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気持ちなしに勝つことは出来ない

ついこのあいだ行われたフロンターレvsグランパスの2連戦、気持ちの部分でグランパスが足りない部分や自滅した部分が大きかったという文章を書いた。

そして約1週間たってフロンターレは降格圏に沈むベガルタとの試合で、まぁここ数年でもワースト級の勝ち点の落とし方をした。

実は前半の時点で緩さについては指摘していたのだが、試合通してゆるゆるのまま行ってしまいあのような結果に。そして試合後に明かされるチームの疲労感や重さといった情報と、それでもやってくれなきゃ困ると怒り苦言を呈す監督や選手。

グランパスに勝ったのは気持ちの部分、ベガルタに勝てなかったのも気持ちの部分

という気持ちのところを話していこうかなと思う。


舐められてると感じていたであろう手倉森監督


手倉森監督は歯に衣着せぬフランクな人で、冗談交じりの話にも定評があるが、DAZNで放送された彼の試合前と試合後のインタビューではいくつか印象深い点がある。

まず開始前の最後の部分

「どこまで食い下がれるかという試合だと思います」

もちろん順位を見れば一目瞭然なのだが、この試合の構図はフロンターレに挑む会のベガルタ。連戦の影響もあって選手のやりくりをしてのメンバー選考なので、よりその構図は複雑化しているため、これでやるしかないという気持ちが現れた発言だろう。

そして劇的な引き分けの後のインタビュー

まず開口一発

「立ち上がりの失点が入ったときに”食い下がるどころじゃねぇな”という思いにされて」

かなりリアルなぶっちゃけ話が来たが、その後フロンターレへの提言が来る。

「ただ追加点を取られなかったしフロンターレらしくないミスも多かった、いつもより遅いテンポについていくことが出来たし、なによりも追加の失点をせず僅差の戦いに持ち込めた。」

そして続きで

「誰が出てもなんとかしてやるぞという気持ちにいよいよなってきたと思う、登っていく気に本気になっていきたいなと思う。」


手倉森監督とすれば開始直後にやべぇなとなった、しかしフロンターレは追撃の手が緩いし、おかげで話されず2度追いつき勝ち点を奪えたと。ここでも気持ちの部分が強く強調された発言が出ている。

逆を言えばフロンターレに対して気持ちの部分で上回れたという感覚や、フロンターレから気持ちを感じなかったとも取れるだろう。


身体の重い試合だったが殻を破りに行ったのか


連戦続きでコンディションが悪いのはもう事前からわかりきっていることだが、相手も13連戦でやりくりしているので状況はおあいこ。むしろ選手層で言えば圧倒的にフロンターレ有利なのに、ホームでそれを言い訳にしたら今後悪いことがあっても全ていいわけで開き直れてしまうだろう。

久々の先発の知念、復帰して即結果を出した小林、この二人を筆頭に、この試合で自身の価値を証明する必要がある選手は何人も居た。それがターンオーバーの見所なはずだった。だが結果的にはなんだこれということに。

そしてベンチから投入された面々も、大したアクセントにならずに流れを相手に渡したまま。特にジェジエウは守備固めで投入されてこの結果。そういう意味では本来スタメンのメンツの貫禄も無かった。試合登録メンバー全員が本来のクオリティに程遠かったし、90分通して頑張る時間帯というのが見当たらなく、終始重いままだった。


先制点で勝った気になったのでは?


開始早々の先制点は、先制点を取ったら何年も負けなしで勝率も高いフロンターレにとって大好物の展開、今シーズンは一気に畳み掛けて前半で試合を終わらせることも何度もあったが、この試合は一気にトーンダウン。

押し切っていけばそのまま土俵の外に蹴落とせていた展開だったが、押し切らなかったせいで相手は勝負の場に残り続けることが出来てしまった。

まだ試合が終わっていないのに終わった気になってしまった、そして相手の反撃をくらい、もう一度攻勢に出て先行するも、悪い流れを断ち切れず負けに等しい試合に。

こういう試合の流れだったと感じる人は私のツイッターのTLにも相当多数居る。私も冒頭に載せたツイートで書いたようにのほほんとしていると感じているし、事故で勝ち点を落とす危機感を感じていた。その通りになってしまった。


王者のメンタルじゃないよねと


「王者のメンタル」これは抽象的な話なのでここで深堀はしないが、今回は間違いなく勘違いをしていた。

先制点を綺麗にとって「勝った気になっていた」「自分達は王者だと過信していた」と思う。確かに今のフロンターレは王者だ、王者のエンブレムと単独首位という紛れもない結果を手にしている。

だが1点取っただけで勝てると思ってしまった、相手をなめていた、自分達は失点もしないしもっと点が取れると思ってしまった。

これは王者のメンタルではなく、王者になったつもりのメンタルだ。

これが続くようでは、今回のような試合はまた見させられることになるだろう。


ブチ切れる鬼木監督が希望の光


皆さんは試合後の鬼木監督のインタビューを見てどう思ったか?

あの表情、本気でブチギレてる。目つきが完全に違う。口調もいつもの柔らかさがないし、イヤホンを外す姿にもイライラが感じ取れる。

あの監督なら今回の体たらくをビシッと引き締めてくれる。私は確信した。

疲れがあるのは仕方ない、だが疲れにかまける雰囲気とそこから頑張ろうって雰囲気は気持ち次第で差がつけられる。

今後は後ろからの追撃も厳しくなるし、ACLやカップ戦で日程に余裕どころかもっと辛さが増す。5月という早い段階でこうやって教訓を得れたのを前向きに活かしていかないといけない。その旗振りはブチ切れ鬼木監督。期待しています、信じています。

お気持ちよろしくです。