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J2はまだまだ続くよ

激動の最終節

こういった表現が、ひねりは無いけどぴったりな一日だったなって思います。そんな2019年J2最終節について、フルタイム生で見ていた福岡‐鹿児島を中心に振り返って行こうと思います。


昇格争いや神奈川の横浜FCもありながら、なぜその試合を見てたかってのは、ツイッターの方を見ていただけばすぐ分かるかと…



歴史的な一日となった2019/11/24

さて、まずはJリーグ公式サイトの試合結果をどうぞ。

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それから、この結果を踏まえたJ2の最終順位はこちら

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13-1とか栃木の大逆転残留とか、語るネタはいくらでもありますが、記録にも記憶にも残る試合がいくつかありましたね。

カズの出場&昇格決定とかは、古参のサポほど涙なしには語れないものですし、引退する選手や退任が決定している監督など、お別れの瞬間という意味でも印象的な試合は多かったです。


とりあえず、的を絞って話していきましょう。笑



21位転落…でもまだ終わりじゃない


私の応援していたJ2チームは二つ。FC岐阜と鹿児島ユナイテッドFCはドンケツで揃ってゴールとなってしまいました。

FC岐阜は早い段階から確定してしまっていましたが、鹿児島はまだJ3の藤枝の結果次第で残留の可能性があります。完全な他力本願という形ですが、この文章のタイトルの通り、まだまだ可能性は続いています。

ただし、私は一時期群馬県民だったので、ザスパの昇格も心のどこかで願っているのも事実。北九州が昇格確定してしまった今、鹿児島かザスパのどちらかは切らないといけないという昇降格の闇にどっぷり状態です。


福岡‐鹿児島の試合はフルタイムで見たのでざっくりと書きます



福岡‐鹿児島 2‐1


鹿児島からすれば残留をかけた九州ダービー、福岡は監督の最終試合&先輩の意地という、下位争いとは思えない熱い背景の試合でした。


試合開始前の状況では

・鹿児島は引き分け以上で地力残留

・栃木が引き分け以下でも鹿児島残留

・福岡も鹿児島も勝った方が上の順位に

・福岡は残留が確定済

という条件だったので、鹿児島としては0‐0でも万々歳という試合でした。


試合が始まって最初に攻勢に出たのは福岡の方で、これは大方の予想通りでしょう。鹿児島は無理に攻めてリスクを取るより0‐0の時間帯を伸ばす方が現実的ですし、福岡はホームの雰囲気もありました。しかし、これは結果的には城後の先制点で計算がずれてしまい、結果論では失敗策になってしまいました。


確かに失点シーンを振り返って見れば、攻め込んでスローインをかっさらわれた流れからのカウンター。ここで0‐0を狙っていたのであればスローインはリスキーなものではなく、もっと近い位置で受けたものにしていたかもしれませんし、カウンターへのリスク管理という部分でもう少し対応はできたかもしれません。

無理に攻め急ぐリスクを考えながら進めていたであろう試合で、あの時間帯にあの失点というのは厳しいものでした。そこのチーム全体の意思統一などは、来年以降の伸びしろにしたら成長につながると思います。


失点したのは痛かったですが、前半40分に追い付けたのは最高の流れと言っていいでしょう。形はどうであれ前半の終了付近で追いつけば、後半にいい流れができるのはサッカーの常識ですし、実際に後半は鹿児島が押しながら試合が始まっていきます。

しかし、そこは流石のアビスパと言うべきか、鹿児島が攻めに比重をかけ始めると同時に、今度はカウンターでのリスクが高まっていき、鹿児島はだんだんとオープンな試合展開になって行ってしまいました。


考えてみれば、鹿児島は0‐1から1‐1に戻せたのですから、無理に2‐1にする必要が無いという背景もふまえて、そこまで攻めに転じる必要はあったのかどうか。という疑問は浮かんできます。

ウォン ドゥジェが前半早々に負傷交代をして、その流れの内に攻め込んで1点を目指してたところから失点した最初の失点はまだしも、交代枠でアドバンテージがある中、相手の得意なオープンな展開に持ち込んで殴り合おうという選択は正しかったのか。

むしろ流れが我が方にあるのなら、しっかりボールをつないで、左右に振って相手を疲弊させて、交代枠のアドバンテージを最大限にいかすという方法もあったように思えます。

後半開始と共に實藤を輪湖に代えているので、後半の試合中に切れるカードは1枚のみと考えれば、揺さぶっておけば最後の逃げ切りのカード(初瀬→木戸)を切られずに済んだとも考えられます。


といったように、0‐0や1‐1でも大丈夫という状況の難しさを痛感した試合となってしまいましたが、結果は2‐1での敗北。失点した時間帯もさることながら、最後のパワープレーもそこまで脅威になりきれず、経験の差をまざまざと見せられたような後半になったという印象です。

今期の試合はこれで終了ですが、来期どのカテゴリーで戦うにしても、今回の経験をいかすべきシーンは必ずやってくると思います。追い付いた力もそうですし、試合のコントロールという意味でも、大きな進歩の種として持ち帰れたらいいんじゃないかなと思います。


