見出し画像

イタリア旅行記 第3回/全10回

イタリア旅行記 第3回
9月17日(火)
ローマからフィレンツェへ

ツアー3日目、今日は8時にホテルを出発してフィレンツェに向かうことになっている。
そのため朝食も早めに食べなければならない。
しかし、朝早いことに慣れている私たちには全く問題はなく、レストランが開く6時半にはレストランの前にいた。

レストランが開くと同時に座席を確保し、朝食を食べ始める。
さすがに同じツアーの方はこの時間にはほとんどいなかった。
しばらくしてツアーコンダクターさんがレストランに入ってくるのが見えた。
私たちを見つけ、こちらに向かってきた。
朝の挨拶を交わした後、ツアーコンダクターさんの口から飛び出した言葉は・・・

「サッカーのチケット取れましたよ!」
「ホントですか!!!!??」

どうも昨日ミラノの関連会社に連絡をしてくれたらしく、見事にチケットが手配出来たらしいのだ。
しかも、第1希望のバックスタンドの2階席が確保出来た。
1階席は選手に近いが全体が見づらいし値段も高い、メインスタンドはカメラマン席やシーズンシートが多いので席が端の方になってしまう、ということで、全体が見やすくてしかも安い2階のバックスタンド席を第1希望としていた。
運良く第1希望の席が取れて本当に嬉しかった。
旅行中に良いことが起こるんじゃないか、という根拠の無い予感がものの見事に当たったことになる。

ただ、チケットを確保してもらったものの、値段がいくらになるかが気になった。
頼む時に予算は1人1万円以内と設定しておいたので大丈夫だとは思うが、一体いくらだったのだろう。
定価で買うとこの席なら約25ユーロだから、手数料込みで60ユーロぐらいかなぁと予想しながらツアーコンダクターさんに値段を聞いてみる。
「1枚45ユーロだから、2枚で90ユーロになるそうです」
これは予想よりはるかに安かった。
手数料が20ユーロ程度で済むとは思っていなかったのだ。
この値段なら日本で手配してこないで正解である。
もしかしたら当日券があるかもしれないが、あと5日間ソワソワしながら観光することを考えれば、安心料としては安いものだ。
何にしてもチケットが確保できたことで一気にテンションが上昇した朝であった。

ローマを予定通りの8時に出発して、JALユーロエクスプレスという高速バスでフィレンツェに向かう。
昨日までは乗り合いになるという話だったのだが、一般客用にもう1台を配車したらしく、結局は私たちのツアーで1台を貸し切りにしたようだ。
おかげで荷物置き場も確保できたし、のんびりゆったり座ることが出来た。

バスに揺られること3時間ほどで途中の観光スポットであるアッシジに到着。
ここではサンフランチェスコ教会や街並みを見学し、レストランで昼食をとることになっていた。

サンフランチェスコ教会

写真の建物がサンフランチェスコ教会で、中には28の連続フレスコ画という聖フランチェスコの生涯を描いたものがあり、一つ一つの出来もとてもすばらしかった。
ただ、ちょうど正面入口が修復中だったため、有名な小鳥への説教というフレスコ画が暗くて見づらかったのと、写真やビデオカメラの撮影が禁止されていたのは残念だった。
出口から外に出たらちょっと高台になっていて、あたり一面の平野が見渡せた。
上空はちょっと曇ってはいたが見晴らしが良く、清々しい気分になった。

お昼はちょっと坂を下った所にある洒落たレストランだった。
メニューはよく覚えていないが、全般的においしかった。
この時のテーブルは6人席だったのだが、一緒に座った新婚夫婦と初めて話しをする。
すると、なんと住んでいる所が私たちの住んでいるところから電車で2駅しかはなれていないところだった。
日本各地からこのツアーに参加しているはずなのに、こんな近くの人が一緒というのは、本当に世間は狭いものである。
そんなこんなで色々と話しをして盛り上がっているうちに、あっという間に食事の時間は過ぎてしまった。

食事の後はまたJALユーロエクスプレスにてフィレンツェに向かう。
食事をした後ということもあり、みんなバスの中で眠ってしまった。
次に目が覚めたのはトイレ休憩のために寄ったサービスエリアである。
そこで私は、念願のものが売られているのを見つける。
それは、『ガゼッタ・デロ・スポルト』である。
昨日はローマのあちこちで探したのだが、見つけられずじまいだった。
あとで現地のツアーガイドさんに聞いた話だが、日曜日にスポーツがたくさん行われる関係で、月曜日の『ガゼッタ・デロ・スポルト』は売れ行きがよく、朝のうちでないと売り切れてしまうらしい。
そんなわけで実物を見るのは今日が初めてである。
1部の値段は0.9ユーロだから日本のスポーツ新聞とほとんど一緒である。
1枚目を開くと、見開きで今日開催されるASローマ対レアル・マドリードの特集が載っていた。
予想スタメンやフォーメーション、ベンチメンバーから審判まで細かく載っている。
これが噂に聞くガゼッタかと感心する。
書いてある文章はイタリア語なので全然わからないが、選手名などはもちろん共通なのでそれだけ眺めていれば大体はわかる。
その後もずっとサッカー関係の記事が続き、新聞の3分の2はサッカー関係だった。
残りはバレーボールとバスケット、競馬が少々といった感じである。
お国柄が良く出ていてとてもおもしろい。
明日からも見つけたら買うことにしようと思う。

フィレンツェには予定通り18時ごろ到着。
19時半頃に再集合し、ツアー客みんなでレストランに行き食事をする。
ここでは10人で1テーブルだったが、ここでも色々な方と話をすることが出来た。
始めこそみんなよそよそしかったが、3日も経つとだんだんとお互いに話しをする機会も増えてきた。
こういうコミュニケーションも旅行の楽しみの一つである。
土曜日にサッカー観戦に行くことを話すと、みんなから羨ましがられた。
話しているうちにまた気持ちが高ぶってきた。
そんな楽しいひとときを過ごしたあとホテルに戻り、明日の市内観光に備えてちょっと早めに眠りについた。

第4回に続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?