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イタリア旅行記 第10回/全10回

イタリア旅行記 第10回
9月23日(月)
ヒースロー空港 ~ 日本帰国

ヒースロー空港に到着したが、日本に向けての飛行機は5時間後となっていた。
現地時間では16時頃で、一度イギリスに入国してロンドン観光をする時間も充分あったのだが、慣れないことをして、もし戻って来れなかったら単なる馬鹿である。
そんなわけで、おとなしく空港内で時間を過ごすことにした。

それにしてもこのヒースロー空港はものすごく大きい。
ターミナルが4つもあって、シャトルバスでかなり長い間乗せられて移動した。
ターミナルは四角形に配置されており、その対角線の中心にショッピングモールがある。
イメージとしては、サイコロの5を思い浮かべていただけるとわかりやすいかもしれない。
このショッピングモールの中には免税店の他に結構ショップがあり、特にイギリスらしいものではプレミアリーグ・フルハムのオーナーである、『Harrods』のショップもあった。
期待したフルハムグッズや稲本グッズはなかったが、有名な紅茶などをお土産に購入した。
他にもブランドショップや本屋など、そこにあるショップはすべて見て回った。

本屋では当然サッカー関係の雑誌や書籍をチェック。
マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルのイヤーブックのような手帳のようなものが売られており、ベンゲル監督の自伝のようなものもあった。
ベストセラーのコーナーを見ると、3位にあの話題になったロイ・キーンの本もランクインしていた。

その後はナイキショップに向かう。
ユニフォームを取り扱っていないかなぁと思ったら、ちゃんとコーナーがあった。
一番多かったのはもちろんアーセナルで、デザイン的にはアウェーの方がかっこよかったので欲しかったが、サイズが大きすぎて私のサイズの1.3倍ぐらいあるので諦める。
その他ではリーズがそこそこあった気がする。
良く見ていなかったが、リーズってナイキだったかなぁ?と思いながら、購入しようか迷う。
確かに欲しかったのだが、この旅行では結構お金を使ってしまったのでグッと我慢。
あとはなぜかインテルが売っていた。
イギリスでもインテリスタは多いのかもしれない。
結局ここでは弟へのお土産のシャツを購入したのみだった。

その後また色々とぶらついて買い物をしているうちに、だんだんと手荷物が増えて重くなってきた。
ところどころでカートを引いている人を見かけたが、この後もまたあちこちうろつくことを考えると、私もあのカートが欲しくなってきた。
そんなわけで、カートを探してあちこちをうろつく。
しかしその行為が、ちょっとした事件を引き起こしてしまうことになってしまった。

カートは大体シャトルバスからのゲートのそばにあるだろうと思い、人の出入りが多い奥まった通路を探して歩いた。
しかし、とある通路で見つからないので戻ろうと思って歩き始めた時、近くのイスに座っていた空港係員に止められる。
無視して戻ろうとすると、今度は立ち上がって「ノー」と怒られてしまった。
なぜ通路を戻っていけないのか理解に苦しんでいたのだが、遠くで待っていた妻が、「そっちは出国ゲートって書いてあるよ!」と叫んで教えてくれた。
「えっ!」と私は声を失う。
ゲートも何もないのに、出国扱いするなよ!
などと怒りを覚えつつ、しょうがないのでその通路の近辺をウロつく。
すると『Return』という文字が書かれた看板が見えた。
ひょっとしてここからまたショッピングモールに戻れるのか?と思い、小走りでそちらの入口を入ると、そこにはまた空港係員が。
しかも手荷物チェックの機械や金属探知機などがあり、もう一回簡単ながら審査を受けなければならないようだ。
まぁそれでも戻らなきゃしょうがないな、と思いつつ係員の方に歩いていったが、そこでふと思い出す。
パスポートが無い(泣)
実は今回の旅行では、一番大事なパスポートを失くしてしまうことを恐れて、私は妻にずっと預けていたのだ。
パスポートがなければ当然審査を受けられるはずもなく、すぐさまUターン。
妻にまずパスポートをもらわなければならないのだ。
でも、もしどこかに移動してしまっていたらどうしよう・・・などとちょっと弱気になりながらさきほど出国扱いになってしまった通路に向かった。
通路に戻ると遠くの方に妻の姿を発見したので、「おーい、パスポートをくれ~」と大声で話しかける。
近づいてきた妻に事情を話し、パスポートを受け取って再度『Return』と書かれた入口に戻り、手荷物検査と金属探知機のチェックを受け、やっとショッピングモールの方に戻ることが出来た。

