われるとかなり苦しい
・自陣から崩し切るための技術やアイデアやエウシーニョが無くなってしまった
といったところです。
既にめちゃくちゃ長い文章になってるので、簡単に説明します。
とにかくフロンターレのセットした守備というのは固くないどころか脆いくらいなので、昨年まではそこに持ち込まれる前に奪い返して難を逃れていた部分が多く、それができなくなり失点が増えました。
失点もそうですが、自分達がリズムよくボールを動かせる時間や流れが90分の中で減ってしまい、流れを持ち込みにくくなり、低い位置からの攻撃の精度も下がった今、攻めがうまく行かずにカウンターを受ける頻度まで高くなってしまっています。
いい守備からいい攻撃、いい攻撃ができるからいい守備もできる。
この流れが作れないというのがフロンターレの今季の不調の原因です。
悪いなりにタイトルを取るにはセットプレー
よく言われる「鹿島る」という表現にもあるように、苦しい状況でもカップ戦を取るならまずセットプレーです。身体を張ってゴールは守り、コーナーやフリーキックから1本取って守り切る。
実は私は、フロンターレに一番現実的に勝利をもたらしそうなのはセットプレーだと思っています。
しかし、それは相手も同じ事で。高さや強さの面ではジェイ筆頭に相手が格上。しかもこちらはジェジエウを欠いてるのでなおさら厳しい。
セットプレーのパワーバランスという意味でもフロンターレには不利な状況ですが、これまで1点も取れたことのない舞台で、いきなりフロンターレらしい点を取って勝つというのも高望みしすぎな気もするので、こぼれ球をプッシュのような泥臭い形でもなんでもいいので、来たチャンスをものにしてほしいところです。
コンサドーレは優秀なキッカーとターゲットが居るので、確実に練習も重ねて狙ってくるでしょう。こういう言い方はあまり好きではありませんが「気合で守れ!」というくらい、なにがなんでも守りましょう。
先制点を取られればほぼ終わり
これ以上ネガティブな事を言いまくるのもなんですが、フロンターレは先制点を奪われたら8割りぐらいの率で負けると予想しています。
それはこれまでの経歴もそうですし、相手はカウンターに秀でたチームです。神戸戦の体たらくからして、前がかりになって逆転できるとは思えません。
勝つためには点を取らないといけないのはもちろんですが、先に取ることは相手以上に重要な意味を持っていると思います。
もし取れれば、万が一負けてしまったとしても、フロンターレはやっと5度目にして1歩歩みを進めれたという大きな大きな財産を得ることになります。
その1歩でそのままタイトルまで進めれれば最高ですが、どんな歩幅であれ、フロンターレには今回こそ1歩踏み出してもらいたいです。
そのためにも、出鼻をくじかれるような失点だけは絶対に避けないといけません。
新たな歴史を
フロンターレの歴史の中で、ここ2年は最も輝き発展した年でした。その歴史をまた次につなげるためにも今季無冠は避けたいところ。
3つ目の星が新しいフロンターレの歴史の第一歩になり、カップ戦に弱いフロンターレというレッテルを剥がすことができれば、もっともっと高みに行けると思います。
たかが1つのタイトル、1つの勝利ではなく、未来の明暗を分けかねない試合ですから、プレッシャーに感じるのは当然です。しかし、そこを踏み出した者だけが手にできるのがあの銀に輝くカップです。
サポが声と雰囲気でほんの少しでも後押しして、カップ手が届くように祈りましょう!
お気持ちよろしくです。