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ガンバ戦レビュー

まずガンバ戦の文章を書き始めるにあたって、脳震盪及び骨折の怪我と診断されたガンバの倉田選手の、後遺症など無い回復を祈ると同時に、その他の怪我や違和感を覚えた選手の無事を祈りたいと思います。


怪我、谷口の対応、逆転から追い付かれ

などなど書くことには事欠かないいかにも「フロンターレvsガンバ」といったような試合でしたが、必要だったのは勝ち点3。不要だったのはルヴァン決勝前の負傷。欲しい物は手に入らず、要らないものはたくさん出てしまった。そんな試合をやや辛口にレビューします。



1.三連覇はもうあきらめる時期かと



フロンターレは一時は優勝争いの真ん中に立ちそうな時期こそあれど、今節の引き分けの結果、6位に後退し鹿島の引き分けとお付き合いしてしまう形になってしまいました。

せっかくの勝ち点差を詰めるチャンスを潰したどころか、対抗馬であるFC東京とマリノスは勝利し、結果的には一番下に居るのに後れを取ったという形に。気付けばセレッソとサンフレッチェにも抜かされ、目下優勝どころかACL争いですら追う立場に。10試合で2勝4分4敗勝ち点10は、松本山雅などの残留争いのチームにすら劣りかねないペース。このペースで1年やったら間違いなく残留争いに入るペースで、優勝なんて口にするのはお門違いもいい所です。

実際にここ10試合の勝ち点獲得量では、鳥栖15松本山雅12清水13と、残留争いのチームの約半数を下回るペース。今ACL圏付近に居るから甘いことが言えるだけで、下に居た場合は確実に焦っていたでしょう。


まずは大きな目標を掲げる前に1つ勝ち、その勝ちを最低でも3つは連続しないと、口だけは達者なトーシローと言われてしまいます。



2.毎度の失点、しかも先制点


フロンターレは序盤から調子は良くなく、一時的に上り調子になったこともありますが、そういったシーズンでも今の位置に入れる理由は今期ははっきりしています。

大崩れしない守備

これがあるおかげで、1得点でも勝てる、3失点とかしないから負けない。ということの繰り返しで地道に勝ち点を積んできたのですが、8/4のスコアレスドローに終わった松本山雅戦以降の公式戦15試合、無失点はたったの4試合。ほぼ4試合中3試合は失点するペースで、それまでのゼロックス含めた28試合中12試合で無失点率42%から比べて半分近くまで低下しています。

しかも複数失点は半分近い7と、いかに失点が増えたかがわかります。

先制点を渡した回数も7なので、半分の試合は失点してからの展開になっていることも大きな問題でしょう。


鬼木監督のサッカーについては何度か文章を書いてますが、守備がベースどころか守備で勝って勝ち点を積むのが鬼木サッカーだと断言していましたが、実際にその守備が崩壊し始めてから成績も崩壊しました。

この守備が立て直せないのであれば、鬼木監督はタイトルを狙える監督とは言えないでしょうし、来期も大きな不安が残ります。



3.ルヴァン決勝前に負傷交代多数


試合から時間がたち公式の発表を見たところ、一番心配であったノボリも大事には至らず、その他足の怪我と思われていた選手達も大丈夫とのこと。それで一安心と思いきや練習試合で小林が足首の負傷。いつになったらケガに悩まされ寧チームになる事やら?

しかし、小林にはきついことを言うことになってしまいますが、小林が居ないという前提条件が発生すれば、必然とダミアンが先発になる率が高まるので、ある意味鬼木監督もダミアンもプラスに作用するかもしれないという面もあります。


ガンバ戦で不調や負傷が多くなってしまったことそのものもいい事ではありませんが、やはりルヴァンとリーグの日程的にもこういったハードな試合展開に持って行ってしまったことは大きなミスだと思います。大事に至らなかったからよかったものの、これでノボリ長期離脱や山村2週間といったようなことがあれば、そもそも先発の11人を組むことすら困難になってしまいます。

決勝進出が決まった時点で、コンディションのピークをそこに合わせるとか、なんならガンバ戦はターンオーバーでがっつり連携面まで詰めにかかるぐらいの意気込みがあっても良かったのではないかと思います。ルヴァンも優勝できれば終わり良ければ総て良しで済ませられますが、無策でかかって終わり良ければというスタイルで決勝に行くチーム戦略を評価しろというのは、流石に暴論でしょう。



4.10試合で勝ち点10


1で書いた三連覇はもうあきらめる時期かとと内容は似ていますが、3までの内容を踏まえたうえで書きます。


まずガンバ戦での消耗戦が発生したこと、優勝を現実的に捨てる時期が来たこと、これら全ては10試合でたったの勝ち点10しか積めなかったチームの成績が原因です。


ここから全勝すれば勝ち点は63になり、下の表のとおり05年からの14年間で3回発生したケースに相当することができます。

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しかし、鹿島とFC東京が残り5試合で勝ち点7を積めば63に到達すること、その1差にマリノスも居ることから、これら3チームの内どれか1つでも3勝された時点で逆転優勝は不可能になります。

こちらは全勝の条件で、相手は2勝2分でもOKというわけですから、いかにこちらが不利かがわかりますし、その条件で3チームを追うのですから、一昨年や昨年の逆転劇とはけた違いに難易度が高いです。難易度の問題以前に不可能と言っていいほどでしょう。


逆転に向けた前提条件である「残り全勝」というのは今に始まった話ではなくて、過去の自分のツイートを検索してみたら、8月末に既にこんな記述が。

9月入った時点でこちらが全勝しても相手の結果次第という状況を私は認識していたのですが、9月1日のセレッソからガンバ戦までの5試合での戦績は2勝2分1敗と勝ち点は7しか積めていません。

全勝しないと優勝はキツイと言い始めてからすでに一月半、半分も勝ててないチームに、今から全勝すればというのは尻に火が付いたと感じるのが遅すぎる。


ここまで状況が切迫、もしくは崖から落ちた状況になったこと、それでもリーグを捨てきらない姿勢を持ってしまったこと。これらがガンバ戦の死闘が発生してしまった原因と言っていいでしょう。

こういった体たらくがルヴァンにまで影響しそうな今、嘆いてももう遅いのですが、少なくとも来期以降の戦いの中でいかせるように、チームにはしっかりと学んでもらいたいところです。



とにかくルヴァンよ


今期はネガティブなことばかりの1年でしたが、ルヴァンは決勝に進出できたのですから、ここはあれこれ言うよりもまず取ってしまうべきでしょう。

終わり良ければ総て良しというのはあまり好きな言葉ではありませんが、終わりまで悪いのと比べれば雲泥の差です。

こんな年でも胸の星は増えた

というのは鹿島の伝統的な強さの理由でもあるので、それに近づけるように、ルヴァンは必勝でいきましょう。



あとがき


ガンバ戦に関しては失点の形、ダミアンの大活躍、倉田の負傷シーンとその後の谷口の対応など、まだまだ書きたいことはありますが、とりあえず今回はリーグとルヴァンの関係性のみに狙いをつけて書くことで終わりたいと思います。

ツイッターの方では谷口の件にも意見発信しているので、そちらも見ていただけたらと思います。

お気持ちよろしくです。