妻のもとに戻るとさすがにカンカンに怒っていた。
「バッカじゃないの!?ちゃんと出国ゲートって書いてあるでしょ!あー恥ずかしい」とまくし立てられ、こっちはただ謝るしかなかった。
確かに自分でも恥ずかしかったし、バカなことをしたとかなり反省。
と同時に、ゲートも何もないのに出国扱いするなよ!という、さっきの怒りがまたこみ上げてきた。
でも、なんにしても戻ってこれたので本当にホッとした。

それにしても、あの通路はいったいなんだったんだろう。
そもそも私たちショッピングモールにいる人間にとっては、出国ではなくて入国になるはずである。
しかもあそこが空港と入国との境であるならば、本来は審査をしなければならないはず。
出るのはチェックなしで入る時はチェックありの一方通行ということは、入、空港関係者や航空会社関係者用の通路だったのかもしれない。

その後慎重に案内看板をチェックしつつカートを探し、なんとか確保。
手荷物を全部載せることが出来たのでかなり楽になった。
何店舗もショップを回ったり、ベンチに座って休んだりしつつ、出発までの時間をのんびりと過ごした。
最初は5時間も潰すのかと思うとウンザリしていたが、あんな事件があったりしたので結果的にはあまり退屈はしないで済んだ。

日本行きの飛行機のフライト時間は約10時間だった。
行きと同じように酔い止め薬を飲んだおかげでそのうちの半分ぐらいは眠っていたし、残った半分も飛行機についている個人テレビのおかげで退屈しないで済んだ。
最近の国際線の飛行機には、エコノミークラスにも個人用のテレビがついていて、ちょっとしたゲームをしたり、映画を見たり出来るのだ。
映画ではちょうど話題になっていた『スパイダーマン』などを見る。
またドキュメント番組として『2002 FIFAワールドカップ総集編』というのがやっていたので、こちらは同じものを2回見た。
そんなわけで、特に長時間のフライトを苦痛に感じることなく、日本に帰国した。

日本に到着後、ちょうど同じように連休でアジアに行っていた妻の元職場の先輩と合流した。
本当は2時間ぐらい前に先輩は成田空港に戻っていたそうなのだが、私たち夫婦をわざわざ待っていてくれたのだ。
でも、すんなりとは合流することは出来なかった。
私たちはまさか2時間も待ってくれるいるとは思っていなかったので、周囲を見渡したりせずにさっさと空港を後にし、車を預けてある民間駐車場に向かってしまった。
一方先輩は私たちを驚かせようとこっそりロビーで待っていてくれたらしいのだ。
結局私たちを発見できなかった先輩から、駐車場にむかっている最中に携帯電話に連絡が入ったことで私たちはビックリ。
先輩に電車で駐車場近くの駅まで移動してもらい、やっと合流できた。

しばらく一般道を走り、ファミリーレストランを見つけたので食事をすることにした。
日本に戻って最初の食事はミニそば・ミニうどん、そしてカツ丼。
やっぱりこういう食べ物がおいしいなとつくづく思った。
レストランを出て、お互いの旅行談義や近況報告をしながら先輩を家まで送り、私たちが自宅に戻ったのは23時頃だった。
また明日から仕事だが、しばらくの間はこの非常に楽しかったイタリア旅行の余韻に浸っていることであろう・・・。

【イタリア旅行雑記】
ここでは番外編としてイタリア旅行全般での話や、ちょっとしたネタを思いつくまま書いていきます。(脚注:20年以上前のことですので、現在とは異なる可能性があります)

①イタリアはパンがおいしい!
イタリアでの朝食は、パンと飲み物だけというのが中心。
なかにはハムやスクランブルエッグやデザートが出たホテルもあったが、その種類は少なくて男性にはおそらく物足りないと思われる。
私はバイキングタイプの朝食の方が好きなんだけど・・・。
ただ、どこのホテルの朝食もパンがすごくおいしかったのが印象的だった。
味や形は様々だったが、朝食が少なかったこともあって必ず3個は食べた。

②意外にサッカーカードは売っていなかった
PANINIなどはイタリアのメーカーなのだからあちこちで売っているのを発見できるかと思っていたが、これが意外にもゼロだった。
観光地にばかり行って市街地をあまり見て回っていないせいもあるかもしれないが、それにしても全く目撃することがなかった。
出来ればカードショップなどで日本に売っていないようなものを仕入れてきたかったので、これだけは心残りだった。

③イタリアは奥が深い
はっきりいって、とても9日ぐらいでは観光するには時間が足りなかった。
というのも、今回は4都市を巡ったわけだが、それぞれの都市にいる時間が短すぎて、じっくりと観光することが出来なかった。
しかも行ったのはローマから北であり、南にもたくさん行ってみたいところがある。
今度行く時は、ある程度フリータイムの多いツアーで、行っていないようなところをじっくりと観光したいものである。

【完】

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