M1GP2021の感想

「M-1グランプリ2021」敗者復活戦及び決勝戦が,2021年12月にテレビで放送された。著者(この記事を書いた人)は,全ネタについて100点満点で点数をつけた。この記事では,その著者がつけた点数を見ながら,著者がどのような漫才を好むのかについて考察する。

念の為に書いておくが,この記事では漫才の優劣,つまり,この漫才が優れている,または劣っているという主張をしたいのではない。単に著者の好みについて論じているだけであることに注意されたい。漫才師の皆様に助言をする気など毛頭ない。著者は身内の余興でしか漫才をしたことがないド素人である。

順位及び全組の点数

著者が全ネタにつけた点数を以下に示す。

敗者復活戦

1位 マユリカ 95点
2位 見取り図 94点
3位 アルコ&ピース 93点
3位 東京ホテイソン 93点
5位 ヨネダ2000 92点
5位 さや香 92点
7位 ハライチ 91点
7位 ニューヨーク 91点
9位 キュウ 90点
9位 アインシュタイン 90点
11位 ダイタク 89点
11位 男性ブランコ 89点
13位 ヘンダーソン 88点
13位 からし蓮根 88点
15位 カベポスター 86点
16位 金属バット 85点

決勝戦 1st ROUND

1位 ハライチ 93点
1位 オズワルド 93点
1位 もも 93点
4位 モグライダー 92点
4位 真空ジェシカ 92点
4位 ロングコートダディ 92点
7位 錦鯉 91点
8位 ゆにばーす 90点
9位 ランジャタイ 89点
9位 インディアンス 89点

これは,ネタ終了直後につけた点数である。決勝の点数について,私の中で高評価であったモグライダーと,低評価であったランジャタイの差を狭くしすぎたことで,他の組の点をその間でつけなければならなくなり,かぶりが大量発生してしまったことに心残りがある。それを解消するために修正を加えた場合の結果についても示しておく。

決勝戦 1st ROUND(修正後)

1位 オズワルド 97点
2位 ハライチ 96点
2位 もも 96点
4位 モグライダー 95点
5位 ロングコートダディ 94点
6位 真空ジェシカ 93点
7位 錦鯉 92点
8位 ゆにばーす 91点
9位 ランジャタイ 89点
9位 インディアンス 89点

著者の好みに関する考察

この審査結果を見て,著者の漫才の好みについて考察する。

好みでない漫才の特徴

著者はこの審査結果を見て,以下の四つの特徴にあてはまる漫才が好みではないのではないかと感じた。

(a) セリフの間が詰まりすぎていて置いていかれる
(b) 流れが予測できなさすぎて,何を注意して聴いたらいいのかがわからず,全てを聴こうとして消耗し集中が切れ,置いていかれる
(c) 演者に共感できず,興味を失い置いていかれる
(d) 会話に展開を感じられず,飽きてしまい置いていかれる

(a)には,インディアンスがあてはまっていた。

(b)にあてはまっていないことが顕著なのは東京ホテイソンとももである。東京ホテイソンはたけるさんの「いぃや」,ももは両者の「〇〇顔やろ」で笑いを起こそうとしていることが予測できる。

(c)には,インディアンスがあてはまっていた。田渕さんが,実はまともな人であるのに,故意にきむさんの話を邪魔しているようにしか見えず,田渕さんに対し「なぜそんなこと(邪魔)をするの?」と思ってしまい,共感することができなかった。マユリカの阪本さんやオズワルドの畠中さんは,見当違いなことを言ってるが,自分なりに考え,一生懸命に目的を遂行しようとしていることは伝わるため,共感ができた。阪本さんは女役の中谷さんを喜ばせようと必死で,畠中さんは伊藤さんから友達を貰おうと必死だ。真空ジェシカの川北さんは,田渕さんと同様わざとガクさんを困らせようとしているようにも見えたが,本当に狂っていてそうなってしまったようにも見えた。微妙なところである。田渕さんは,明らかに,本当はきむさんの話をまっとうな態度で聴ける常識人であるのにも関わらず,故意に好奇心で邪魔をしているように見えてしまった。

(d)には,金属バットとインディアンスがあてはまっていた。金属バットは,小林さんが早口言葉をただただ言っていただけ,インディアンスは,田渕さんがただただボケたいようにボケていただけのように感じた。

各ネタの感想

ここでは一部のネタについてコメントする。

まず,モグライダーについて。「トップバッターでなければもっと順位が上だったのではないか」という意見を多く目にした。著者も同感である。実際,著者も点数をつけながら,モグライダーとの比較にかなり苦戦した。順番に惑わされずに正当な評価を下すにはどうしたらいいのだろうか。この議論は今に始まった話ではないのだろうが。

次に,決勝のハライチについて。「大衆受けしずらいネタをやっていた」という意見を多く耳にした。著者は以前から岩井さんが怒りの感情を剥き出しにして騒ぐ様子を,冠ラジオ(ハライチのターン!)やゴッドタン(主に「腐り芸人セラピー」や「マジ歌選手権」という企画で見た気がする),あちこちオードリー等で経験していたため,あのネタに適応することができたが,多くの人はそうではなかったために困惑したのではないかと予想した。人により評価が分かれたのではなかろうか。

次に,ロングコートダディについて。「マイクの前から動かない方が良い」という意見。これについては実際にそのバージョンを見てみないとなんとも言えない気がするが,舞台の上下に移動することにも利点はあるように思う。移動することで,兎さんが天界で右往左往し,翻弄されていることがより伝わったり,「今は役割を貰う場所にいる」「今は詳細を貰う場所にいる」ということがより伝わりやすくなったりするのではないだろうか。後者については,情報量が増えすぎることでかえって観る側を困惑させることになる可能性も否めないが。要するに,移動する,しない,どちらにも利点と欠点があるのではないかということを主張したかった。この議論は予想の域を出ないが。


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