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サッカーはミスを精算するスポーツ 2019ルヴァンカップ決勝

ここまで到達するまで長かった…本当に長かった。

初めて決勝に進んでから10年以上、点を取ることすらできず全て負けてきたフロンターレが、初めて点が取れたと思ったら、一気に鬱憤を晴らすように3得点。それでも勝負がつかなくてもPKでの勝利。

120分+PK以上に長く感じた時間も含めて、本当に長く苦しい時を乗り越えてやっと手に入れたカップ戦のタイトル。


本当に嬉しいし感動したし、これまでの苦労なども報われた気持ちはあるけれど、私はこれで満足して終わりにする性格ではないです。

この喜びをまた味わうために

この喜びを次はもう少しスムーズに手に入れるために

この喜びの中で大きく成長するために

あえて嬉しい話や楽しい話ではなく、悪かった部分や改善しないといけない耳が痛い話をしようと思います。


かっこつけた言い方を自分でしてしまいますが

誰よりも早く(優勝翌日)に、誰よりも高いところ(タイトル量産)に目標を作るのが私のスタイルです。祝勝気分が曇ってしまってもいいという方は読み進めてください。


サッカーはミスを精算するスポーツ


タイトルに書いた言葉がこれほどピッタリな試合というのは、私も10年以上フロンターレを見つめてきて初めてだったように感じます。


3-3からのPKでの決着、主導権やリードをお互いに奪い合ったスペクタクルで目が離せない試合だった。

というのは第三者視点や興行目線での話であって、当事者である選手や監督などからすれば、あれ程の死闘に「なってしまった」というのが正直な感想でしょう。


私の曖昧な記憶だけでも決定機をミスで潰した回数は(ダミアン3、脇坂3、あべちゃん1、鈴木武蔵2、ルーカス1)ぐらいにはありましたし、失点のシーンやそれにつながったプレーやタイミングという部分では、お互いに残念な点が多数あります。


お互いに沢山ミスをして、それを劇的な得点でどうにか精算しあって延長までを戦ってPKまでもつれこみ、PKでも車屋のミスを新井が精算し、サドンデスの後攻というミスをしたら終了というタイミングでコンサドーレがミスをして決着がつきました。

すなわち

ミスを精算するスポーツらしくお互いが精算しあっての120分、しかし唯一精算不可能なタイミングでコンサドーレはミスが出て負けた。

というのが私がこの試合の勝敗がわかれた決定的なポイントと見ています。

もう少し深く言えば、どちらのチームもミスが1つでも相手より少なければ勝てた可能性は高いですし、ミスの精算が出来なかったとすれば負けてた可能性が高いです。

そうならなかった、ならせなかった、ならせれなかった

それは時間ごとに印象が違いますが、とにかく試合運びとしては両チームとも課題山積といった試合でした。


1点目 札幌1-0川崎


まずこの先制点はフロンターレからすれば悪夢の再来を予感させる致命的なものになりかねない大変危険なものでした。


流れとしては、相手の右サイドからの突破に車屋がギャンブルでプレスをかけて、綺麗に剥がされてからのクロス。一度は味方のクリアができたように見えましたが、飛距離は甘く回収したのは菅で、半分ラッキーな形とはいえミドルシュートがゴールイン。


これまで全ての試合で先制点を許して苦しんできたチームが、今回も先制を許したどころか、守備の対応としても疑問が残る形に。しかも最後は半分不運でした。

これはフロンターレの試合運びや守備の意識としてはミスと言わざるを得ないでしょう。



2点目 札幌1-1川崎


2点目はフロンターレのルヴァンカップ決勝初得点

サッカーはセオリー的に、前半での失点を前半のうちに追いつけると流れが良くなるもの。それを忠実に実行したという意味ではこの得点は1点以上に価値のあるものです。

もちろんフロンターレの決勝無得点の呪いを打ち砕くという意味では、あんたが大賞やMVPの候補になっても不思議ではない大きな大きな意味もあります。


この得点はコーナーキックからの流れで、キックの質もキーパーが飛び出れないいいものでしたが、一番外側にいたあべちゃんの元に綺麗に入り、胸トラップからキーパーの股を抜くシンプルに高技術の塊のゴール。