鹿児島で気になった選手は韓 勇太

ルーキーで11得点、しかもあのPKの肝の据わり具合は大物の予感。

他のチームからの興味も集めていてもおかしくないでしょうし、鹿児島としては何としてもキープしたい選手の一人でしょう。ルーキーらしい勢いもあった半面、拙さも見られましたが、あのメンタルを持ったまま成長すれば必ず大物になれるはずです。


追記

鹿児島ユナイテッドFCの論評は監督や選手の試合後のコメント、試合前のインタビューや意気込みなどは一切頭に入れずに書きました。

先ほど公式サイトとJリーグのページにあがっていた選手と監督のコメントを読んだので、それを踏まえて追記をします。


引き分け狙いではなく勝ちに行っていた

このキーワードは何度も出てきていました。

実際に押し込まれた前半に耐え切れずに失点したように、90分受けきって引き分けということは難しかったんだと思います。それを感じた現場が、じゃあ勝ちに行こうということで準備をした。それはわからなくない判断ですが、コメントにもあるように、そういった中での先制点献上は大きなダメージでした。

この文章でも書いたとおり、攻め入ってからのカウンターでの失点というのは、一番最悪なパターンと言っていいでしょう。

監督の昨年率いてた琉球のスタイル同様、攻めるのが信条なのでしょうけれど、やはり今期のカテゴリーではそう上手くはいかなかったわけですから、プランニングと現実の差が出てしまったのかなという印象です。


勝ちに行くという姿勢は間違ってはいませんでしたが、それを貫けなかった。貫けなければ引き分け狙いに変更するという柔軟性もなかった。これはチームの実力と言わざるをえません。

それでも何とか勝ち点が拾得れれば来期にそのままこの経験をいかせたのですが、今回は幸いなことにまだ可能性が残ってますので、来期にJ2でこの経験や悔しさをぶつけられるよう、願うしかありませんね。


補強でどうにかできるほどの資金も無いわけですから、来期に残るメンバーが、この経験をどれだけ伝えて残していけるかが一番のポイントだと思います。



昇格争い


自動昇格は確定していた柏に加えて連勝でフィニッシュした横浜FCが勝ち取る形に。

先月頃に私は横浜か大宮のどっちかかなと言ってみたり、得失点差的に安定感は横浜が上手とか言ってたので、無理くり言えば予想通りでした。笑


京都は盛大に吹き飛んで山形の負けと大宮の引き分けに対して、徳島、甲府、水戸は全て無失点での勝利というこの明暗がはっきり分かれた感じは印象的です。

しかし、PO圏内の複数のチームが負けるか、得失点差勝負で勝つしかなかった水戸は、得失点差まで山形に並んでの7位フィニッシュと、とても悔しい結果になりました。


自動昇格圏、PO圏、残留争い、全てが最後の瞬間まで熱かった「魔界J2」の真骨頂のような最終節でした。


この結果により、昇格POの組み合わせは12/1に

大宮‐山形・徳島‐甲府 ホームは大宮&徳島

で開催が決定しました。

勝った方同士が翌週12/8に対戦し、それに勝利したチームが12/14にJ1の16位のチームと対戦することになります。


J1の16位になる候補として濃厚なのは湘南と松本と磐田。どれもJ2のチームにはなじみのあるチームですが、それと同時に強さもよく知っている相手。楽な戦いではないどころか、昨年のヴェルディ同様、歯が立たずに惨敗ということも予想されます。幸い、最終戦からの準備期間の差は1日だけですので、周到に準備をしてきた方が有利という展開はまず発生しないでしょう。



来期のJ2


J2から降格するチーム数そのものが決まっていない&J1の降格組が1つも決まってないという状況ですので、あまり大きなことは言えませんが、来期もかなり接戦なリーグになることは間違いないでしょう。

J3から上がってくる北九州も、琉球ほどではないけれど期待感が持てる強さのあるチームですし、磐田、松本、湘南どこが落ちてきても、完全な独走というのは考えにくく、柏ほど荒らしまわって出て行くということもおそらく無いでしょう。


来季に向けて監督人事で動きだしている情報が出てるチームはジェフ、町田、福岡

社長交代が決定してる長崎

など動きがあるチームも多いですが、新潟のレオナルドや長崎の呉屋など個人昇格するであろう選手も何人か居ますね。逆にその分J1からの個人降格も居ますので、大きくJ2が戦力ダウンするとは一切思っていません。

ただし、呉屋とレオナルドまで含めれば昇格チームに在籍してるのが上位7人中5人ですので、新しい得点王候補にはチャンスが巡ってきやすい環境と言えるでしょう。


今期はヴェルディ、ジェフ、アビスパといったJ2の上位を占めて他チームが軒並み二桁順位、近年落ちて来たばかりの甲府や新潟なども苦しんだように、元々力のあるチームの不調も目立ちました。

そういったチームの復権や、今年の京都や岡山のように躍進のチームなど、様々なチームが上に行く力を秘めているリーグですので、混戦は元より、どこが上に行きどこが落ちるか全く予想できないです。

来期もJ2は魔界

これだけははっきりと言えるでしょう。笑

お気持ちよろしくです。