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4年間経営コンサルを経験し得たもの

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私は、現職の外資メーカーに務める前の4年間は2社の経営コンサルティング企業(コンサル)に所属していました。4年は私の11年の社会生活の中で最も濃厚で一番成長した時間になったと自負します。私は今でも向上心のある周りの後輩からコンサルへの転職を相談されたら「キャリアップのための負荷テスト期間だと思って頑張るなら是非挑戦してほしい」と勧めています。

もちろん、才能溢れた人材の間に入って自分の居場所を見つけ会社に貢献できるまでは苦労もあり、やめたいと思う毎日が続きましたが、走り続けたことで私が手に入れたものについて共有できればと考えています。

コンサルではアサインされたプロジェクトによって経験することは多岐に渡りますが、共通しているベーシックな業務は下記6つになります。

① ロジックシンキング
② コンサル基礎スキル
③ カスタマフェーシング
④ チームマネジメント
⑤ セールス
⑥ 専門領域の知識・経験

そのうち、私が特に経験できたのが、①~⑤の業務であります。特にコンサル内でマネージャ(管理職)になるまでに必要になる①~③の業務については会社員としてコンサルに限らずどの業界でも活かせるスキルだと考えています。その業務スキルをどのように学んだかということと現在事業会社でどのように活かせているのかをシェアできればと思っています。

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① ロジカルシンキング

コンサルでは社会の課題 を解決するために存在しており、課題解決に向けて相手を説得する一番簡単な方法が論理的に意見を整理して相手に伝える方法です。そのため、コンサル業務を始めるときに欠かせないスキルがロジカルシンキングになります。

私は直感型の人で、ロジカルシンキングスキルが不足していたため、人を説得するまでに時間がかかったり、話を聞いてもらえない場合もありましたが、ロジカルシンキングスキルを手に入れると直感的に「なんとなく」意思決定していたものもあとから「なんとなく」を掘り下げて構造的に伝えることで相手に説明ができるようになったと感じています。

雑談になりますが、私がコンサルで仕事で悩んでいたときですが、同僚が慰めたいということでご飯に行きました。慰める会となれば「元気だして」、「大丈夫だよ」など落ち込んでいる人の感情に付き合ってくれるのが普通だと思います。しかし、その同僚は私が落ち込んでいることには全く触れず、「XXさんはXXスキルが活かせるからXX業務にフォーカスしていけばいいんじゃない」と今後の困難を乗り越えるための手段について話してくれました。職業病に近いと思いますが、コンサルに長くいるとロジカルに真っ先に問題の把握と解決方法を探ることを考えるのです。個人の心のケアには適していない部分もあるかもしれませんが、問題解決の方法として一番アプローチしやすい手法だと考えています。

ロジカルシンキングについては下記記事でも触れていますので興味があれば参考にしてください。

② コンサル基礎スキル(特にプロジェクトマネジメントスキル)

コンサル基礎スキルとは、プレゼン、調査、プロジェクトマネジメントなど経営コンサル業務には欠かせないスキルを指しています。どのスキルも業界を問わずビジネスマンとして必要になるスキルですが、私はコンサル会社にいたことで学ぶスキルとして良かったのが資料作成やプロジェクト管理スキルであります。資料作成についてはこれまでの記事にて紹介していますので割愛します。

コンサルでは様々な業務の支援を行いますが、最近特に多いのは企業内で実施される業務・システム革新に対するプロジェクトマネジメントの業務です。プロジェクトを第三者の立場で状態をモニタリングし、進捗を管理することでプロジェクトをスムーズに推進させるスキルになります。日本ではこれまでの組織型成果創出からプロジェクト型成果創出に転換している企業も多いと聞いていますが、コンサルには古くからプロジェクト型の仕事を受け持つことが多くこれまで蓄積されたスキルを活かしてサポートを行っています。

プロジェクトマネジメントに関してはゆっくりまた記事を書いてみたいと考えています。この記事では、私が重宝しているプロジェクトマネジメントの本を一つ紹介いたします。

③ カスタマーフェーシング

コンサル及びITサービス業務におけるカスタマーフェーシングはすでにある商材を売るわけではなく自分のスキルや能力に対し、相手が支払いしていると言う点からメーカーやB to Cサービスの営業業務とは色が異なります

コンサルのお客様からよく聞かれていたのが「XXさんには、月X百万分の仕事をしてもらわないと行けないよね」ということです。当然ですが、相手からは私は成果を出してもらわないといけない存在なのです。その期待に答えるために日々奮闘するわけです。

少し恥ずかしい話ですが、私がコンサル会社に入って経験がないときにあるプロジェクトで相手の顧客向けに自己紹介をする場がありました。「XXコンサルのXXXと申します。未熟ですが、これから勉強しながらプロジェクトに貢献できるようがんばります。」謙虚で礼儀正しい挨拶。ただ、空気は重たくなり、その日私は「Be professional!」と上司からお叱りを受けました。顧客はお金をかけて私に発注しています。そんな人が勉強するとはどういうことだ!となる訳です。

そして相手の状況や気持ちを探りながら会話する必要があります。コンサルは自己満足ではなく相手を納得させ、前に進むように後押しするのが仕事なのです。カスタマーフェーシングのスキルを身に着けたときはコンサルタントしてのプロフェッショナル精神を保持することができます。

最後に

刺激とプレッシャーをかけられ負荷テスト状態の日々が続いた4年間でしたが、この生活で自分の価値が上がったことは間違いありません。

成長したいという意欲と挑戦する勇気がある方は、是非コンサル業界に足を踏み入れて体験してみてください!

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