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MBA受験体験記 #7 カウンセラー選定

勝手にメンターProfile

MBA受験の伴走者となってくれるカウンセラー。受験の成否も彼らに左右されるといっても過言ではないかと思います。

一方、カウンセラーの費用は一般的に高く(3万円以上/時間)、また、カウンセラーの口コミがされているサイトはあまり見当たらず、私自身、受験している当時はどのカウンセラーに頼れば良いか悩みました。

今回、今後カウンセラー選定を行う方の参考になればと思い、私が利用したカウンセラーのレビューを記事にしてみることにしました(コストについては、$(低)~$$$$$(高)の目安で表記しています)。

エッセイ:Jessica King 人間力とロジカルの総合派

【メリット】
最大のメリットは、エッセイにおけるストーリー作りに長けている点が挙げられます。

私の場合は、受験前から、自分のバックグラウンドとこれまでのキャリア、そしてキャリアゴールを漠然と結ぶことができていたのですが、Jessicaに深堀されることで、論理の飛躍もなく、かつ、ドラマチックに表現することができました。

ただし、この過程には受験生も相当コミットせざるを得ず、一朝一夕にエッセイが完成するというわけではありません。エッセイ作成の過程で、何度も”Boring!”, “This sentence should be more dramatic.”, “Shota, I do not say I don't like it. I say I REALLY don't like it”と突き返され、自分の頭で考えることが必要とされました。

特に「よりドラマチックな表現にしろ」という抽象的な指摘はノンネイティブには辛かったですが、最後のHBSやHaasのエッセイを執筆する際は比喩表現や情景描写などを描くことができるようになってきました(もちろん最後のエッセイの仕上げはJessicaがやってくれます)

2つ目のメリットは、米国中年女性という多くのアドミと同年代の環境で育っており、アドミに対して何がウケるのかをよく分かっていると感じました。

私の場合は、Jessicaのアイデアで野菜ソムリエという資格をレジュメや課外活動で全面に出したのですが、これは大当たりでした。その他、DukeのRandom25やNYUのPick Sixというエッセイのネタだしは彼女のサポートにより、アドミッションをentertainさせつつ、自分をうまく表すことができたと思います。

【留意点】
レスポンスは早くはないです。Working Hourは午後2時~夜10時くらいとEDに比べると短めですし、メールへの返信は1日くらい待つこともざらにあります。また、毎週火曜日や2ndラウンド繁忙期のクリスマス~年末で長期の休みをとるのでスケジューリングにそれらを加味する必要があります。

一部のカウンセラーはアイデアを伝えたあとは、代わりに書いてくれるようですが、Jessicaは最後の仕上げ以外は執筆してくれません。

【コスト】$$$

エッセイ:江戸義塾 情報網とレスの速さはピカイチ

 NYUのセカンドオピニオンおよび過去のインタビューメモなどをもらうための情報網として利用しました。

【メリット】
最大のメリットは、ネットワークです。ほぼ全ての日本人受験生と接点を持っており、留学同期に関する情報(先に面接を受けた人の情報をもらえたり)、過年度の同期に関する情報を共有してもらえます。その他、ED主催のセミナーで受験仲間を見つけることもできます。

2つ目のメリットは、レスポンスが早いので、急ぎでチェックして欲しいときなどはJessicaよりもEDを使うという使い方もあるかもしれません。

【留意点】

NYUのエッセイに対するセカンドオピニオンを求めたのですが、変更点はワーディングに留まったので、Jessica以上に新たな観点を指摘してもらえるということは感じませんでした。

EDをメインにしていた受験同期は、2ndラウンドに入るとクライアントの数が尋常じゃなく増えるので、各クライアントに関するケアの質が落ちると嘆いておりました。

【コスト】$$$~$$$$

エッセイ:番外編

インタビュー用で利用していたMatthewは5,000円/時間という破格の安さでエッセイを添削してくれます。私はHaasの”When you feel alive”エッセイのセカンドオピニオンを依頼しました。

私とJessicaは長期間にわたり議論を重ねていたため、論理の飛躍も少しあり、初見のMatthewに見てもらうことで、初見の人でも分かりやすくなるような文章に修正してもらえました。

受験同期のなかでは、序盤はEDとネタ出しをして、中盤からはMatthewにエッセイカウンセラーをしてもらっている人もいました(その同期は、すべての出願先からInvitationが来ていたので質という面でも優れているのかもしれません)。

Nishはエッセイの添削などを無料でやってくれます。こちらはワーディングや文法中心の内容になるので、コンテンツ自体の修正はやってくれません。アプリケーション上のスモールクエッションの確認などに利用しました。

一部のカウンセラーは時間制ではなく、定額パッケージで提供しています。私の留学同期の友人で定額制を選んだ人は「カウンセラーがより良いサービスを提供し継続的に利用してもらおう」という意欲がなくなっている気がすると嘆いていましたので、ご注意ください。

