幸先良き連勝スタート

ついにフロンターレの2024シーズンが始まった。
ACLはリアタイ、スーパーカップは仕事中だったため文章情報のみ
という活魚だが、この2試合を振り返って今後の展望なんかも考えてみよう。

辛い試合を勝ち切ったACL


ACL山東戦は今シーズンのいいベンチマークになる試合だったと感じる。

めちゃくちゃ悪い入りをソンリョンでしのぎ切る

相手が落ち着いた時間に反撃してブラジル人の力で取りきる

敵の猛攻で失点

美しいカウンターで突き放す

しかし猛攻は止まず再度失点

なんとか逃げ切っての勝利

という一連の流れ、全てがそうとは言い切れないが、良い点も悪い点も今シーズン再現性をもって再発する可能性は高い。
良い部分を継続するための作業、悪い部分を最低でも失点につなげないようにする作業、この2つを時間と共に上積みしていくことでタイトルが近づいてくる。
これから先、これらのポイントを見ていきながら評価していく形になると思う。

ソンリョンの偉大さよ


ACLのMOMは個人的には脳内満場一致でソンリョン。
安心感と結果が違う。

アジアカップで不安定なザイオンを見た後なので、確実にゴールの外に弾くというシンプルな行為ができる安心感は絶大だった。
しかしそのソンリョンですらパンチングで危ういシーンがあった記憶があることから、ザイオンに求めてたレベルの高さを後から知る事にもなったので、私的にも本当にまだまだ学ばせていただく事の多い選手だなと改めて感じた。

しかしそのソンリョンをもってしても2失点。どちらもGKはノーチャンスといった形だったので、ソンリョンがいくら凄くてもフィールドプレイヤーが頑張らないと失点はする。その再認識もできた。

ゴール前での悪い失い方(不運含む)から失点
ボールホルダーへの寄せの甘さからのクロス攻勢で失点

これらは100%は絶対無理だが、50%くらいなら努力と仕組みで防ぐことができる人災の部類。
ソンリョンの所で70%カットしてくれるんだから、その手前で50%カットすれば初期の15%まで失点は減らせる。
そうやって多重層で失点を減らしていくためにも、今回の2失点はしっかり次につなげていく必要がある。

珍しいと言ったら失礼だがカウンター得点


2-1になってから3-1にできたのは本当に勝負を決定付けるポイントだった。
しかも理想的すぎるあのカウンター。
ソンリョンのキック、山田の競り勝ち、家長のターボダッシュと上手さの詰まったシュート
必要な事項が全て線でそろっての1点。
技術的にはめちゃくちゃ難易度高いけど、構成要素としては3点なので変にパスを10回20回回して崩し切るより練習も再現性も簡単なので、ぜひあの形を武器の1つとして持っておきたい。

もちろんあんなのがポンポン決まったら楽ゲーなので、せいぜい年に3点も入れば上出来なので数字はそこまで求めない。
大事なのはああいう形があると相手に認識させること、攻勢の後ろ髪を引き単なる距離出しのキックを敵に脅威と認識させる。一石三鳥と言っていい行為なので、点に結びつかなくても定期的にこれができるだけで一気に失点が減る。

スーパーカップ含めて新人選手の感触は上々


まんまブラジリアンストライカー
といった表現がぴったりなエリソン、彼の爆発は今シーズンのチームの浮沈を左右するキーワードと言って間違いない。
シュートを両足で枠内に強く飛ばせるCFが居れば、サイドでマルシーニョに寄せれるリソースを削れる意味でも大きい。

際さんは幸運も味方にして得点と無失点に成功、今時DF登録の選手だからって点数取れないと見劣りする時代。いきなり結果が出たのはすごく本人にとってもプラスだと思うので、継続していってほしいところ。

丸山は安定感というか信頼感は既にある。高さ強さが不足して押し込まれやすいこのチームに、純然たるCBとして彼の活躍は必須。
単純にCBとしての役目をこなし続けてくれれば、底の部分の不安のあった前任者から比較してプラスになる。

ヒカルドはけっこう面白そうな存在。
ポジション的に相手の対策とこちらの手札で大きく環境が変わる所なので、他の選手よりも多くのサンプルがないと評価しにくいので注視し続ける必要はあるが、ヴィッセル相手にこのSNS上の評判なら、おそらく外れではないだろう。

ヴェロンは獲得時から言われてた通り将来枠。
この年齢で年間通して結果を出すのはまず稀なので、いいプレーが出せてもすぐに対策される。今後ぶつかる壁の数々を乗り越えていく姿を見守ろう。
乗り越える毎にどんどん強くなっていく。それが将来枠だ。

山本の評価は個人的に微妙。
確かに実力は高そうだが、今J1全クラブで最も熾烈なポジション争いと言っていいフロンターレの中盤で使い続けるにはまだインパクトが足りない。
今後過密日程で必ず出番はまとまった時間来るので、その中で独自性と強みを見せてもらえると期待している。
目標としては大島不在が全く問題にならなくなること、それだけ高レベルな要求故の「微妙」という言葉遣いだ。

田邊はまだまだプレーが軽い
ACLは入って早々のイエローとミスの連続、スーパーカップでも15分でイエローなので、正直存在そのものがゲーム崩壊の危険性と言っていい結果になっている。
これから先試合感含めてそこはブラッシュアップしていく必要がある。

山内もヴェロン同様今後の壁を乗り越えられるか次第枠。
大卒なので求めることは10代と比べるとどうしても多く重くなるけど、谷口もポカしまくってるし大島も時間がかかった。
だから確実に苦しい時期が来るけどしっかり見守っていこう。そう思わせる期待感は十分にある。

三浦はまずJ1の強度にどこまで耐えられるかはまだ未知数。
SBなので求めるレベルは高いし、攻守どちらも必須項目。
メンバーの薄さ的に酷使される可能性が新加入組内でも高いので、本来の実力に遠く及ばないコンディションでの仕事が肝になると考えると、まだまだ要観察といったところ。

鬼木監督のターンオーバーへの覚悟


かなり厳しいなと思った選手は田邊以外居ないのでまずまずな滑り出し。
全体的に若い面々なのでいきなりスタメン固定というより、ベンチに入って試合のアクセントに使いつつターンオーバー時にはまず試合を0-0で推移させる仕事がメインになるかと。
際さんと丸山はスタメン計算に入るかどうかで考える枠だけど、なにせ日程が厳しいのでとにかく怪我せず大崩れせずローテーションを守るのが大前提。

今シーズン、新加入選手だろうと若手だろうとある駒は全部使う覚悟が必要。それを鬼木監督はスーパーカップで示して選手は結果で答えた。
この流れを最後まで続けないと迷った時点で星が減る。
もちろん一番大事なのはこれまでの固定思考を脱皮する鬼木監督の所だが、選手も練習から使いたいと思わせるアピールと、試合でしっかりした姿を見せる事が必須。

何度も書くが「大活躍してのアピール」は必要ない。とにかく試合を壊さずに推移させてスタメン確約メンバーの戦闘力で試合を決めて逃げ切る。
この流れを維持するのがベンチメンバーの主な役目だ。主力が怪我したらそうも言ってられないが、やることの流れは同じ。
壊さなければ次回も懸念無く使える、壊してしまったら厳しい目で見られるところから再スタート。
前者であることを最低限維持し続けて、鬼木監督が使いやすい駒であり続けること。
この意識を全選手が維持できれば、これまでと違った成長した鬼木フロンターレが見続けられると思う。

お気持ちよろしくです。