流れ的にあれを止めろというのは難しい話ですが、コーナーをファーサイドの選手に合わせられての失点は延長の3失点目とほぼ同じ形になるので、この1点がコンサドーレを再度苦しめることになったと結果的には言えるでしょう。

ある意味ではコンサドーレのミスとも言える得点シーンでした。



3点目 札幌1-2川崎


前半を良い形で締めくくったフロンターレが、後半開始直後から攻め立てる形に。


あまり効いてなかった前からのプレスがかかるようになり、エリア内で孤立したキーパーにプレスをかけるシーンや、ディフェンスの選手が蹴り出すしかなく、容易に回収してハーフコートゲームの時間を作ることができました。


このハーフコートゲームでの体力的な差が延長での劇的な同点弾の伏線になったかはいまいちですが、脇坂の決定機などここでフロンターレが試合を決めきることも不可能ではなかったように思えます。しかし決めたのは小林で、大島からのピンポイントの裏抜けパスをしっかりゴールに。ミス続きだったフロンターレが、小林と大島の力で精算に成功し初めて先行する形を得ることになりました。


このシーンのコンサドーレのディフェンスの対応は文句を言うべきでないでしょう。攻撃側の質が高すぎました。



4点目 札幌2-2川崎


私としては今日のフロンターレのミスの中で最も残念で、最も防がなければいけないものだったと思うのがこの失点シーン。


せっかく初めてリードを奪ったのに

あとワンプレーしのげば勝てたのに

安易なクリアではなく押し込んで家長でもよかったのに


もう、文句を言い出せばきりがないほどに不要なミスの連続でした。

試合の終わらせ方もそうですし、細かいプレー一つ一つが甘く、それを見逃さずにコンサドーレに1本で仕留められてしまった。

包み隠さず言いますが、こんなことを続けてるようでは今後のタイトルは厳しいどころか無理でしょう。間違いなく相手がガンバであれば負けたましたし、準決勝の鹿島戦もこういうことが無かったから勝てた。

優勝したから終わりよければ全てよしと考えてる人が居ても、このシーンのことだけは肝に銘じてほしいなと思います。



5点目 札幌3-2川崎


審判の下した判定は私は概ね理解したつもりです。

決定機の妨害、ボールにチャレンジできていないという2点は重い判定になるには十分ですし、むしろPKでなかったことを喜んだ気持ちもあったくらいです。

ただし、FKにはあの人が居たので嫌な予感はしてましたが、案の定そうなりました。

ここはチャナティップのスピードと技術を褒めるべきでしょうし、ワンプレー耐えて勝ってればフロンターレは苦しむことなく優勝してたわけですから、身から出た錆です。


もう少し手前でファウルしてれば、新井の反応的にもう少しは可能性があったかもしれませんが、退場を出した時点で致命傷には変わりないので考察するだけ無駄でしょう。



6点目 札幌3-3川崎


今日通算3度目のコーナーからの得点シーンですが、2点目の所で書いた通り、伏線は既にありました。


コーナーそのものの質としては、狙ったファーサイドにしっかりボールを送り、山村のシュートと上手く合わせた小林と、高い質が生んだ得点です。

小林をオフサイドにかけれなかったのはあの流れでは仕方ないし、キーパーもノーチャンス。

一度あった失点のパターンをもう一度再現してしまったという修正力では疑問がありますが、基本的に「高さでまさるコンサドーレが手前で跳ね返す」というやり方は間違ってないと思うので、まぁ仕方ないかなとも思います。


ここはコーナーになった流れも特に大きなミスは無かったので、フロンターレの底力の賜物ですが、欲を言えばコンサドーレは仕留める4点目が取れなかったのが痛かったのかなと思います。


PK戦


PK戦は外した3人以外は全員綺麗に丁寧に蹴っていて、キーパーが読んでても止めれないものもたくさんありました。


車屋は、あの唇を噛む表情からして私は嫌な予感はしました。確信はありませんでしたが。

しかしその後の新井の表情にはそのようなものは一切感じられないどころか、絶対止めるんだという覇気すら感じていましたし、コンサドーレの外した二人は見るからにプレッシャーを感じていました。特に最後の選手は、もう雰囲気にのみこまれきっていましたので、蹴る前と外した後の表情にあまり差が感じられなかったほどです。