インタビュー:Matthew Aldridge

ほどほどの単価で質の高いアドバイスをくれるという印象です。他受験生からの評価も抜群でした。内容の構成(順序の入れ替えや既出の回答とのリンケージをどのように生み出すか)などについて有益なアドバイスをもらえましたので導入部分から最終調整まで幅広いフェーズで利用に値するカウンセラーでした。また、Yaleのビデオエッセイ対策として複数回セッションしましたが、ビデオエッセイで重視されていること(コンテンツ>デリバリー)なども的確にアドバイスもらえたと感じています。単価も安いので使い勝手が良いイメージです。

【コスト】$~$$

インタビュー:Jessica King

最も指摘のクオリティが高いカウンセラーという評価です。トップスクールを受ける人のほとんどが彼女とMockをやっていると感じました(HBSの同期はJessicaとのMockのあとは毎回泣いたと言っていました)。私の場合は、コンテンツよりも表情などについて指摘を受けることが多かったです(彼女が考える私の最大の強みはQuirkyでCharmingな性格という分析のためだと思われます)。コンテンツについては、表層的な回答を行うと、”Boring”という率直な指摘をもらえます。

【コスト】$$$

インタビュー:Nish Subasinghe

Matthewよりも安く、DMM英会話よりもMBA受験に熟達しているという位置づけで、本番前の最終調整で利用しました。利用する受験生も多く、質問の仕方なども学校ごとにカスタマイズしてくれるため、最終調整としては丁度良かったです。ただし、彼自身はMBA専門のカウンセラーという訳ではなく、TOEFLやIELTSのスピーキングが専門だと思いますので、コンテンツの深堀りには向いていないかもしれません。

【コスト】$

インタビュー:江戸義塾

HBSの面接対策で利用しました。過去のInterviewメモなどを大量に保有しているので、学校ごとに聞かれやすい質問をうまく捉えているという印象でした。ただし、大きなフィードバックはもらえなかったという印象です。

【コスト】$$$~$$$$

インタビュー:Reve Consulting

HBSの面接対策で利用しました。日本人の男性田中さんと奥様で中国系アメリカ人のCecilaが運営するカウンセリング会社。HBSのMockを担当するCeciliaは中国系アメリカ人かつHarvardの教育系大学院の面接官経験者のため、HBSの面接官であるEileenとバックグラウンドが近く、HBSの在校生およびJessicaから最終調整としてオススメです。実際にHBSの本番を受けてみて、確かにEileenと最も近かった印象を受けています。

【コスト】$$$

インタビュー:Adam Markus

HBS面接対策で利用。うまく説明できていない点(会社の組織構造、Why HBS)について的確に指摘いただきました。単価も高いのでHBSの面接練習相手に不足を感じたときに利用する感じかなと思います。

【コスト】$$$$~$$$$$

インタビュー:Stephen Green

HBS面接対策で利用。コンテンツよりも受け答えの仕方を含むプレゼン力に重きが置かれているイメージがありました。私の場合は、回答の冒頭に”Sure”を挟む癖があったのですが、その点について指摘を受け、バライエティを増やすようにアドバイスをもらいました(例えば、”Thank you for asking”など)。その他、別の癖で、”Let me talk about XXX first”というのがあるのですが、Letの前にPleaseをつけるとより丁寧な印象を与えられるといった助言も受けました。

【コスト】$$~$$$

インタビュー:Ellin Lolis

Yale、NYUの面接練習で利用しました。これらの学校は面接官が非日本人ということで、日本人英語に慣れていない純粋な白人のカウンセラーと練習したいと思い、利用しました。面接の質問やフィードバックも的確でしたし、非日本人と話すということに慣れることもできたので、利用価値は高かったと思います。

【コスト】$$

インタビュー:番外編(留学同期)

1stラウンドで出願したあたりから、Twitter上で「誰か一緒にMockやりませんか」というツイートをする受験生が出始めるので、それらの方々にDMしMockをしていきました。留学同期と面接練習するメリットは3点あると思います。

① 無料であること

② 他の受験生の回答で参考になるものは真似ることができること
自分が答えにくいなと思う質問を他受験生向けに質問することで、彼らの回答からヒントを貰えることが多々あります。
例えば、”Why Kellogg?”という私からの質問に対し、受験同期が「最近SF Winter Quarterというプログラムも開始されたなど、VC教育に力を入れているから」と答えたのを受け、私としては初めてKelloggがSFでプログラムをやっていることを知ることができました

③ 他受験生を知ることで自分のアピール方法を考える機会が生まれること
受験時に他の受験生と相対比較し自分の強みを知ることで戦い方を見つけることができます。
私の場合、HBSの面接練習相手として、IB出身の受験生とアプリケーションパッケージを交換のうえ、面接練習をしました。その際、金融に関する知識や実績では明らかに彼に勝てないことが分かりましたので、HBSの面接本番では金融というよりも農業を推す方向に戦略を調整しました。

④ 受験仲間ができること
一部の方々とはデイリーベースで情報交換ができるまで仲を深めることができたので孤独な受験生活を乗り切る伴侶探しとしても有効でした。おそらく留学中も学校は違えど交友を続けるのだろうなと思います。

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いかがでしたでしょうか。少しでも各カウンセラーの特徴が伝われば幸いです。

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