PKは大久保やヤットなどのように上手い選手も居ますが、基本は技術よりもメンタルで自分に勝てるかどうかの勝負です。

最初に書いたように、サドンデスの後攻になった時点で「外したら負け」なわけですから、そこにもつれこんでしまったコンサドーレのチーム全体のミスの集大成があの1本だったと私は見ています。

車屋は新井が止めるか相手が枠外に蹴れば取り返すことができるタイミングのミス。それまでの6つの得点シーンや決定機のミスも、全て残り時間がある中でのミスだったので、全て回収することができましたが、最後のPKだけが「回収不可能なタイミング」だったわけです。



ミスを精算できなかったから勝敗がわかれた


重ね重ねになりますが、このタイトルを手にしたチームとそうでないチームの分かれ目は、ミスを「精算できるタイミングかそうでないタイミングだったか」の違いだと私は確信しています。


先にミスをしたのは失点したフロンターレですが、最後まで回収できるミスだけをして、最低限ではありますが回収を成功させ続けました。コンサドーレも相手のミスにつけ込み先制点を得たまでは完璧でしたが、フロンターレにお付き合いした形になり、2度先行するもののPKまでもつれてしまい、PKでも先行してからまたお付き合いした上で、お付き合いとかの無くなった最初の1本目で先にミスをしてしまった。


ここまで「ミスを精算する」というフレーズで天と地の差ができる試合というのは、今後の人生でもそう見ることができないでしょう。


フロンターレが胸の星を増やすためには


ここからは来季以降の話になります


フロンターレは3つ目のタイトルを手にしました。星無しの20周年ユニの18番をいまだに着続けている私ですが、気付けばもう3つもあるのですから、本当に凄いことです。


しかし、これも先程書いた内容と重なりますが、こんな内容でやってたらタイトルを得ることは不可能に近いでしょう。例え得られたとしても、本来2つ3つ得られる運やパワーを投入して1つ得られるかどうかというレベル。

もっと効率よくたくさんタイトルを得るためには、この経験をいかして成長する必要があると思いますし、成長すれば年1つペース。7年後には星の数が2桁に乗ることも夢ではないと思います。


まず第一に改善すべきは

先制点の献上


ツイッターや前回の文章にも書いたように、公式戦ここ15試合で11試合の失点、7試合で先制点を与えてしまってるというのは大きな悩みの種です。

ルヴァンカップの決勝で考えれば5試合全てで先制されてるわけですから、苦しくなるのは至極当然です。

逆に先制できれば底力もあるし得点力も得点パターンもあるわけですから、一気に楽になることは容易に想像できます。変な話ですが、2-0にしてしまえば終了間際に失点したって勝てるわけですから。


第二に改善すべきは

試合の終わらせ方


これはもうフロンターレのフロンターレらしさとも言える部分ですが、時折準決勝のように上手くできることもあるんですから、板に付くようにしてほしいものです。

昨年までの武岡のようなクローザーが居ないことや、憲剛先発となると交代必須で枠的に厳しいといった理由もありますが、ゲームがクローズできる能力があれば、今季はもっと上に居たであろうタイトルは複数あります。


第三に改善すべきは

決定力


これはもう改善方法がわかればノーベル賞クラスの難題ですので、改善しろと言ってできるものではないのは百も承知です。

ただし、今季は本当にこの部分で泣かされてるし苦しんでる。

あべちゃんのような決定力の鬼も居るわけですから、補強の注目点としてピックアップするとかシンプルなやり方でもいいと思います。



喜びを次の喜びに


フロンターレが優勝すればやっぱりとても嬉しいですし、幸せな気持ちになります。

この気持ちをできれば毎年、もっと欲を出せば複数回や、ACLのような大舞台で味わいたいのはチームに関わる全員の夢です。


喜ぶ気持ちもすごくよくわかりますが、だからこそ私のように釘をさすような存在も極少量でいいので必要なんじゃないかなって勝手に思ってます。

口うるさいし耳障りな事ばかり言いますが、これが次の喜びを引き寄せる力になれば、最終的には全員の喜びを増やすことにつながると思います。


喜びが一息ついた頃にこの文章を、もう一度読んでもらったり、喜び終わった人に紹介していただければいいなと思います。

お気持ちよろしくです。